BLOG

鴻巣市で特別教室や遊戯室の人数は収容人員に入るのか|防火管理者と避難器具で扱いが分かれる理由を鈴鹿市・津市・堺市と比べる

鴻巣市で特別教室や遊戯室は収容人員に入るのかと書いたタイトルと音楽室の写真を並べたアイキャッチ

学校の音楽室や理科室、幼稚園の遊戯室、デイサービスの機能訓練室は、ふだんいる部屋から人が移ってきて使う部屋です。
こうした部屋ごとに最大の人数を足していくと、在籍している人数より多くなることがあります。
国の消防法施行規則は「教職員の数と、児童、生徒又は学生の数とを合算」と書くだけで、部屋ごとの数え方は決めていません。
鴻巣市を受け持つ埼玉県央広域消防本部の審査基準は、防火管理者の判定では数えないことができ、避難器具の判定では数えると定めています。

園舎の2階に大きな遊戯室があって、収容人員に入れるかどうかで人数がかなり変わるんです。
防火管理者が要るかどうかの判断にも響きそうで迷っています。

鴻巣市なら、埼玉県央広域消防本部の審査基準に書いてあります。
遊戯室の人数は、どの規定に当てはめるかで扱いが変わります。

同じ部屋なのに、規定によって数えたり数えなかったりするんですか。

はい、防火管理者と避難器具で分けています。
鈴鹿市・津市・堺市とも比べながら見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防法施行規則第1条の3は、学校や福祉施設を教職員・従業者と児童生徒・要保護者の数を足して数えると定めるだけで、部屋ごとの扱いは書いていない
  • 埼玉県央広域は、特別教室・遊戯室・リハビリ室など移動して使う部屋を、その部屋の最大の人数で数える
  • 防火管理者の要否を決める消防法第8条では、その部屋の人数を算定しないことができる
  • 避難器具(施行令第25条)と地階・無窓階の非常警報設備(施行令第24条)では、その部屋の人数を算定する
  • 鈴鹿市は「算定しない」と言い切り、津市は学校だけ、堺市は講堂の扱いを加え、四日市市は定めていない

▼

移動して使う部屋の人数を国の規則と特別教室と防火管理者と避難器具の4つに分けて並べた図解

国の規則は特別教室や遊戯室の人数をどう数えるのか

校舎の右に机といすが並ぶ普通教室を置いたイメージ
最初に、国の消防法施行令と消防法施行規則が学校や福祉施設の収容人員をどう定めているかを確かめます。
防火管理者が必要になる人数は施行令に、数え方は施行規則に書かれています。
消防法施行規則 第1条の3第1項の表(抜粋)
令別表第一(六)項 ロ及びハに掲げるもの 従業者の数と、老人、乳児、幼児、身体障害者、知的障害者その他の要保護者の数とを合算して算定する。
ニに掲げるもの 教職員の数と、幼児、児童又は生徒の数とを合算して算定する。
令別表第一(七)項に掲げる防火対象物 教職員の数と、児童、生徒又は学生の数とを合算して算定する。
部屋ごとの数え方はありません。
学校なら、教職員と在籍する児童生徒の数を足すだけで、音楽室や理科室をどう扱うかは書かれていません。
施行令第1条の2第3項では、防火管理者が必要になるのは(6)項ロが10人以上、(6)項ハ・ニが30人以上、(7)項の学校が50人以上です。
一方、避難器具は施行令第25条で、非常ベルなどの非常警報設備は施行令第24条で、階ごとの収容人員も使って判断します。
階ごとに数えるとき、移動して使う部屋をどうするかは、各消防本部の審査基準が決めています。

国の規則には、教室を移る子どもの数え方までは書いていないのですね。

そうです、そこを埼玉県央広域の審査基準が補っています。
次は部屋の人数の数え方を見ます。

埼玉県央広域では移動して使う部屋の人数をどう数えるのか

グランドピアノといすの並ぶ音楽室の右に実験台の並ぶ理科室を置いたイメージ
鴻巣市・桶川市・北本市を受け持つ埼玉県央広域消防本部の「消防用設備等に関する審査基準」第2章 第2 収容人員の算定を見ます。
「3 政令別表第1の各項ごとの取り扱い」の⑼が学校で、⑺が福祉施設、⑻が幼稚園などです。
埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 3 ⑼ 政令別表第1⑺項に掲げる防火対象物(抜粋)
ウ 講堂、実験教室、音楽教室、視聴覚教室、体育教室その他生徒等が移動して使用する部分(以下この項において「特別教室」という。)については、その室の最大の収容人員とすること。
エ 教室と特別教室が同一階に存する場合の階収容人員の取り扱いは、それぞれの数を合算すること。
ただし、前アにより算定された数を超える場合は、当該算定された数を超えない数とすることができる。
部屋の最大の人数で数えます。
同じ書き方が、⑺ウの福祉施設のリハビリ室等と、⑻ウの幼稚園などの遊戯室等にもあります。
基準の第2-12図は、図工室・理科室・音楽室がそれぞれ48人の階を、教職員3人と合わせて147人と数えています。
同じ階に普通教室もあれば合算しますが、教職員と在籍者を足した建物全体の数を超えるときは、その数で止めることができます。
この⑺から⑼までには、行政指導を示す▲も法令と指導を示す●も付いていません。
自分の建物の平面図で、移動して使う部屋と、その部屋の最大の人数を書き出しておくと判断が早くなります。

