光ファイバケーブルという言葉を聞くと、消防設備からは縁遠い技術だと感じるかもしれません。
しかし実は、一定の条件を満たせば光ファイバケーブルも消防用設備等の配線として使うことが認められています。
条件を満たさないまま導入してしまうと、検査で指摘を受けて配線をやり直す事態にもなりかねません。
今回は光ファイバケーブルが消防用設備の配線として認められる仕組みを解説します。
うちのビルで火災報知設備の配線を、光ファイバケーブルに替えたいと相談を受けたんです。
電気を通す電線じゃなくて、光ファイバでもいいのかと迷いますよね。
はい、電線と同じ扱いにできるのか気になっていて。
実は耐熱電線と同等以上の性能と確認できれば、光ファイバケーブルも使えるんですよ。
- 光ファイバケーブルは、消防用設備等の操作回路・信号回路の配線として使うことが認められています
- 認められるのは耐熱電線と同等以上の性能を持つ「耐熱光ファイバケーブル」だけです
- 通光性試験・耐熱試験に合格したものだけが対象になります
- 製造者名・製造年・耐熱光ファイバケーブルである旨の表示が無ければ使えません
- 根拠は消防法施行令第32条の特例扱いです
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目次
光ファイバケーブルはなぜ消防用設備の配線に使われるようになったのか

その流れが、消防用設備の配線にも及んだのが今回のきっかけです。
消防用設備も感知器や受信機どうしを結ぶ信号量が増え、同じ流れに乗る形になったのです。
当時はまだ、光ファイバケーブルを消防用設備の配線として使ってよいかどうかの基準がありませんでした。
そこで消防庁が検討を進め、この通知で初めて基準を示すことになりました。
インテリジェントビルという言葉自体が、当時の技術トレンドを物語っています。
うちのビルも通信回線を増やしたタイミングで相談されました。
通信設備の更新とあわせて配線を見直す建物は多いんですよ。
どんな回路の光ファイバケーブルが対象になるのか

機器を動かすための操作回路と、信号をやり取りする信号回路が対象です。
操作回路や信号回路のように、耐熱性が求められる部分だけが対象なのです。
消防用設備の主回路そのものを光ファイバケーブルに置き換える話ではありません。
あくまで「情報を伝える配線」の選択肢が広がったと考えるとわかりやすいです。
電源の配線まで光ファイバにできるわけじゃないんですね。
そのとおりです、対象はあくまで操作回路と信号回路に限られます。
耐熱光ファイバケーブルはどんな基準を満たせばよいのか

それが「耐熱光ファイバケーブル」です。
両方に合格して初めて「耐熱光ファイバケーブル」と名乗れます。
この基準に適合する場合、消防法施行令第32条の特例扱いとして、耐熱電線を使ったものと同じに扱われます。
性能を試験で確認できたものだけに、電線と同等の資格を与える仕組みだといえます。
なお当時この基準が引用していた耐熱電線の告示は、その後平成9年消防庁告示第11号へ全部改正されていますが、380度15分間という耐熱試験の考え方そのものは変わっていません。
試験に受かったものだけが「耐熱光ファイバケーブル」を名乗れるんですね。
はい、名乗るだけでは駄目で、実際に試験へ合格している必要があります。
試験に合格していない光ファイバケーブルはなぜ使えないのか

だからこそ、表示による見分け方が決められています。
一般の通信用として売られている光ファイバケーブルには、当然この表示はありません。
見た目や価格だけで選んでしまうと、検査のときに基準不適合を指摘されかねません。
製造者名・製造年・耐熱光ファイバケーブルである旨の3点セットが揃っているかを必ず確認してください。
配線を任せる工事業者にも、あらかじめこの表示の確認を依頼しておくと安心です。
普通に売っている光ファイバケーブルとは、表示が違うということですね。
そうです、通信用の一般品とは表示の有無で見分けがつきます。
導入前に何を確認すればよいのか

書類の確認と事前相談の2つがポイントになります。
表示だけでは分からない試験の合否も、成績書があれば裏付けが取れます。
そのうえで、実際に採用する前に所轄消防署への事前相談を済ませておくと安心です。
特例扱いという性質上、現場の判断が入る余地があるためです。
書類と相談の両方を済ませてから、初めて配線工事に進むという順番を守ってください。
つまり書類の確認と消防署への相談、両方やっておけばいいんですね。
そのとおりです、この順番を守れば工事のやり直しを防げます。
よくある質問
まとめ
これで光ファイバケーブルを使うときの確認すべき順番がはっきりしました!
お役に立てて何よりです、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 光ファイバケーブルの耐熱性能等について(通知)(昭和61年12月12日 消防予第178号 消防庁予防救急課長、改正 平成13年3月消防予第103号・消防危第53号)
- 消防法施行規則第12条第1項第5号
- 消防法施行令第32条
- 耐熱電線の基準(平成9年12月18日消防庁告示第11号、最終改正 令和元年6月28日消防庁告示第2号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





