少量危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクのうち、地下タンクでも移動タンクでもない据置タンクには、火災予防条例が定める専用の技術上の基準があります。
鋼板の厚さと水圧試験、地震対策とさび止め、安全装置と通気管、そして屋外に設置する場合の底板の腐食防止まで、号ごとに細かく決められています。
指定数量以上を扱う屋外タンク貯蔵所とは別の枠で、指定数量の五分の一以上指定数量未満の危険物に適用される基準です。
この記事では、少量危険物を貯蔵する据置タンクに求められる構造基準を号ごとに整理して解説します
うちのタンクは指定数量よりずっと少ないので、置いておくだけで大丈夫ですよね。
いえ、少量危険物であってもタンクの構造そのものに基準がかかります。
具体的にはどこまで見ればいいんですか。
鋼板の厚さから底板の腐食防止まで一通りあります。
順番に見ていきましょう。
- 少量危険物を貯蔵する据置タンクには、専用の位置、構造及び設備の技術上の基準があります。
- タンクは容量に応じた厚さの鋼板で気密に造り、水張試験又は水圧試験に適合させます。
- 地震で転倒しない措置とさび止めの両方が必要です。
- 圧力タンクには安全装置を、それ以外には通気管又は通気口を設けます。
- 屋外に設置し底板が地盤面に接するものは、底板の外面の腐食を防止する措置が必要です。
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目次
少量危険物のタンクにはなぜ専用の構造基準があるのか

地下タンクでも移動タンクでもない据置タンクには、まず鋼板の厚さと試験の基準がかかります。
タンクは容量に応じた厚さの鋼板で気密に造らなければなりません。
圧力タンク以外は水張試験、圧力タンクは最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間の水圧試験に適合させます。
固体の危険物だけを貯蔵し、又は取り扱うタンクはこの限りではありません。
指定数量未満でも、置くだけでよいタンクは一つもありません。
タンクの厚さなんて、買ったときのカタログでしか見たことがないです。
製造時の検査記録を残しておいてください。
導入時に確認するのが一番確実です。
地震と腐食からタンクをどう守るのか

どちらも条文で明示されています。
タンクは地震等により容易に転倒又は落下しないように固定して設けます。
外面にはさび止めの措置を講じますが、アルミニウム合金やステンレス鋼などさびにくい材質のタンクは対象外です。
固定の強さとさびにくさは別々の話なので、片方が良いからもう片方も安心とは限りません。
うちのタンクはステンレス製なので、さび止めはしなくていいんですね。
はい、材質は対象外です。
ただし固定の状態は別に確認してください。
圧力の変化にはどう備えるのか

圧力タンクかどうかで求められる設備が分かれます。
圧力タンクには有効な安全装置を、圧力タンク以外には有効な通気管又は通気口を設けます。
引火点が40度未満の危険物を扱う圧力タンク以外のタンクは、その通気管又は通気口に引火防止のための措置も必要です。
ガソリンのような引火点の低い危険物を扱うタンクほど、通気設備側の対策が増えます。
通気管があれば、中身が何であっても同じでいいと思っていました。
引火点の低い危険物かどうかを確認してください。
該当すれば引火防止の措置も必要です。
屋外設置の底板は何を見落としやすいのか

注入口の位置にも基準があります。
注入口は火災予防上支障のない場所に設け、注入口には弁又はふたを設けます。
屋外に設置し底板を地盤面に接して設けるタンクは、底板の外面の腐食を防止する措置を講じなければなりません。
底板は地面に接している分、湿気や雨水の影響を側面より受けやすい部分です。
見やすい位置に危険物の量を自動的に表示する装置(ガラス管等を除く。)が付いているかも、あわせて確認しておくとよい部分です。
底の部分まではさすがに見たことがないです。
地盤面に接するタイプかどうかを確認してください。
設置時の記録が一番の手がかりです。
配管と漏れの対策は明日から何を確認すればよいのか

漏れたときの流出対策もあわせて確認します。
タンクの配管には、タンク直近の容易に操作できる位置に開閉弁を設けます。
配管は地震等でタンクとの結合部分に損傷を与えないように設置しなければなりません。
液体の危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクの周囲には、漏れた場合の流出を防止する有効な措置も必要です。
明日からできることとして、配管の開閉弁が実際にすぐ操作できる位置にあるかを見に行ってみてください。
開閉弁がどこにあるか、そういえば意識したことがないです。
はい。
タンク直近で操作できるかを今度の点検で見てください。
よくある質問
まとめ
底板の裏側まで基準があるとは思いませんでした!
設置時の記録や図面から確認してみてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第九条の四(指定数量未満の危険物に関する基準)
- 火災予防条例(例)第三十一条の四(少量危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクの技術上の基準)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。実際の運用は施設の許可内容や所轄消防署の指導によって異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





