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指定確認検査機関が業務をやめるときの届出と指定の取消しはどう定められているのか|建築基準法第77条の34と第77条の35を解説

書類受けと掲示板のある役所の窓口の写真

指定確認検査機関が確認検査の業務を休止したり廃止したりするときは、何か手続が必要なのでしょうか。
また、ルール違反があったときは、指定はどうなるのでしょうか。
今回は建築基準法第77条の34と第77条の35を中心に、休廃止の届出、廃止による指定の失効、指定の取消しと業務の停止命令、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。

確認検査をする機関が業務をやめるときは、黙ってやめてもよいのでしょうか。
何か届出が必要ですか。

第77条の34に、あらかじめ届け出る規定があります。
まず、そこから見ていきましょう。

ルールに違反した機関は、どうなるのでしょうか。
指定が取り消されることもあるのですか。

第77条の35に、取消しと停止命令の規定があります。
順番に条文を確認していきます。

この記事の結論
  • 第77条の34第1項は、指定確認検査機関が確認検査の業務の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣等に届け出なければならないと定めています。
  • 確認検査の業務の全部を廃止しようとする届出があったときは、その届出に係る指定は、効力を失います(第2項)。
  • 休廃止の届出があったときは、国土交通大臣等が公示しなければなりません(第3項)。
  • 指定確認検査機関が第77条の19各号(第4号を除く)のいずれかに該当するに至ったときは、指定を取り消さなければなりません(第77条の35第1項)。
  • 違反や不適当な行為などがあるときは、指定の取消しまたは期間を定めた業務の全部もしくは一部の停止命令ができ、その場合も公示されます(同条第2項・第3項)。

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指定確認検査機関の確認検査の業務の休廃止の届出と廃止による指定の失効と指定の取消しと停止命令を示す図解

指定確認検査機関が確認検査の業務を休止したり廃止したりするときはなぜあらかじめ届出が必要なのか

書類の封筒と官庁の建物のイラスト
まず、第77条の34第1項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十四第一項)指定確認検査機関は、確認検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならない。
第1項は、指定確認検査機関が確認検査の業務の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣等に届け出なければならないと定めています
「あらかじめ」とあるので、休止や廃止をしたあとではなく、その前に届け出る必要があります。
対象は、業務の全部だけでなく、一部の休止や廃止も含まれます。
届出の先の「国土交通大臣等」は、その指定をした国土交通大臣または都道府県知事です(第77条の21第2項)。

届出だけで足りるのですか。
許可を受ける必要はないのですか。

第1項には、届け出なければならないと書かれています。
許可を受けるとは書かれていません。

確認検査の業務の全部を廃止する届出があったとき指定の効力はどうなるのか

シャッターの閉じた小さな建物と掲示板のイラスト
続いて、第2項と第3項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十四第二項)前項の規定により確認検査の業務の全部を廃止しようとする届出があつたときは、当該届出に係る指定は、その効力を失う。
(建築基準法第七十七条の三十四第三項)国土交通大臣等は、第一項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
第2項は、確認検査の業務の全部を廃止しようとする届出があったときは、その届出に係る指定は、その効力を失うと定めています
指定が効力を失うのは、業務の全部を廃止しようとする届出があった場合です。
一部の休止や廃止、全部の休止の届出があった場合について、指定が効力を失うとは書かれていません。
条文には、指定を取り消すという手続は出てこず、届出があったときに効力を失うと書かれています。 第3項は、国土交通大臣等が第1項の届出があったときは、その旨を公示しなければならないと定めています
公示の対象は、届出があった場合で、全部か一部か、休止か廃止かは分けて書かれていません。
公示をするのは届出を受けた国土交通大臣等であり、機関ではありません。

全部を廃止する届出をしたら、そのあとで指定が取り消されるのですか。
別に手続があるのですか。

第2項では、届出があったときに指定が効力を失うと書かれています。
次は、取消しの規定を確認します。

指定確認検査機関の指定を必ず取り消さなければならないのはどのような場合なのか

認印の押された規程の綴りのイラスト
ここからは、第77条の35です。
まず、第1項を確認しましょう。
(建築基準法第七十七条の三十五第一項)国土交通大臣等は、その指定に係る指定確認検査機関が第七十七条の十九各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
第1項は、指定確認検査機関が第77条の19各号(第4号を除く)のいずれかに該当するに至ったときは、国土交通大臣等は、その指定を取り消さなければならないと定めています
第77条の19は、指定を受けることができない者を定めた欠格条項で、未成年者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、一定の刑に処せられた者、公務員で懲戒免職の処分を受けた者などが挙げられています。
法人の場合は、役員のうちに該当する者がいるときも、欠格条項に当たります。
第4号は、第77条の35第1項または第2項の規定により指定を取り消された者に関する号なので、この項の対象から除かれています。
「取り消さなければならない」と書かれているので、取り消すかどうかを選べる規定ではなく、必ず取り消す規定です。

