非常用照明装置の検査というと、停電時にきちんと点灯するかどうかにばかり目が向きがちです。
しかし照明器具そのものにも、告示が定める細かな構造基準があります。
使ってよい光源の種類やソケットの材質は、白熱灯・蛍光灯・LEDランプでそれぞれ違います。
この記事では、その構造基準と検査での判定の仕方をあわせて解説します。
うちの非常用照明、去年LEDに交換したんですが、それでも良かったんでしょうか。
はい、LEDランプにも告示で定められた規格があります。
今日はランプの種類ごとの基準を確認していきましょう。
白熱灯や蛍光灯にも決まりがあるんですね。
ソケットの材質まで細かく決まっています。
器具の取付け状態とあわせて見ていきます。
- 非常用照明器具に使ってよい光源は、白熱灯・蛍光灯・LEDランプの3種類に限られます。
- 白熱灯はソケットの材料が耐熱性のある樹脂等に限定されています。
- 蛍光灯は即時点灯性回路に接続していないスターター型が除外されています。
- LEDランプは日本産業規格に適合する直管形かLEDモジュールのいずれかに限られます。
- 検査ではランプの状態だけでなく器具の取付け状況もあわせて確認します。
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目次
非常用照明器具に使ってよい光源はどう決まっているのか

そのため使ってよい光源そのものにも、告示が定める厳しい制限があります。
停電の瞬間に確実に点灯しなければならないため、火災でソケットが加熱されても壊れない耐熱性が欠かせません。
一般の照明器具をそのまま非常用に転用できないのはこのためです。
口金やソケットの材料まで告示で細かく指定されており、次の項目からランプの種類ごとに見ていきます。
検査でもまず、この3種類のいずれかに該当しているかどうかが最初の判定ポイントになります。
光源の種類まで決まっているとは知りませんでした。
はい、白熱灯・蛍光灯・LEDランプの3種類だけが認められています。
それぞれ細かい条件があるので、順番に見ていきましょう。
白熱灯を使うときソケットの材料はどう決まっているのか

ただしソケットの材料だけは細かく指定されています。
一般家庭用の白熱灯ソケットに使われる合成樹脂のすべてが対象になるわけではなく、高温でも変形しにくい耐熱樹脂に限られています。
これはソケットが焼損すると、せっかく点灯した非常灯が途中で落下したり配線がショートしたりする危険があるためです。
検査では製品の仕様書やメーカーの表示で、告示に適合する材料が使われているかを確認します。
セラミックス製のソケットは耐熱性が高く、古くから非常用照明器具で広く使われてきました。
うちは白熱灯なので安心しました。
ソケットの材料までは確認していますか。
見た目では分かりにくいので、記録を確認しておきましょう。
蛍光灯はどんな方式なら使ってよいのか

そこで告示は、点灯の仕組みによって使える蛍光灯を絞り込んでいます。
通常のスターター型蛍光灯は、グロー放電で予熱してから点灯するまでに数秒のタイムラグが生じます。
これでは停電した瞬間に暗闇ができてしまうため、即時点灯性回路に接続されたものだけが認められています。
ソケットの材料も白熱灯とは異なる9種類の樹脂から選ぶ決まりです。
検査では型式だけでなく、実際に即時点灯性回路へ接続されているかどうかもあわせて確認します。
蛍光灯だとすぐ点かないタイプもありますよね。
その通りです。
非常用にはすぐ点灯する回路につながったものしか使えません。
LEDランプはどんな構造が求められるのか

交換すれば何でもよいわけではありません。
ひとつは蛍光灯の形に似た口金付きの直管形で、既存の器具のソケットにそのまま差し込めるタイプです。
もうひとつは口金を持たず、器具に組み込まれたLEDモジュールで、難燃材料で覆われていることが条件になります。
市販の家庭用LED電球をそのまま流用することはできず、非常用照明器具として作られた製品かどうかがポイントです。
交換工事をする際は、器具メーカーが指定するランプかどうかを必ず確認しましょう。
LEDに交換するときは何に気をつければいいですか。
器具メーカーが指定するランプを使うことが大切です。
市販の電球への交換はおすすめできません。
検査ではランプと器具の状態をどう判定するのか

実際の検査では、取り付けられた状態そのものも判定の対象になります。
ランプの破損や、器具に合わない形式のランプが差し込まれていないかを目視で確認します。
器具本体についても、天井や壁への取付けのぐらつきがないかを手で触れて確かめます。
予備電源を内蔵したコンセント型の器具は、差込みプラグがコンセントから容易に抜ける状態になっていないかも見落としやすいポイントです。
これらは目視と触診だけで判定できるため、検査のたびに必ず確認しておきたい項目です。
見た目のチェックだけでも意外と多いんですね。
はい、ランプと器具の両方を確認します。
コンセント型は特に抜けやすさに注意してください。
よくある質問
まとめ
ランプの種類までしっかり確認します!
ぜひ取付け状態もあわせて見てあげてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法施行令第126条の4・第126条の5(e-Gov法令検索)
- 昭和45年建設省告示第1830号 非常用の照明装置の構造方法を定める件(最終改正:平成29年6月2日国土交通省告示第600号)
- 東京都建築設備定期検査報告実務マニュアル2025年版(東京都、判定事例の考え方を参考に独自に解説を作成)
※本記事は公表されている告示に基づく一般的な解説です。実際に使用できるランプの型式や適合の可否は、器具の製造時期や仕様によって異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または建築設備等検査員にご確認ください。




