大規模な地震や水害のあと、いつもの消防用設備点検の事業者から「道路が寸断されて訪問できない」と連絡が入ったら、予定していた点検はどうすればよいのでしょうか。
施設が無事に見えても、契約先の被災を理由に点検日を先送りし続けると、報告時期や設備の不具合を見落とすおそれがあります。
一方、急いで別の事業者へ頼んでも、設備一覧や過去の不良内容が渡っていなければ、確認漏れが起こりかねません。
施設担当者は法定点検の期限を確認し、代替事業者へ渡す情報を整理して、有資格者による点検と報告まで追跡します。
いつもの点検業者が来られません。
延期でええですか。
まず期限と対象設備を確認します。
自動延期とは考えません。
別の会社へ頼めば終わりですか。
資格と引継ぎが要ります。
報告完了まで確認しましょう。
- 契約先が被災しても法定点検の義務が自動で消えるわけではありません
- 点検日と報告期限を設備ごとに確認します
- 対象建物では消防設備士または消防設備点検資格者へ依頼します
- 設備一覧と過去の点検票と不良履歴を代替事業者へ一式で引き継ぎます
- 日常確認を法定点検の代わりにせず点検と報告の完了まで記録します
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目次
災害で点検事業者が来られないときは延期してよいのか

結論からいうと契約先が来られないことだけを理由に法定点検を自動で延期できるとは考えません。
消防法第17条の3の3は、防火対象物の関係者に消防用設備等を定期に点検し、その結果を消防長または消防署長へ報告することを求めています。
直近の点検日、次回予定日、消防署へ報告した日を確認します。
訪問中止の連絡日時と再訪問の見込みも記録し、契約先からの返答待ちで止めず、代替手配と消防署への相談を並行して進めます。
再訪問の連絡を待ったらアカンのですか。
期限が迫るなら待ちません。
別の手配も始めます。
どの建物と設備と期限を対象に確認するのか

確認対象は契約書だけでなく建物の用途と規模と設置設備と点検種類と報告期限です。
消防法施行規則第31条の6は、法令で定める防火対象物について、消防設備士または消防設備点検資格者に点検させることを定めています。
- 建物の用途と延べ面積と階数と収容人員
- 消火器と自動火災報知設備と誘導灯などの設置設備
- 設備ごとの機器点検と総合点検の実施日
- 直近の点検結果報告書と消防署への報告日
- 不良内容と改修状況と未完了の是正事項
- 点検を担当する者の資格と対応できる設備
点検期間は設備の種類と点検内容ごとに消防庁告示で定められ、報告の間隔は防火対象物の区分により異なります。
担当者は前回の点検票から次回期限を逆算し、代替事業者には対象設備の全体像をまとめて提示します。
消火器だけ先に見てもらえますか。
優先対応は相談できます。
残る設備と期限も管理します。
代替事業者の手配から点検報告までどう進めるのか

代替手配は訪問日を決めるだけでなく資格確認と資料引継ぎと現場立会いと報告完了までを一続きにします。
新しい事業者は、その建物の設備配置や過去の不良箇所を初めて見ることになります。
- 契約先へ訪問不能の範囲と再開見込みを確認する
- 点検日と報告期限と対象設備を一覧にする
- 代替事業者が必要な資格と設備経験を持つか確認する
- 前回報告書と点検票と設備図と不良履歴を渡す
- 鍵と立入区画と停止操作の承認者を共有する
- 点検結果と不良事項と応急措置を受け取る
- 消防署への報告と原契約先への引継ぎを記録する
消防庁の公式ページには、点検結果報告書、総括表、点検者一覧表と、設備ごとの点検基準、点検要領、点検票が掲載されています。
使用する様式と点検範囲を確認し、誰がどの設備を点検したか、誰が報告書を提出するかを曖昧にしません。
前の会社の報告書も渡すんですか。
はい。
不良履歴と改修状況も渡します。
社内の見回りを法定点検の代わりにすると何を見落とすのか

日常の見回りは異常の早期発見に役立ちますが法令に基づく点検と報告の代わりにはなりません。
外観がきれいでも、警報の作動、非常電源、ポンプ、配線や配管など、専門的な方法でなければ確認できない項目があります。
- 見た目では分からない作動機能と非常電源
- 設備ごとに定められた点検方法と判定基準
- 災害で新たに生じた変形と断線と漏水
- 前回から継続している不良事項の改修状況
- 点検者名と資格と担当した設備の範囲
- 消防署へ提出する報告書と添付点検票
代替事業者が見つかっても、設備室の鍵、テナントへの入室、警報停止の周知ができなければ点検は進みません。
施設側は立会いと入室権限を準備し、不良が出た場合は応急措置と改修期限を別に管理します。
毎日見回れば点検扱いになりますか。
別の役割です。
法定点検は別に手配します。
明日から代替の点検体制をどう確認するのか

平常時に点検を止めるボトルネックを洗い出し代替事業者へ渡せる資料と連絡手順を整えます。
内閣府の事業継続ガイドラインは、依存関係のある委託先や調達先も検討範囲に含め、サービスの調達先を複数化する事前対策を例示しています。
- 前回点検日と報告日と次回期限を一覧にする
- 設備名称と数量と設置場所を設備図と照合する
- 点検結果報告書と点検票と不良履歴を複製する
- 代替候補へ対応地域と資格と設備経験を確認する
- 鍵と入室と警報停止の承認手順をまとめる
- 期限に間に合わないときの消防署相談担当を決める
- 点検完了と報告提出と改修完了を別々に記録する
連絡表には、通常契約先、代替候補、建物所有者、管理会社、防火管理者、所轄消防署を載せます。
少なくとも主担当が不在でも資料を出せる状態にし、年に一度は連絡先と資格と引継ぎ資料を更新してください。
候補の電話番号だけで足りますか。
設備と資格も伝えます。
引継ぎ資料まで準備します。
よくある質問
まとめ
代替連絡先と引継ぎ資料をそろえます!
期限確認から点検報告までつなぎましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
※本記事は公表されている法令および消防庁、内閣府の資料に基づく一般的な解説です。災害を理由に点検や報告を自己判断で延期せず期限と現場状況を整理して所轄消防署へ相談してください。必要な資格、点検範囲、報告時期、代替事業者との契約、応急措置、営業継続の判断は、建物と設備と地域の運用に応じて専門家へご確認ください。





