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二酸化炭素消火設備の標識には何を表示しなければならないのか|図記号と立入禁止の文言や大きさと色の例を解説

二酸化炭素消火設備の標識の表示内容を示すアイキャッチ

地下駐車場や電気室の前に、黄色い標識や黒い帯のついた標識が掲げられているのを見たことはありませんか。
二酸化炭素消火設備の標識は、令和4年の消防法施行規則の改正で、載せる内容と図まで決められました。
消防庁は令和4年12月12日、その標識の例の電子データを消防庁ホームページに掲載したと事務連絡で知らせています。
この記事では、消防予第573号のガイドラインと事務連絡をもとに、標識に何を表示するのかを解説します。

二酸化炭素消火設備の標識は、注意書きを貼っておけば足りるのではないですか。

規則は、文言だけでなく日本産業規格の図まで表示するよう求めています。

図まで決まっているなら、どう作ればよいのか迷います。

消防庁が標識の例を出しています。
大きさや色まで確認していきましょう。

この記事の結論
  • 規則第19条第5項第19号イ(ホ)は、貯蔵容器を設ける場所と防護区画の出入口等に、危害のおそれと立入禁止の文言、日本産業規格の図を表示した標識を設けるよう定めています。
  • 標識の図は、日本産業規格A8312(2021)の図A.1で、一辺が0.3メートル以上のものに限られます。
  • 消防予第573号のガイドラインは、標識の例として、縦30センチメートル以上・横30センチメートル以上の図1と、黄色地に黒文字の図2を示しています。
  • 防護区画に隣接する部分の出入口と防護区画の中には、注意銘板を設ける例も示されています。
  • 令和4年12月12日の事務連絡で、標識の例の電子データが消防庁ホームページに掲載されました。

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二酸化炭素消火設備の標識を出入口、図と文言、大きさと色、隣室と室内の銘板の4点で整理した概要図解

二酸化炭素消火設備の標識はなぜ規則と通知で決められたのか

機器室の扉の横に警告板が付いた建物と赤いガスボンベのイラスト
標識の決まりは、死亡事故が相次いだことを受けた見直しの中で整えられました。
消防庁予防課長が出した消防予第573号は、その検討結果をガイドラインとしてまとめたものです。
「二酸化炭素消火設備の設置に係るガイドラインの策定について(通知)」(令和4年11月24日付け消防予第573号、消防庁予防課長発出)には、令和2年12月から令和3年4月にかけて全域放出方式の二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備に係る死亡事故が相次いで発生したことを受けた「特殊消火設備の設置基準等に係る検討部会」における検討結果を踏まえ、ガイドラインをとりまとめたと書かれています。
同通知の留意事項には、ガイドラインに掲げられている事項は、二酸化炭素の誤放出により人的被害が発生する事故のリスクを低減するため、消防法令に定める安全対策を更に充実するためのものとあります。
標識は、二酸化炭素の誤放出による人的被害を減らすための安全対策のひとつです。
令和2年12月から令和3年4月にかけて、全域放出方式の二酸化炭素消火設備に係る死亡事故が相次ぎました。
検討部会の結果を踏まえて、消防庁は令和4年11月24日に、ガイドラインを通知で示しています。
このガイドラインの第9「標識等について」が、標識の例を扱う部分です。
そのあと令和4年12月12日の事務連絡で、標識の例の電子データが消防庁ホームページに掲載されました。

標識は、事故が続いたことをきっかけに整えられたのですね。

はい。
通知は誤放出による人的被害のリスクを減らすためのものだと述べています。

規則は標識にどんな事項と図を求めているのか

黒い帯の四角い標識と黄色い長方形の標識が並ぶ壁のイラスト
標識の中身は、規則第19条第5項第19号イ(ホ)で決められています。
文言が2つと、日本産業規格の図が必要です。
消防法施行規則第19条第5項第19号イ(ホ)
二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器を設ける場所及び防護区画の出入口等の見やすい箇所に、次の(1)及び(2)に定める事項並びに日本産業規格A八三一二(二〇二一)の図A.1(一辺の長さが〇・三メートル以上のものに限る。)を表示した標識を設けること。
(1)二酸化炭素が人体に危害を及ぼすおそれがあること。
(2)消火剤が放射された場合は、当該場所に立ち入ってはならないこと。ただし、消火剤が排出されたことを確認した場合は、この限りでない。
標識を付ける場所は2か所で、表示する内容は文言2つと図です。
場所は、二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器を設ける場所と、防護区画の出入口等の見やすい箇所です。
文言は、二酸化炭素が人体に危害を及ぼすおそれがあることと、消火剤が放射された場合は立ち入ってはならないことの2つです。
図は、日本産業規格A8312(2021)の図A.1で、一辺の長さが0.3メートル以上のものに限られます。
ただし書きにあるとおり、消火剤が排出されたことを確認した場合は、立入禁止の対象から外れます。