特別教室は、その部屋に入れる最大の人数で数えるのですね。

そうです、ただし使い道で数えない場面があります。
次は防火管理者の判定を見ます。

防火管理者が必要かの判定ではその部屋を数えるのか

柔らかいマットと積み木の棚がある遊戯室の右に机と書類棚のある職員室を置いたイメージ
防火管理者の選任は消防法第8条の義務で、建物全体の収容人員で判断します。
埼玉県央広域の基準は、⑺から⑼のそれぞれに法第8条の扱いを書いています。
埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2(抜粋)
1 ⑴ 法第8条の規定については、棟収容人員(同一敷地内に管理権原者が同一である防火対象物が2以上存する場合は、敷地内に存する当該防火対象物の棟収容人員を合算した数)により適用する。
3 ⑺ ウ リハビリ室、遊戯室その他要保護者等が移動して使用する部分(略)については、その室の最大の数とすること。
この場合の階収容人員の取り扱いは、次によること。
(ア) 法第8条の規定の適用については、当該部分を算定しないことができる。
防火管理者の判定では数えなくてよいのです。
棟の収容人員は各階の数を足して出すので、移動して使う部屋まで足すと、在籍している人数より多くなることがあります。
説明のための仮の例として、従業者4人・通所の定員25人のデイサービスで、2階の機能訓練室を最大20人が使うとします。
機能訓練室を足すと49人、足さなければ29人で、(6)項ハの30人という境目をまたぎます。
県央広域の書き方は「できる」なので、数えない扱いにしてよいかは図面を持って消防本部に確かめておきます。

つまり部屋を足すかどうかで、防火管理者が要るかまで変わることがあるのですね。

はい、境目に近い施設ほど数え方の確認が大事です。
次は避難器具と非常ベルの判定です。

避難器具や非常ベルの判定ではなぜ数えるのか

2階建て校舎の上の階の特別教室の窓から救助袋が地上へ伸び廊下の壁に非常ベルがあるイメージ
避難器具は、階ごとにその階にいる人が逃げられるかで設置を決める設備です。
埼玉県央広域の基準は、同じ⑺から⑼で施行令第24条と第25条の扱いを書いています。
埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 3 ⑼ ウ(抜粋)
(イ) 政令第24条(地階・無窓階に限る。)及び政令第25条の規定の適用については、当該部分を算定するものとすること。
消防法施行令 第25条第1項(抜粋)
三 別表第一(一)項から(四)項まで及び(七)項から(十一)項までに掲げる防火対象物の二階以上の階(特定主要構造部を耐火構造とした建築物の二階を除く。)又は地階で、収容人員が五十人以上のもの
階にいる人数で器具を決めるからです。
特別教室の階は、授業のときに最大の人数が集まるので、その数で避難器具の要否を判断します。
学校の3階に48人の特別教室が3つあれば、教職員3人を足して147人となり、施行令第25条第1項第3号の50人以上に当たります。
施行令第24条第2項第2号は地階と無窓階の収容人員が20人以上なら非常ベルなどを求めるので、県央広域はこの部分に限って数えると書いています。
特別教室が地階や無窓階にある建物は、非常警報設備の判定にもその部屋の人数が入ることを覚えておきます。

