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BCPで停電復旧後に消防ポンプの吐出圧力が不足していたら運転してよいのか|吸込系統と復旧判断を解説

消防ポンプの吐出圧力が低いときの復旧判断を示すアイキャッチ

停電復旧後に消防ポンプを試運転すると、吐出圧力が普段より低いことがあります。
ポンプは回っているため、このまま待てば圧力が戻るのか、運転を止めるべきか迷う場面です。
BCPでは吐出圧力の不足を確認した時点で運転を止め、吸込側から送水側までを専門点検します

ポンプは回っています。
圧力が低くても使えますか。

運転を止め、連続再起動を避けます

圧力だけ見ればええんですか。

流量と吸込条件も一緒に確認します

この記事の結論
  • 吐出圧力が不足したまま運転を続けません
  • 施設担当者は弁や設定を自己判断で調整しません
  • 水源・吸込配管・弁・ストレーナを確認します
  • 復旧試験は吐出圧力と流量を同時に確認します
  • 使用不能時の防火安全対策を先に動かします

消防ポンプの吐出圧力不足を確認して停止から条件記録と系統点検を経て圧力と流量の確認へ進む四工程の横長インフォグラフィック

消防ポンプの吐出圧力が不足したまま運転してよいのか

吐出圧力が低い消防ポンプと運転停止を示す横長アイソメ図

必要な吐出圧力が得られないときは、運転を続けず停止します
ポンプが回転していても、消火栓などの先端で必要な放水性能を確保できるとは限りません。

総務省消防庁の点検基準では、加圧送水装置の性能が適正であることを確認します。
総合点検では、吐出圧力が必要な範囲にあり、吐出量が必要量以上であることを確認します。

圧力不足は、ポンプ本体だけでなく、水源の不足、吸込側への空気混入、ストレーナの詰まり、弁の不適切な位置、配管からの漏れでも起こり得ます。
圧力計の数値だけで原因を決めつけないことが重要です。

停止中は、防護できない範囲と利用者への影響を把握します。
設備の停止と代替の防火安全対策を同時に進めることがBCPの役割です。

少し低いだけなら待ちますか。

停止して原因を切り分けましょう

どの値と条件を比べて不足と判断するのか

消防ポンプの吐出圧力計と連成計と流量計を一体で確認する横長アイソメ図

確認する値は、吐出圧力だけではありません。
吐出圧力、吸込圧力、流量、回転状態、弁位置、水源を一つの運転条件として記録します。

  • どのポンプと系統で不足を確認したか
  • 起動直後と安定運転時のどちらで低いか
  • 吐出圧力計と連成計がどの値を示したか
  • 性能試験配管の流量計がどの値を示したか
  • 吐出側止水弁と試験弁が正しい位置か
  • 水源の水量と吸込配管に異常がないか
  • 異音、振動、漏水、空気混入の兆候がないか

設備ごとに設計条件が異なるため、記事だけで一律の圧力値を決めることはできません。
銘板、完成図書、点検記録、性能試験結果を照合します

消防庁の点検要領では、吐出側止水弁を閉止してポンプを起動し、性能試験配管の試験弁を開放して流量計、圧力計、連成計を確認する手順が示されています。
試験条件をそろえずに前回値と比較しません

施設担当者は、安全な範囲から表示と周辺状況を記録します。
弁操作や性能試験は点検手順を理解した専門者へ引き継ぎます

圧力計の写真だけで足りますか。

流量と弁位置も記録します

吐出圧力が不足したときは何を確認するのか

水槽から吸込配管とフート弁とストレーナを経て消防ポンプへつながる横長アイソメ図

停止、条件記録、影響確認、専門点検、管理下の試運転、復旧承認の順で進めます

  1. 吐出圧力の不足を確認した時点で運転を止める
  2. 時刻、圧力、流量、弁位置、水源、音を記録する
  3. 再起動保留を表示して防火管理者へ共有する
  4. 使用不能となる防護範囲と代替措置を確認する
  5. 専門業者が水源からポンプと送水側までを点検する
  6. 補修後に同じ試験条件で再測定する
  7. 圧力、流量、振動、異音、漏水を確認して復旧する