貯蔵容器のある部屋にも、防護区画の出入口と同じ標識が必要なのですか。

規則は貯蔵容器を設ける場所と防護区画の出入口等の両方を挙げています。

標識の例1と例2はどんな大きさと色なのか

黄色い長方形の標識の横にメジャーを当てたイラスト
規則が求める内容を、そのまま形にした例が、ガイドライン第9に載っています。
図が中心の例と、文言が中心の例の2種類です。
令和4年12月12日付けの事務連絡「消防法施行規則第19条第5項第19号イ(ホ)に規定する標識の例の掲載について」(消防庁予防課)には、ガイドライン第9に示した標識の例の電子データを消防庁ホームページに掲載したと書かれています。
項目標識の例1(図1)標識の例2(図2)
内容日本産業規格A8312(2021)の図A.1の標識危害のおそれと、放出された場合の立入禁止を記載した標識
大きさ縦30センチメートル以上、横30センチメートル以上縦20センチメートル以上、横30センチメートル以上
地色白色黄色
文字の色「CO2」と「二酸化炭素 CARBON DIOXIDE」は黒色、「危険」と「DANGER」は黄色黒色
事務連絡が示す出力サイズA3(A3で出せない場合は、A4の4分割版をのりしろで貼り合わせる)A4

※消防予第573号別紙1のガイドライン第9と、令和4年12月12日の事務連絡の別紙から作成。図1の人は黒色、煙は黄色、シンボルは黄地に黒枠と黒の感嘆符とされています。

図1は日本産業規格の図の標識で、図2は文言で危険を伝える標識です。
図2に書かれている文言は、次のとおりです。
「この室は、二酸化炭素消火設備が設置されています。消火ガスを吸い込むと死傷のおそれがあります。消火ガスが放出された場合は入室しないこと。室に入る場合は、消火ガスが滞留していないことを確認すること。」
これは、規則が求める危害のおそれと放出された場合の立入禁止、さらにただし書きの排出確認に対応した内容と読めます。

図1と図2は、両方掲げなければならないのですか。

ガイドラインは「次図の例によること」と書いています。
細かい扱いは所轄の消防署に確認してください。

隣室と防護区画の中にはどんな注意銘板を付けるのか

通路の壁に注意銘板があり配管が隣室へ抜けているイラスト
ガイドラインは、規則の標識に加えて、防護区画に隣接する部分と防護区画の中にも注意銘板の例を示しています。
どちらも、あわせて図1を設けることが望ましいとされています。
ガイドライン第9の1(2)には、防護区画に隣接する部分の出入口の見やすい箇所には、次図の例により注意銘板を設けること。また、あわせて(1)図1を設けることが望ましい。とあります。
ガイドライン第9の2には、防護区画内の見やすい位置に、保安上の注意事項を表示した注意銘板を次図の例により設けること。また、あわせて1(1)図1を設けることが望ましい。とあります。
設ける場所大きさと色文言の例
防護区画に隣接する部分の出入口縦20センチメートル以上、横30センチメートル以上。黄色地に黒文字「危険 ここは、隣室に設置された二酸化炭素消火設備の消火ガスが流入するおそれがあり、吸い込むと死傷のおそれがあります。消火ガスが放出された場合は、退避すること。近づく場合は、消火ガスが滞留していないことを確認すること。」
防護区画の中縦27センチメートル以上、横48センチメートル以上。黄色地に黒文字「危険 ここには、二酸化炭素消火設備が設置されています。消火ガスを吸い込むと死傷のおそれがあります。消火ガスを放出する前に退避指令の放送を行います。放送の指示に従い室外へ退避すること。」

※消防予第573号別紙1のガイドライン第9の1(2)と2の図から作成。

隣室の出入口には流入への注意を、防護区画の中には退避の指示を書く例が示されています。
隣接する部分の銘板は、消火ガスが流入するおそれを伝え、放出されたら退避すること、近づくなら滞留がないか確認することを求めています。
防護区画の中の銘板は、放出の前に退避指令の放送を行うこと、放送の指示に従って室外へ退避することを書いています。
この2つは、規則が直接定める標識ではなく、ガイドラインが「例によること」として示した銘板です。

隣の部屋にも、消火ガスが流れ込むおそれがあるのですね。

はい。
隣接する部分の出入口にも、退避を促す銘板の例が示されています。

明日から標識のなにを確認すればよいのか

確認表と黄色い標識の壁と虫めがねのイラスト
確認は、場所、内容、大きさと色の順に見ていくと迷いません。
ガイドラインは、既存の設備でもできる範囲で安全対策を充実させることが望ましいとしています。
消防予第573号の留意事項には、二酸化炭素消火設備を設置している既存の防火対象物にあっても、消防法令に定める安全対策に加え、ガイドラインに定めるところにより、安全対策の更なる充実を図ることが望ましいと書かれています。
  • 貯蔵容器を設ける場所と、防護区画の出入口等の見やすい箇所に、標識があるか
  • 標識に、危害のおそれと立入禁止の文言が表示されているか
  • 日本産業規格A8312(2021)の図A.1が、一辺0.3メートル以上で表示されているか
  • 隣接する部分の出入口と防護区画の中に、注意銘板の例に沿った表示があるか
  • 標識の電子データを消防庁ホームページから出力し、A3で出せない場合は4分割版を貼り合わせているか
明日は、標識のある場所と、表示の中身を、規則の文言と例に照らして確認してください。
規則は、貯蔵容器を設ける場所と防護区画の出入口等に標識を求めています。
標識の例の電子データは、消防庁のホームページで入手できます。
古い注意書きしか掲げていない場合は、図と2つの文言が入っているかを見てください。
不足があるときは、設備の設置業者や所轄消防署に相談して、表示を整えましょう。

標識の場所と中身を、順に確認すればいいんですね。

はい。
貯蔵容器の場所と出入口から見ていきましょう。

よくある質問

Q標識の例は、そのとおりに作らないといけませんか?
Aガイドラインは標識の内容を「次図の例によること」としています。規則が求める文言2つと日本産業規格の図は必ず必要なので、具体的な扱いは所轄の消防署に確認してください。
QA3サイズで出力できないときはどうしますか?
A事務連絡の別紙は、A3サイズで出力できない場合は、A4サイズで出力する4分割版を出力し、のりしろに従ってつなぎ合わせるよう案内しています。
Qすでに設置している二酸化炭素消火設備にも関係しますか?
A消防予第573号は、既存の防火対象物にあっても、ガイドラインに定めるところにより安全対策の更なる充実を図ることが望ましいとしています。また、消防法令によらず自主設置している防火対象物も同様としています。
Q危険物施設の二酸化炭素消火設備にも、この通知は使われますか?
A通知は、平成9年の消防予第133号・消防危第85号の通知を、今後は危険物施設に設置するものだけに適用するとし、それ以外の二酸化炭素消火設備には消防予第573号を適用するとしています。

まとめ

✔標識の内容は、規則第19条第5項第19号イ(ホ)で、文言2つと日本産業規格の図とされている
✔標識を付ける場所は、貯蔵容器を設ける場所と防護区画の出入口等である
✔図はA8312(2021)の図A.1で、一辺0.3メートル以上のものに限られる
✔ガイドライン第9の例は、図1が縦横30センチメートル以上で、図2が黄色地に黒文字である
✔隣接する部分の出入口と防護区画の中には、注意銘板の例が示されている
✔令和4年12月12日の事務連絡で、標識の例の電子データが消防庁ホームページに掲載された
✔明日は、標識の場所と中身を、規則の文言と例に照らして確認する

標識の場所と中身を、規則と例に照らして順に確認します!

消火設備まわりの防火管理も、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 二酸化炭素消火設備の設置に係るガイドラインの策定について(通知)(令和4年11月24日 消防予第573号 消防庁予防課長)別紙1ガイドライン第9
  • 消防法施行規則第19条第5項第19号イ(ホ)に規定する標識の例の掲載について(令和4年12月12日 事務連絡 消防庁予防課)
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第19条第5項第19号イ(ホ)(令和4年総務省令第62号による改正後)
  • 消防庁ホームページ「二酸化炭素消火設備の安全対策」https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/nisannkatannso/anzentaisaku.html

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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