欠格条項に当たる人が役員にいたら、取り消されるのですか。
指定を受けたあとでも取り消されるのですか。

「該当するに至ったとき」とあるので、指定を受けたあとでも対象になります。
次は、取消しか停止を選べる場合を確認します。

指定確認検査機関の指定を取り消したり確認検査の業務の停止を命じたりできるのはどのような六つの場合なのか

書類受けと官庁の建物とスタンプのイラスト
第2項と第3項を確認しましょう。
第2項の第1号は条文番号が多数並んでいるため、(略)で省略して引用します。
(建築基準法第七十七条の三十五第二項)国土交通大臣等は、その指定に係る指定確認検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて確認検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第六条の二第四項若しくは第五項(略)又は前条第一項の規定に違反したとき。
二 第七十七条の二十七第一項の認可を受けた確認検査業務規程によらないで確認検査を行つたとき。
三 第七十七条の二十四第五項、第七十七条の二十七第三項又は第七十七条の三十第一項の規定による命令に違反したとき。
四 第七十七条の二十各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
五 確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又はその業務に従事する確認検査員若しくは副確認検査員若しくは法人にあつてはその役員が、確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
六 不正な手段により指定を受けたとき。
(建築基準法第七十七条の三十五第三項)国土交通大臣等は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により確認検査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
第2項は、次の六つの各号のいずれかに該当するときは、国土交通大臣等が指定を取り消し、または期間を定めて確認検査の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができると定めています
第1号は、確認検査員の選任、確認検査の義務、帳簿の備付け、休廃止の届出などの規定に違反したときです。
第2号は、認可を受けた確認検査業務規程によらないで確認検査を行ったときです。
第3号は、確認検査員の解任命令、業務規程の変更命令、監督命令に違反したときです。
第4号は、指定の基準(第77条の20各号)に適合していないと認めるときです。
第5号は、確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたときで、確認検査員や副確認検査員、法人の役員が行った場合も含まれます。
第6号は、不正な手段により指定を受けたときです。 第3項は、指定を取り消したときや業務の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならないと定めています
第1項の必ず取り消す場合と、第2項の取消しの場合は、どちらも公示の対象です。
第2項は「できる」と書かれているので、取消しにするか停止にするかは国土交通大臣等が判断します。

違反があったら、必ず取り消されるのですか。
停止で済むこともあるのですか。

第2項では、取消しか停止を命ずることができると書かれています。
最後に、整理表で全体を確認しましょう。

指定確認検査機関の休廃止の届出や指定の取消しの規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

規程の綴りと官庁の建物とチェックリストのイラスト
ここまでの内容を、項目ごとに整理します。
分けて読むと、混乱しにくくなります。
項目条文の書き方押さえる点
休止・廃止確認検査の業務の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣等に届け出る(第77条の34第1項)許可ではなく届出です
全部の廃止全部を廃止しようとする届出があったときは、その届出に係る指定は効力を失う(第2項)指定は効力を失います
必ず取り消す場合第77条の19各号(第4号を除く)のいずれかに該当するに至ったとき(第77条の35第1項)取り消さなければなりません
取消しか停止を命ずる場合違反、規程によらない検査、命令違反、基準不適合、著しく不適当な行為、不正な手段のいずれか(第2項)各号は六つです
公示届出があったとき、取り消したとき、停止を命じたとき(第77条の34第3項、第77条の35第3項)国土交通大臣等が公示します
指定確認検査機関の休廃止と取消しの規定は、建築基準法の確認や検査を行う機関の運営に関するルールで、消防用設備等の設置や維持の基準を定めた消防法令とは別の制度です
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の34と第77条の35には、休廃止や取消しがあったあとの手続書類の扱いなどの具体的な取扱いは書かれていません。
確認済証や検査済証などの書類を受け取ったときは、その発行元を控えておくと、改修や増築の相談が進めやすくなります。
明日から、次の点を確認してください。
  • 建物の確認済証や検査済証が、どの機関の発行かを施工業者に尋ねて控えておく。
  • 書類の名称、日付、番号を、施工業者から書面でもらって保管する。
  • 改修や増築の前に、発行元の機関の業務に変更がないかを建築の窓口に確認する。
  • 書類の扱いに疑問があるときは、建築の窓口と施工業者に速やかに相談する。
  • 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
休廃止や取消しの制度は、消防法令の基準を緩めるものではありません。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

休廃止や取消しの決まりは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。

確認済証などの書類の発行元を、施工業者に確認しておきましょう。
消防の基準は、別に確かめます。

よくある質問

Q指定確認検査機関が確認検査の業務を休止したり廃止したりするときは、許可が必要ですか?
A第77条の34第1項により、あらかじめ国土交通大臣等に届け出なければならないと定められています。許可を受けるとは書かれていません。
Q確認検査の業務の全部を廃止する届出をしたら、指定はどうなりますか?
A第2項により、その届出に係る指定は効力を失います。
Q指定確認検査機関の指定が必ず取り消されるのはどのような場合ですか?
A第77条の35第1項により、第77条の19各号(第4号を除く)のいずれかに該当するに至ったときは、指定を取り消さなければなりません。
Q指定の取消しか業務の停止を命ずることができるのはどのような場合ですか?
A第77条の35第2項の各号にある六つの場合です。違反や命令違反、基準不適合、著しく不適当な行為、不正な手段による指定などが挙げられています。

まとめ

✔指定確認検査機関は、確認検査の業務の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣等に届け出なければなりません。
✔休廃止は、許可ではなく届出で足りると条文に書かれています。
✔業務の全部を廃止しようとする届出があったときは、その届出に係る指定は効力を失います。
✔第77条の19各号(第4号を除く)に該当するに至ったときは、指定を必ず取り消すことになります。
✔六つの各号のいずれかに該当するときは、指定の取消しまたは期間を定めた確認検査の業務の停止を命ずることができます。
✔届出があったときも、取り消したときも、停止を命じたときも、国土交通大臣等が公示します。
✔この制度は建築基準法の確認や検査を行う機関のルールで、消防法令の基準とは別なので、防火管理者は書類の発行元を施工業者に確認して記録します。

休廃止と取消しの仕組みがよく分かりました。
書類の発行元を、施工業者に確認します!

建築の確認検査と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第七十七条の三十四・第七十七条の三十五・第七十七条の十九・第七十七条の二十・第七十七条の二十一(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。休廃止や取消しに伴う手続の細部は機関と建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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