漏電火災警報器の点検では、変流器に試験電流を流して作動電流を測る試験があります。
測った電流が何ミリアンペアなら合格なのか、上と下の許容がそろっているのかが気になります。
消防庁の点検要領は、測る回数と、合格の範囲を数字で定めています。
この記事では、作動範囲の試験の測り方と判定を確かめます。
漏電火災警報器は、鳴るかどうかだけ見れば足りますか。
鳴るだけでなく、何mAで作動するかまで測ります。
測った値が多少ずれても、合格になるのでしょうか。
点検要領は、ずれてよい許容の範囲を定めています。
順番に見ていきましょう。
- 作動範囲の試験は、総合点検で行う項目で、漏電火災警報器試験器などを用いた漏洩電流検出試験で確認します。
- 作動電流は2~3回測定します。
- すべての作動電流値が、公称作動電流値(作動電流設定値)に対して+10%、-60%の範囲にあることが判定の基準です。
- 測定中は負荷をできるだけ減らし、判定に疑義があるときは負荷を完全に遮断して試験電流だけで測ります。
- 許容誤差の範囲を超えていたら、メーカーに修理を依頼します。
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目次
漏電火災警報器の作動範囲試験は点検のどこで行うのか

まず、機器点検との違いを確かめます。
漏洩電流設定値を確認する。
ア 設定値が適正であること。
イ 誤報のおそれのない値となっていること。
漏電火災警報器試験器等を用いて漏洩電流検出試験を行い、次により確認する。
(1) 作動電流値における作動電流を2~3回測定する。
機器点検は、感度調整装置が示す設定値が適正で、誤報のおそれのない値かを見ます。
総合点検の作動範囲は、試験器で漏洩電流検出試験を行い、実際に作動する電流を測ります。
表示された設定値どおりに作動するかを、測って確かめる試験と読めます。
設定値そのものの考え方は、音響装置と検出感度の記事で扱っています。
設定値を見るだけの機器点検とは、何が違うのですか。
総合点検では、実際に電流を流して作動を測ります。
設定値どおりかを確かめる試験です。
作動電流は何回測ってどの範囲なら合格なのか

点検要領の判定方法を見ます。
(1) 作動電流値における作動電流を2~3回測定する。
判定:正常に作動し、すべての作動電流値は、公称作動電流値(作動電流設定値)に対して+10%、-60%の範囲であること。
基準になるのは、公称作動電流値(作動電流設定値)です。
上側は10%まで、下側は60%までずれてよく、上下で許容が違います。
たとえば設定値が200mAなら、80mAから220mAの範囲に入っていれば範囲内です。
この数字は、次の表のとおり設定値ごとに計算できます。
設定値に応じた、作動電流の範囲を次の表に示します。
| 公称作動電流値(設定値) | 下限(-60%) | 上限(+10%) |
| 100mA | 40mA | 110mA |
| 200mA | 80mA | 220mA |
| 300mA | 120mA | 330mA |
| 400mA | 160mA | 440mA |
実際の判定は、その機器に設定されている値で計算してください。
低い側にずれるのは、上側より許されるのですね。
下側は-60%、上側は+10%です。
測った値がすべて入る必要があります。
測定中に負荷や本当の漏電があるとどうなるのか

点検要領は、測定中の負荷への注意を書いています。
漏洩電流検出試験中、負荷はできるだけ減らして測定するのが望ましい。本当の漏電があると、試験用の分との合計で測定することになるので、判定に疑義のある場合は、負荷を完全に遮断し試験電流だけにして測定すること。
建物に本当の漏電があると、試験用の電流との合計を測ってしまうためです。
判定に疑義があるときは、負荷を完全に遮断し、試験電流だけにして測り直します。
明日からは、測る前にどの負荷を止められるかを、建物の関係者と確かめておくと段取りが立てやすくなります。
負荷がそのままだと、測った値を信用できないのですか。
本物の漏電があると合計値で測ります。
疑いがあれば負荷を遮断して測り直します。
作動電流はどの試験器で測り誰の協力が要るのか

点検要領は、ほかの方法と、その場合の条件も書いています。
漏洩電流検出試験には、漏電火災警報器試験器を用いる方法のほか、漏電遮断器試験器を用いる方法及び各種の測定器具を組み合わせて現場で回路を構成する方法もある。なお、現場で回路を構成する方法を用いる場合は、電気主任技術者又は電気工事士などの協力のもとに行うこと。
漏電遮断器試験器を使う方法や、測定器具を組み合わせて現場で回路をつくる方法もあります。
ただし、現場で回路をつくる方法は、電気主任技術者や電気工事士などの協力のもとで行うと定められています。
電路に試験電流を流す試験ですので、電気の資格をもつ人の関与が前提になっていると読めます。
現場で回路を組む方法は、点検する人だけで行えますか。
電気主任技術者や電気工事士などの協力が要ります。
点検要領がそう定めています。
範囲を外れたときは何をするのか

同じ作動範囲の項目で確かめる、表示灯と音圧もあわせて見ます。
※ 許容誤差の範囲を超えている場合は、メーカーに修理を依頼すること。
(2) 音響装置の取り付けられた位置の中心から前面1m離れた位置で、騒音計(A特性)を用いて規定の音圧が得られるかどうかを確認する。
判定:漏電表示灯は正常に点灯すること。音響装置の音圧は、70dB以上であること。
同じ試験の中で、漏電表示灯が正常に点灯するかと、音響装置の音圧が70dB以上あるかも確かめます。
音圧は、前面1mの位置で、騒音計のA特性で測ります。
変流器そのものの試験は、変流器の試験の記事で扱っています。
範囲を外れたら、自分で調整してよいのですか。
点検要領はメーカーへの修理依頼と書いています。
表示灯と音圧もあわせて確かめます。
よくある質問
まとめ
まず、設置されている機器の設定値を確認しておきます!
測定の段取りと負荷の遮断を決めておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検要領の全部改正について(平成14年6月11日 消防予第172号 消防庁予防課長)別添 点検要領 第12 漏電火災警報器
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条の3、第31条の6
※本記事は公表されている法令および消防庁の点検要領に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





