排煙設備のベルト駆動は、排煙機を動かすための大切な伝達部分です。
電動機が回っていても、プーリーが緩んだりVベルトが傷んだりすれば、期待した風量を出せません。
消防庁の点検要領では、プーリー・回転軸とVベルトを別々の判定項目として確認します。
ここでは、排煙設備の点検で見逃したくない動力伝達装置の見方を整理します。
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Toggle排煙機が回るなら、ベルトまで見る必要があるのでしょうか。
回ることと、動力を確実に伝えることは別に確かめます。
点検票には動力伝達方式としか書かれていなくて、迷っていました。
まずVベルト駆動か直結かを図面と現物で照合しましょう。
- 動力伝達装置は、電動機の力を排煙機へ渡す部分です。
- プーリーと回転軸は、緩み・変形・損傷・著しい磨耗がないかを確認します。
- Vベルトは、動力を伝えるのに支障がない緩みで、損傷・磨耗・油脂の付着がないことが判定基準です。
- ベルトに異常を見つけたときは、運転できた事実だけで良としません。
- 点検票への記入と、現物の合否判定は目的が異なる確認です。
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目次
排煙設備の動力伝達装置は何を確認するのか

消防庁の点検の基準は、電動機そのものとは別に、動力伝達装置を点検項目に置いています。
電動機が動作しても、回転を受ける側へ力が確実に渡るとは限りません。
直結方式ならVベルトはありませんが、ベルト駆動なら現物の構成を点検票と照合します。
明日確認するなら、まず設備図面と機械室の現物で駆動方式をそろえることが出発点です。
排煙機だけでなく、電動機からのつながりを追うのですね。
はい。
回転の経路を一続きで確認することが大切です。
プーリーと回転軸はどこまで確認するのか

外から見えるため、ベルトだけに目が向きがちですが、固定が確実でなければ伝達は安定しません。
ここでいう確認は、単に表面を眺めるだけではありません。
点検要領の判定文にある緩み、変形、損傷、著しい磨耗という区分ごとに、異常の有無を記録します。
安全カバーの扱い、停止手順や整備方法は設備ごとに異なるため、無理な分解をせず有資格者へ引き継ぐ判断も必要です。
ベルトが無事でも、プーリーの固定まで別に見るのですね。
固定部とベルトは、別の判定項目として残します。
Vベルトの緩みはどう判断するのか

このため、張りが不足して滑る状態も、必要以上に負担が掛かる状態も、現場の仕様を無視して判断できません。
告示と点検要領は、全設備共通のたわみ量を一律に示しているわけではありません。
そのため、保守資料やメーカー仕様、設置時の図書を確認せずに、目分量だけで良否を決めないことが重要です。
防火管理者は異音や滑りの兆候を見つけた場合に、点検者へ共有できるよう記録を残します。
張り具合を、独自の数値だけで決めないほうがよいのですね。
はい。
設備固有の仕様も照合します。
損傷や油脂の付着を見つけたらどうするのか

表面に異常があれば、回転中の見た目だけでは排煙性能を保証できません。
油脂の原因、交換の可否、停止範囲は、設備の保守契約や管理区分によって対応が分かれます。
異常を発見したら、撮影・記録をしたうえで整備の要否を点検実施者と確認します。
消防用設備等の点検結果として不良が残るときは、報告や改善の扱いを所轄消防署と専門業者へ相談してください。
油が付いていても回るから、と後回しにしてはいけないのですね。
そのとおりです。
原因と整備を記録につなげましょう。
点検票への記入と実務の確認はどうつなげるのか

一方で、点検要領はプーリー・回転軸とVベルトの状態を判定するための確認方法を定めています。
方式の記入は、設備構成を後から確認できるようにするための情報です。
対して、緩み・損傷・磨耗・油脂付着の確認は、その時点の状態を評価するための点検です。
点検後は、安全カバーや停止した連動機構を所定の状態へ復元し、異常と措置内容を記録します。
点検票の記入と、実物の合否を同じ作業にしないのですね。
はい。
方式・状態・措置を分けて残します。
よくある質問
まとめ
点検票と現物を分けて、次回は伝達部分も確認します。
排煙設備の点検で迷うときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
※本記事は公表されている告示・通知に基づく一般的な解説です。設備の方式、保守資料、建物の用途や所轄消防機関の運用で対応が異なる場合があります。実際の点検・整備は消防設備士等の専門家および所轄消防署へご確認ください。