防火管理者では数えなくても、避難器具では数えるということですね。

そうです、階ごとの安全を見る規定では数えます。
ほかの市の書き方も並べてみます。

鈴鹿市・津市・堺市・四日市市とどこが違うのか

色と高さの違う3つの校舎を横一列に並べたイメージ
同じ項目を、三重県の鈴鹿市・津市・四日市市と大阪府の堺市の基準で並べます。
4本部とも、この項目には行政指導などを示す記号が付いていません。
項目埼玉県央広域(鴻巣市)鈴鹿市津市堺市
対象の部屋リハビリ室等・遊戯室等・特別教室((6)項ロ・ハ・ニと(7)項)同じ3種(7)項の特別教室だけ(6)項ニと(7)項の特別教室等と講堂等
部屋の人数その室の最大の数同じその室の最大収容人員その室の最大収容人員
防火管理者(法第8条)算定しないことができる算定しない記載なし法第8条は棟単位と共通的取扱いに記載
施行令第24条・第25条算定する(第24条は地階・無窓階に限る)算定する(限定の括弧書きなし)階単位で算定する場合の扱いとして記載階単位の収容人員の取扱いとして記載
同じ階の合計合算し、建物全体の数を超えない数にできる合算し、超えない数とする合算し、建物全体の数を超えない数にできる合算し、講堂等は大きい方の数
鈴鹿市はより言い切っています。
鈴鹿市は法第8条で「算定しない」と書き、階の合計も現に利用する者の数を超えないと冒頭のなお書きでも念を押しています。
津市は学校だけを扱い、堺市は講堂と他の教室が同じ階にあれば大きい方の数をその階の収容人員にします。
四日市市は用途ごとの表で教職員と児童生徒を足すとだけ書き、大阪市と東大阪市は確認した審査基準に収容人員の共通的な扱いの章がありませんでした。
境目に近い人数の施設は、管轄の消防本部の基準で部屋ごとの扱いを確かめてから届出の準備をします。

同じ遊戯室でも、市によって書き方の強さが違うのですね。

はい、「できる」か言い切りかで相談の仕方も変わります。
建物のある市の基準で数え直しておきましょう。

よくある質問

Q体育館や講堂も特別教室と同じ扱いになりますか?
A埼玉県央広域と鈴鹿市は、講堂と体育教室を特別教室の例に挙げています。堺市は講堂等を別に扱い、同じ階の他の教室と比べて大きい方の数をその階の収容人員にします。
Q在籍者がまだ決まっていない新しい施設はどう数えますか?
A埼玉県央広域は、在籍する数か事業者側が想定している最大の数で数えるとしています。通所施設は、竣工後に人数の隔たりがあれば実態に合わせて見直すことができるとも書いています。
Qホテルの宴会場にも同じような扱いはありますか?
A埼玉県央広域は、利用者が宿泊者だけに限られる集会・飲食・休憩の部分について、法第8条では階収容人員を算定しないことができると別の項目に書いています。
Q鴻巣市の基準は桶川市や北本市の建物にも使われますか?
A使われます。埼玉県央広域消防本部は鴻巣市・桶川市・北本市の3市を受け持っており、この審査基準は消防本部としての基準です。

まとめ

✔消防法施行規則第1条の3は教職員と児童生徒の数を足すと定めるだけで、部屋ごとの扱いは書いていない
✔埼玉県央広域は、移動して使う部屋をその部屋の最大の人数で数える
✔防火管理者の判定(法第8条)では、その部屋を算定しないことができる
✔避難器具(施行令第25条)と地階・無窓階の非常警報設備(施行令第24条)では、その部屋を算定する
✔同じ階の合計は、建物全体の教職員と在籍者を足した数を超えない数にできる
✔鈴鹿市は「算定しない」と言い切り、津市は学校だけ、堺市は講堂の扱いを加えている
✔境目に近い人数なら、図面を持って管轄の消防本部に数え方を確かめる

まずは平面図に移動して使う部屋の印を付けてみます!

人数が境目に近いときは、消防本部への確認も忘れずに。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法 第8条(e-Gov法令検索)
  • 消防法施行令 第1条の2・第24条・第25条(e-Gov法令検索)
  • 消防法施行規則 第1条の3(e-Gov法令検索)
  • 埼玉県央広域消防本部消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 収容人員の算定(埼玉県央広域消防本部)
  • 鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準 第2章 第2 収容人員の算定(鈴鹿市消防本部)
  • 津市予防事務審査検査基準 1-2 収容人員の算定(津市消防本部)
  • 堺市消防同意・消防用設備等審査基準 第7 収容人員の算定(堺市消防局)
  • 四日市市消防同意事務審査基準 第1章 第2 用途の判定及び収容人員の算定(四日市市消防本部)

※本記事は公表されている法令および各消防本部の審査基準に基づく一般的な解説です。運用基準・条例は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防本部でご確認ください。個別の判断は管轄の消防署にご相談ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス 強欲な青木 協業プラン(YouTube出演・ショート動画制作)
無料1分概算見積
鴻巣市で特別教室や遊戯室は収容人員に入るのかと書いたタイトルと音楽室の写真を並べたアイキャッチ
学校の音楽室や理科室、幼稚園の遊戯室、デイサービスの機能訓練室は、ふだんいる部屋から人が移ってきて使う部屋です。 こうした部屋ごとに最大の人数を足していくと、在籍している人数より多くなることがあります。 国の消防法施行規...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →