屋外タンク貯蔵所には、消防法第十四条の三にもとづく市町村長等の保安検査とは別に、事業者自身が行う「内部点検」という制度があります。
保安検査の対象になるのは容量一万キロリットル以上の特定屋外タンク貯蔵所で、原則八年ごとに実施されます。
では、それより小さい特定屋外タンク貯蔵所(千キロリットル以上一万キロリットル未満)はどうなるのでしょうか。
この記事では危険物の規制に関する規則第六十二条の五が定める内部点検の周期と延長の仕組みを解説します。
うちの屋外タンク、千五百キロリットルくらいなんですが、保安検査は受けなくていいんですか。
保安検査の対象ではありません。
その代わりに内部点検という制度があります。
内部点検ってどんなものですか。
規則第六十二条の五を見てみましょう。
周期や延長の仕組みが分かります。
- 容量千キロリットル以上一万キロリットル未満の特定屋外タンク貯蔵所には、保安検査ではなく内部点検の義務がある
- 内部点検の周期は原則十三年で、保安措置を講じて届け出れば十五年まで延びる
- 期間内に点検が難しいときは、市町村長等への届出だけで二年延長できる
- 貯蔵や取扱いの休止など特別な事情があるときは、申請にもとづく別の延長も認められている
- 点検記録は二十六年間(延長時は三十年間)保存しなければならない
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目次
屋外タンク貯蔵所の内部点検は保安検査とどう違うのか

どちらも欠かせない制度ですが、根拠になる条文も点検を行う主体もまったく違います。
これより小さい千キロリットル以上一万キロリットル未満の特定屋外タンク貯蔵所は、保安検査の対象から外れます。
その代わりに課されるのが、危険物取扱者や危険物施設保安員が自ら行う内部点検です。
つまり同じ「特定屋外タンク貯蔵所」という区分の中でも、規模によって行政検査か自主点検かが分かれる仕組みになっています。
まずは自分の施設がどちらの規模に当たるのかを確認することが出発点です。
うちは八千キロリットルなので、内部点検の方になるということですね。
その規模なら内部点検の対象です。
次は対象の要件を詳しく見ましょう。
どの規模のタンクに内部点検の義務があるのか

条文の文言を確認しておきましょう。
岩盤タンクと海上タンクは対象から除かれており、これらは別の周期が定められています。
「引火点を有する液体」という限定があるため、引火点のない危険物だけを扱うタンクはこの内部点検の対象になりません。
容量が一万キロリットルを超えると内部点検ではなく保安検査の対象に切り替わる点も、あわせて押さえておく必要があります。
まずは完成検査済証や設置許可の書類で、自分のタンクの容量区分を確認しましょう。
うちのタンクの容量はどの資料を見れば分かりますか。
完成検査済証や設置許可の申請書に記載があります。
まずそこで容量を確認しましょう。
点検の周期は何年で何が十五年まで延ばすのか

延長の要件を確認しましょう。
起算日は完成検査済証の交付日、直近の内部点検日、または保安検査を受けた日のいずれかです。
十五年まで延ばすには、規則第六十二条の二の二が定める内部コーティング等の保安のための措置を講じたうえで、あらかじめ市町村長等へ届け出ておく必要があります。
コーティングだけ済ませて届出を忘れると、原則どおり十三年のままになってしまいます。
延長を狙うなら、工事の記録と届出の両方をセットで残しておくことが欠かせません。
うちもコーティング工事をしたので、自動的に十五年になりますか。
届出をして初めて適用されます。
工事だけでは延びません。
期限内に点検できないときはどうするか

そんなときのために、条文は二つの延長の道を用意しています。
一つ目は届出だけで二年に限り延長できる仕組みで、点検が単純に間に合わない場合に使います。
二つ目は、貯蔵や取扱いの休止など特別な事由が生じたときに申請にもとづき市町村長等が期間を定める延長で、こちらは何年延びるかが個別に決まります。
この二つを混同して、休止でもないのに二年を超えて延ばせると誤解するケースが見落としやすいところです。
さらに、点検記録は二十六年間(十五年周期の場合は三十年間)保存する義務があることも忘れてはいけません。
二年延長と申請による延長、どちらも同じ手続きなんですか。
別の制度です。
要件が違うので混同しないようにしましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

順番に確認していきましょう。
- 自分のタンクの容量が千キロリットル以上一万キロリットル未満かどうかをまず確認する
- 直近の内部点検日または完成検査日から起算した期限を確認する
- 内部コーティング等の保安のための措置と届出の有無を確認する
- 点検が間に合わない場合は届出による二年延長で足りるかを判断する
次の点検期限を逆算して、今のうちに確認しておきます。
記録の保存期間も長いので、あわせて整理しておきましょう。
よくある質問
まとめ
今のうちに点検記録と届出の状況を確認しておきます!
届出の記録も一緒に整理しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第十四条の三・第十四条の三の二
- 危険物の規制に関する政令第八条の四・第八条の二の三
- 危険物の規制に関する規則第六十二条の二の二・第六十二条の五・第六十二条の六・第六十二条の八
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





