パッケージ型自動消火設備は、消火器のように人が操作しなくても、感知から放射までを自動で行う初期消火設備です。
その中核を担う感知部は、熱や煙など検出方式の異なる複数のセンサーを組み合わせて構成することが告示で定められています。
なぜ1種類のセンサーだけでは足りないのか、そして受信装置はどのタイミングで作動装置を起動させるのか、点検や検査の場面でも問われる仕組みです。
今回はパッケージ型自動消火設備の感知部について、センサーを2種類以上組み合わせる理由と受信装置が作動するまでの仕組みを解説します。
パッケージ型自動消火設備って、消火器と何が違うんですか?
いえ、感知から放射まで自動で行う設備なんですよ。
自動で感知するなら、誤作動が心配になりますね。
はい、センサーを組み合わせる仕組みで防いでいます。
- 感知部は検出方式の異なる2以上のセンサーで構成することとされている
- 感知器型感知部は感知器等規格省令に適合させる必要がある
- 受信装置は異なる火災信号を受信したときに限り作動装置へ起動信号を発信する
- 手動で作動させる装置は鍵等を用いなければ作動できない措置が必要
- これらはすべて誤作動と失報の両方を防ぐための仕組みになっている
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目次
パッケージ型自動消火設備は火災をどう感知して消火するのか

どの装置が何の役割を持つのかを知っておくと、あとの仕組みが理解しやすくなります。
作動装置が起動信号を受け取ると弁を開け、消火薬剤貯蔵容器から消火薬剤を放出口へ送り出す仕組みです。
設備によっては受信装置と作動装置の間に中継装置が入り、信号の種別に応じてそれぞれの信号を発信します。
つまり感知・受信・作動・放射という一連の流れの中で、どこか一つでも誤って反応すると不要な放射につながるため、最初の感知の確からしさが特に重要になります。
途中に何段階も装置があるんですね。
はい、感知の正確さが特に大事になります。
感知部はなぜセンサーを2種類以上組み合わせるのか

なぜ1種類のセンサーだけでは足りないのでしょうか。
たとえば熱を感知するセンサーと煙を感知するセンサーを組み合わせれば、片方が周囲の状況で反応しにくい場面でも、もう片方が火災をとらえられます。
逆に1種類のセンサーだけに頼ると、そのセンサーが検知しにくい火災を見逃す失報と、些細な変化で反応してしまう誤作動の両方のリスクを抱えることになります。
複数のセンサーを組み合わせる設計は、この2つのリスクを同時に減らすための工夫だということです。
熱と煙、両方を見ているから安心なんですね。
はい、片方だけでは見逃す火災もあるので、両方が支えます。
感知器型感知部とその他の感知部はなにが違うのか

どちらを使う場合でも、満たさなければならない基準が決まっています。
一方でその他の感知部は、独自の検出方式であっても感知器等規格省令と同等以上の性能を持つことが求められます。
どちらの方式を採るかにかかわらず、複数のセンサーそれぞれが一定水準以上の性能を満たしていなければ、組み合わせても感知の確からしさは上がりません。
つまりセンサーの多重化は、個々のセンサーの性能が保証されていることが前提になっている仕組みです。
独自方式でも性能は同じ水準が必要なんですね。
はい、同等以上の性能が条件になります。
受信装置はなぜ異なる信号を受け取るまで作動させないのか

受信装置には、起動信号を出すタイミングについても細かい規定があります。
つまり最初の1つのセンサーが反応しただけでは警報を出すだけで、消火薬剤の放射までは動きません。
種類の異なるもう一方のセンサーからも火災信号が届いた時点で、はじめて作動装置に起動信号が送られる2段階の確認になっています。
これは感知部でセンサーを組み合わせる意味を、受信装置の側で実際に使いこなす仕組みだということです。
1つのセンサーだけでは、まだ動かないんですね。
はい、もう一方の信号が届いてから動きます。
手動で作動させる場合になぜ鍵が必要になるのか

その場合にも、誤って作動させないための措置が定められています。
自動側でセンサーを2種類以上組み合わせているのと同じように、手動側でも誰でも簡単に作動させられないようにする発想が共通しています。
鍵という物理的な手段で、うっかり触れて消火薬剤を放射してしまう事故を防いでいるわけです。
自動・手動のどちらの経路でも、簡単には作動しないという考え方が一貫して貫かれていることが分かります。
手動側にも、うっかり防止の工夫があるんですね。
はい、鍵という物理的な手段で防いでいます。
よくある質問
まとめ
センサーの仕組みがよく分かりました。
設備の点検・整備もお手伝いできます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- パッケージ型自動消火設備の設置及び維持に関する技術上の基準を定める件(平成16年消防庁告示第13号)第二・第七・第十・第十一
- 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成16年総務省令第92号)第2条第2項
- 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





