指定確認検査機関の指定は、いったん受ければずっと有効なのでしょうか。
名称や事務所を変えたり、担当する区域を広げたりするときの手続きは、条文でどう決められているのでしょうか。
今回は建築基準法第77条の21から第77条の23までを中心に、指定の公示、変更の届出、業務区域の変更、指定の更新、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。
確認検査機関が民間の会社だと聞くと、本当に大丈夫なのか気になります。
指定を受けた機関は、どこかで公表されるのですか。
第77条の21に、指定をしたときの公示の規定があります。
まず、そこから見ていきましょう。
機関が引っ越したり、担当する地域を広げたりしたときは、どうなるのでしょうか。
指定は、ずっと続くものなのですか。
第77条の22に業務区域の変更、第77条の23に指定の更新の規定があります。
順番に条文を確認していきます。
- 第77条の21第1項は、国土交通大臣または都道府県知事が指定をしたときは、指定確認検査機関の名称や業務区域などを公示しなければならないと定めています。
- 名称、住所、事務所の所在地を変えるときは、変更しようとする日の二週間前までに指定をした国土交通大臣等へ届け出ます(第77条の21第2項)。
- 業務区域を増加しようとするときは国土交通大臣等の認可が必要で、減少したときは届出です。どちらも公示されます(第77条の22)。
- 指定は、5年以上10年以内で政令が定める期間ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失います(第77条の23第1項)。
- これらは建築基準法の確認検査機関に関するルールで、消防法令の基準とは別の制度です。
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目次
指定をしたときは何が公示されるのか

公示する事項は、指定を受けた者の名称及び住所、指定区分、業務区域、確認検査の業務を行う事務所の所在地です。
確認検査員を選任しない機関の場合は、指定区分と一緒に、その旨も公示されます。
指定を受けた者を、条文は「指定確認検査機関」と呼んでいます。
公示をどのような方法で行うかは、この条文には書かれていません。
公示されるのは、指定を受けた機関の名前だけなのでしょうか。
名前と住所のほかに、指定区分と業務区域、事務所の所在地も公示されます。
公示の方法までは、条文に書かれていません。
名称や住所や事務所の所在地を変えるときの届出はいつまでか

(建築基準法第七十七条の二十一第三項)国土交通大臣等は、前項又は第七十七条の二十四第四項の規定による届出(同項の規定による届出にあつては、同条第一項の確認検査員を選任していない指定確認検査機関が同項の確認検査員を選任した場合又は同項の確認検査員及び副確認検査員を選任している指定確認検査機関が当該確認検査員の全てを解任した場合におけるものに限る。)があつたときは、その旨を公示しなければならない。
指定をした国土交通大臣または都道府県知事は、この節では国土交通大臣等と呼ばれています。
第3項は、この届出があったときに、国土交通大臣等がその旨を公示しなければならないと定めています。
第77条の24第4項の届出も公示の対象になりますが、対象は限られています。
確認検査員を選任していない機関が確認検査員を選任した場合と、確認検査員と副確認検査員を選任している機関が確認検査員の全てを解任した場合です。
届出は、変更したあとでよいのでしょうか。
条文は、変更しようとする日の二週間前までに届け出ると書いています。
変更したあとではなく、前に出す届出です。
業務区域を増やすときと減らすときで手続きはどう違うのか

(建築基準法第七十七条の二十二第二項)指定確認検査機関は、業務区域を減少したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
第1項の増加は、あらかじめ認可を受けなければなりません。
第2項の減少は、国土交通省令で定めるところにより、その旨を届け出ます。
第3項は、増加の認可について、指定のときの手続きを準用しています。
(建築基準法第七十七条の十八第三項)国土交通大臣又は都道府県知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、業務区域を所轄する特定行政庁(都道府県知事にあつては、当該都道府県知事を除く。)の意見を聴かなければならない。
第77条の18第3項の意見聴取は、増加しようとする業務区域を所轄する特定行政庁を対象に読み替えて準用されます。
そして第4項は、認可をしたときと減少の届出があったときに、国土交通大臣等が公示しなければならないと定めています。
区域を広げるのは、届け出れば足りるのでしょうか。
広げるときは認可、減らしたときは届出です。
条文は、この二つをはっきり分けています。
指定は期間ごとに更新しないとどうなるのか

(建築基準法第七十七条の二十三第二項)第七十七条の十八から第七十七条の二十までの規定は、前項の指定の更新の場合について準用する。
更新の間隔は、5年以上10年以内の範囲で政令が定める期間とされています。
第2項は、第77条の18から第77条の20までの規定を、更新の場合に準用すると定めています。
つまり、指定を受けるときの申請、指定区分と業務区域、意見聴取、基準の考え方が、更新にも及ぶ形です。
具体的な期間の年数は、この条文の本文には書かれていません。
更新を受けなかったら、指定はどうなるのですか。
期間の経過によって、指定は効力を失うと条文に書かれています。
そのあとの扱いまでは、条文の本文に書かれていません。
指定の公示や更新の規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

分けて読むと、混乱しにくくなります。
| 項目 | 条文の書き方 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 指定の公示 | 指定をしたときは、名称、住所、指定区分、業務区域、事務所の所在地を公示する(第77条の21第1項) | 公示するのは国土交通大臣又は都道府県知事です |
| 名称などの変更 | 変更しようとする日の二週間前までに国土交通大臣等へ届け出る。届出があったときは公示される(第77条の21第2項・第3項) | 変更の前に届け出ます |
| 業務区域の増加 | 国土交通大臣等の認可を受ける。認可をしたときは公示される(第77条の22第1項・第4項) | 広げるときは認可です |
| 業務区域の減少 | 国土交通省令で定めるところにより届け出る。届出があったときは公示される(第77条の22第2項・第4項) | 減らしたときは届出です |
| 指定の更新 | 政令で定める期間ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失う(第77条の23第1項) | 更新の間隔は政令が定めます |
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の21から第77条の23までには、公示の方法、届出の様式、更新の間隔の年数などは書かれていません。
確認済証や検査済証を受けている建物では、発行元の機関の名称と発行日を控えておくと、後の相談で慌てずに済みます。
明日から、次の点を確認してください。
- 建物の確認済証や検査済証が、どの機関の発行かを施工業者に尋ねて控えておく。
- 書類の名称、日付、番号を、施工業者から書面でもらって保管する。
- 機関の指定の状況は、公示の対象なので、必要なときは建築の窓口で確かめる。
- 建築確認や検査で分からないことは、特定行政庁の窓口に問い合わせる。
- 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。
指定の決まりは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。
書類の発行元と日付を、施工業者に確認して控えておきましょう。
消防の基準は、所轄消防署に別に確かめます。
よくある質問
まとめ
指定の公示や更新の仕組みがよく分かりました。
書類の発行元を、施工業者に確認します!
建築の確認検査と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第七十七条の二十一・第七十七条の二十二・第七十七条の二十三・第七十七条の十八・第七十七条の二十(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。指定の公示や更新の運用は機関と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