吸込側では、水源の水量、吸込配管、フート弁、ストレーナ、呼水の状態を確認します。
フート弁の詰まりや逆流防止機能の異常は、吸込条件を悪化させる要因になります。

弁類は、開閉位置が正しく、容易に操作できる状態かを確認します。
配管や継手に漏れがないか、試験配管の流れを妨げる異物がないかも点検します。

ポンプ側では、回転方向、回転軸、軸受、羽根車、異常振動や異音を専門的に確認します。
施設担当者が分解や調整を行いません

補修後は、同じ試験条件で吐出圧力と流量を測ります。
圧力だけを合わせて復旧完了にしないことが大切です。

弁を開ければ戻りそうです。

勝手に動かさず専門点検へ回します

圧力計だけで復旧を決めてはいけないのはなぜか

消防ポンプの圧力計と連成計と流量計を同時に確認する横長アイソメ図

圧力計は、測定した場所の一つの状態を示します。
指針が目標付近へ戻っても、必要な水量を送れているとは限りません。

  • 圧力計の零点や作動に異常がある
  • 吐出側の弁が閉じ気味で圧力だけ上がる
  • 吸込側に空気が入り流れが安定しない
  • ストレーナやフート弁に異物が詰まっている
  • 水源の水量が不足している
  • 配管や継手から水が漏れている
  • ポンプに異音や異常振動が残っている

吐出圧力が戻ったことと、必要な送水性能が復旧したことは別です
流量、吸込状態、運転音、振動、漏れを一緒に確認します。

吐出側の流れを絞ると、圧力計の指示だけが上がることがあります。
数値を合わせるために弁を調整する判断はしません

圧力計そのものが固着したり、零点がずれたりする場合もあります。
計器の正常性を確かめてから測定値を採用します

使用不能時の対応が決まっていないと、復旧を急いで確認項目を省きやすくなります。
巡回や火気制限などの代替措置で確認時間を確保します

圧力が戻れば復旧でええですか。

流量と運転状態まで確認が要ります

明日からどの順番で復旧手順を整えるのか

吐出圧力と流量が正常となり復旧した消防ポンプの横長アイソメ図

災害後に初めて基準値や連絡先を探すと、停止判断と再開判断が遅れます。
基準値、停止条件、連絡先、代替措置、復旧承認者を平常時に決めます。

  1. ポンプごとの通常の吐出圧力と流量を台帳へ残す
  2. 水源、弁位置、試験条件を同じ様式へ記録する
  3. 圧力不足を見つけたときの停止条件を決める
  4. 設備停止時の防火安全対策を消防計画へ反映する
  5. 消防設備業者と施設責任者の連絡先を更新する
  6. 管理下の性能試験と復旧確認の担当者を決める
  7. 訓練で停止から事業再開までを通して確認する

正常時の吐出圧力と流量を同じ条件で記録しておくと、災害後に比較できます
前回の点検結果と一緒に保管します。

消防法第17条の3の3に基づく消防用設備等の点検と、BCPの停止・代替・再開判断を結び付けます。
ポンプが起動した時点を事業再開の条件にしません

訓練では、試運転で吐出圧力の不足を見つけた想定を入れます。
防火管理者と設備管理者が同じ復旧基準を共有します

普段の圧力と流量が基準ですね。

同じ試験条件で記録しましょう

よくある質問

Q吐出圧力が少し低いだけなら運転を続けてよいですか?
A続けません。条件と数値を記録して停止し、原因を専門点検します。
Q施設担当者が弁を調整して圧力を上げてもよいですか?
A行いません。弁位置を記録して触れず、専門業者へ引き継ぎます。
Q圧力不足の原因はポンプの故障ですか?
Aポンプだけとは限りません。水源、吸込配管、弁、ストレーナ、計器も確認します。
Q圧力が戻れば復旧完了ですか?
A圧力だけでは完了しません。流量、吸込状態、振動、異音、漏水まで確認します。

まとめ

吐出圧力が不足したら運転を止めます
施設担当者は弁や設定を変更しません
水源と吸込系統から原因を確認します
圧力計と連成計の正常性も確認します
吐出圧力と流量を同時に確認します
停止中は防火安全の代替措置を講じます
性能確認後に事業再開を判断します

圧力と流量を同じ条件で残します

停止から性能確認まで一式で備えましょう
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令および公的資料に基づく一般的な解説です。消防ポンプの吐出圧力が必要な値に達しない場合は運転を停止し、施設担当者が自己判断で弁や設定を変更せず、設備仕様と性能試験手順を確認できる専門業者へ相談してください。著しい振動、異常音、漏水、焦げ臭などがある場合は近づかず、施設の緊急手順に従ってください。個別の点検、補修、試運転、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と施設の運用状況に応じて所轄消防署や専門家へご確認ください。

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