住宅用防災機器と一口にいっても、実は2種類あることをご存知でしょうか。
多くの住宅で使われているのは、天井や壁に取り付けた警報器が単体で作動するタイプです。
これとは別に、複数の感知器を受信機でまとめて管理する住宅用防災報知設備という仕組みも法令上定められています。
この記事では、住宅用防災報知設備の仕組みと、その補助警報装置に求められる技術基準を解説します。
うちは寝室に警報器を1個つけただけなんですが、それで十分ですか。
住宅用防災警報器と住宅用防災報知設備は別物ですよ。
どちらを選ぶかで仕組みが変わります。
報知設備というのは初めて聞きました。
受信機でまとめて管理するタイプです。
順番に確認しましょう。
- 住宅用防災機器には住宅用防災警報器と住宅用防災報知設備の2種類があります
- 後者は感知器・中継器・受信機・補助警報装置で構成されます
- 設置場所の基準は寝室や直下階段などどちらを選んでも共通です
- 補助警報装置の警報音は70デシベル以上の音圧を1分間以上継続できることが必要です
- 補助警報装置には補助警報装置という文字などの表示義務があります
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目次
住宅用防災報知設備とはどんな設備を指すのか

多くの住宅で使われているのは単体で作動する警報器のほうです。
一般的な住宅用防災警報器は、天井や壁に取り付けた1台1台が独立して音を出す単体型の警報器です。
これに対し住宅用防災報知設備は、各部屋の感知器が拾った火災信号を受信機に集約し、必要に応じて補助警報装置で住宅内の別の場所にも伝える仕組みになっています。
部屋数が多い住宅や、警報音の届きにくい間取りで採用が検討される設備です。
次の見出しでは、どちらを選んでも共通する設置基準を確認します。
警報器のほかにもう一つ種類があったんですね。
はい。
次は選び方の基準を見ていきます。
住宅用防災報知設備はどんな基準で設置場所を選べばよいのか

ただし設置しなければならない場所の基準は、法令で共通して定められています。
条文はどちらの機器も併記した上で、寝室と寝室がある階から直下階に下りる階段を基本の設置場所として挙げています。
そのため住宅用防災報知設備を選ぶ動機は設置場所が増えることではなく、複数の感知器を1か所で管理したい、離れた部屋にも警報を伝えたいといった運用面の事情にあります。
なお、スプリンクラー設備や自動火災報知設備を技術基準どおりに設置している場合は、その有効範囲内で設置を省略できる規定もあります。
自宅がどちらの機器で基準を満たしているかは、まず受信機のような操作盤があるかどうかで見分けられます。
寝室と階段は共通なんですね。
そうです。
設置場所の基準はどちらを選んでも変わりません。
補助警報装置には何が求められるのか

そこで補助警報装置には一定の性能基準が定められています。
警報音で知らせるタイプは70デシベル以上の音圧を1分間以上出し続けられることが条件です。
一方で、音だけに頼らない補助警報装置も認められており、光や振動など警報音以外の方法で住宅内の人に有効に伝えられれば基準を満たします。
就寝時や聴覚に配慮が必要な家族がいる住宅では、この代替手段が選択肢になります。
補助警報装置を選ぶときは、伝え方が住宅の間取りや家族構成に合っているかを確認してください。
補助警報装置にも基準があるんですね。
はい。
音の大きさだけでなく光や振動でもよいとされています。
実務で見落としやすいのはどこか

ひとつは表示、もうひとつは補助警報装置の位置づけです。
「補助警報装置」という文字のほか、製造年や製造事業者の氏名または名称を見やすい箇所に表示しなければなりません。
もうひとつ見落としやすいのが、補助警報装置は住宅用防災報知設備を選んだからといって必ず設置しなければならない機器ではないという点です。
定義規定でも「中継器又は補助警報装置を設けないものにあつては、中継器又は補助警報装置を除く」とされており、必要に応じて追加する構成要素として位置づけられています。
すべての部屋に補助警報装置を付けるかどうかは、住宅の間取りや家族の状況に応じて判断できます。
補助警報装置は必ず付けないといけないんですか。
いいえ。
必要に応じて追加する任意の装置です。
明日からなにを確認すればよいのか

そのうえで、必要な性能が備わっているかを順番にチェックします。
まず自宅の住宅用防災機器が住宅用防災警報器と住宅用防災報知設備のどちらなのかを、受信機の有無で確認してください。
住宅用防災報知設備であれば、補助警報装置の有無と、その警報が音によるものか音以外の方法によるものかをあわせて確認します。
補助警報装置に表示された補助警報装置という文字や製造年から、基準に適合した製品かどうかの手がかりが得られます。
点検の周期や具体的な運用は市町村条例で定められているため、不明な点は所轄の消防署に確認するのが確実です。
まず自分の家がどちらのタイプか確認してみます。
それが最初の一歩です。
受信機があれば住宅用防災報知設備だと分かります。
よくある質問
まとめ
分かりました!自分の家の設備を確認してみます!
確認して不明な点があれば相談してください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第5条の7
- 住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令(平成17年総務省令第11号)第2条・第9条・第10条
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





