少量危険物には、屋外・屋内・タンクといった場所ごとの構造基準とは別に、扱い方そのものに共通してかかる基準があります。
危険物同士の置き方や、保管場所の標識、加熱の仕方、容器の積み重ね方まで細かく定められています。
これらは貯蔵する場所の種類を問わず、少量危険物の貯蔵及び取扱いのすべてに横断してかかる基準です。
火災予防条例(例)が定める、少量危険物のすべてに共通する扱い方の基準をわかりやすく解説します
うちは屋外の架台の高さだけ確認していれば十分ですよね。
いえ、少量危険物には扱い方そのものにも共通する基準があります。
扱い方というと、具体的にはどんなことですか。
危険物同士の置き方や加熱の方法にも共通基準があります。
順番に見ていきましょう。
- 少量危険物には、場所の構造とは別に扱い方そのものに共通する基準があります。
- 接触又は混合により発火するおそれがある危険物同士は、相互に近接して置けません。
- 保管場所には標識を、移動タンクには黒地に黄色の「危」の標識を掲げる必要があります。
- 引火性の熱媒体を使う設備には、蒸気が漏れない構造と安全装置の両方が必要です。
- 加熱は温度が局部的に上昇しない方法で行い、容器の積み重ねにも高さの上限があります。
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目次
少量危険物にはなぜ扱い方そのものに共通する基準があるのか

条例が定める基準は、場所の構造だけでなく扱い方そのものにも及びます。
屋外・屋内・タンクといった置き場所ごとの基準は、既に別の条文で個別に定められています。
これとは別に、貯蔵及び取扱いのすべてに共通してかかる基準が第三十一条の二にまとめられています。
危険物同士の置き方、保管場所の標識、加熱の仕方、容器の積み重ね方などが対象です。
場所の基準を満たしていても、この横断基準を見落とすと違反になります。
場所の基準だけ守っていれば十分だと思っていました。
場所と扱い方は別の基準です。
次から扱い方の中身を見ていきます。
危険物同士はどんな組み合わせで近づけてはいけないのか

条例はこの組み合わせを近接させないことを求めています。
接触又は混合により発火するおそれのある危険物と危険物、その他の物品は相互に近接して置けません。
仕切りを設けるなど、接触又は混合しないような措置を講じた場合に限り例外になります。
措置を講じずに単に離れているだけでは、風や振動で近づく可能性が残ります。
どの危険物とどの危険物が組み合わさると危険かを、保管前に確認しておくことが大切です。
種類の違う容器を並べて置いているだけで、危険な組み合わせかまで見ていませんでした。
相互に近接させないのが原則です。
まずは組み合わせを確認してみてください。
少量危険物の保管場所にはどんな表示が必要なのか

移動タンクだけは、専用の様式が定められています。
危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所には、見やすい箇所にその旨を表示した標識が必要です。
移動タンクだけは黒地に黄色の反射材で「危」と表示する専用の様式になります。
移動タンク以外の場所では、危険物の類、品名、最大数量と防火上必要な事項を掲示板に記します。
標識と掲示板は、色あせて読めなくなっていないかも定期的に確認しておきましょう。
普通の標識を立てておけば、タンク車も同じでいいと思っていました。
移動タンクは専用の様式が必要です。
一度掲示の様式を見比べてください。
熱媒体を使う設備にはなぜ専用の基準があるのか

条例は設備そのものの構造と、逃がし方の両方を求めています。
引火性の熱媒体を使う設備は、各部分を熱媒体又はその蒸気が漏れない構造にする必要があります。
それに加えて設ける安全装置は、熱媒体又はその蒸気を火災予防上安全な場所に導く構造でなければなりません。
密閉されているだけでは足りず、万一のときに蒸気をどこへ逃がすかまで設計されている必要があります。
配管の継手やパッキンの劣化は、漏れの原因になりやすいので点検で重点的に見ます。
密閉されている設備だから、それだけで安全だと思っていました。
逃がし方の構造も基準の対象です。
安全装置の向きも確認してください。
加熱と容器の積み重ねで何を確認すればよいのか

どちらも一部分だけに負担が集中しないようにする考え方です。
危険物は温度計、湿度計、圧力計その他の計器を監視しながら、適正な温度・湿度・圧力を保って貯蔵し、又は取り扱います。
容器を積み重ねて貯蔵する場合は、高さ三メートルを超えてはいけません。
第四類の危険物のうち第三石油類及び第四石油類だけを積み重ねる場合に限り、四メートルまで例外的に認められます。
明日からできることとして、計器の設置箇所と積み重ねの実際の高さを一度測ってみてください。
積み重ねの高さなんて、感覚で決めていました。
高さ三メートルが上限です。
一度メジャーで測ってみてください。
よくある質問
まとめ
扱い方そのものにも基準があること、よく分かりました!
標識と近接の確認から始めてみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第九条の四(指定数量未満の危険物及び指定可燃物に関する基準)
- 火災予防条例(例)第三十一条・第三十一条の二
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





