夏祭りや市民まつり、公園のフリーマーケットで、火を使う露店をたくさん並べると、消防から「指定催し」に指定されることがあります。
指定されると、主催者は防火担当者を決め、開催する日の14日前までに火災予防上必要な業務に関する計画を出さなければなりません。
この記事では、吹田市消防本部が公表している指定催しの要件を入口に、大阪市・東大阪市・堺市の要件を原文で並べ、豊中市と八尾市の規定も整理します。
露店の数と人出のどちらを、どう組み合わせているかが、市によって違います。
吹田市で露店が100店舗の催しを開きます。
指定催しになりますか?
吹田市の要件は露店等の数が100を超えるものです。
ちょうど100なら露店の要件には当たりません。
人出が10万人を超えそうなときはどうですか?
吹田市は人出と露店のどちらか一方で要件に当たる書き方です。
市ごとの違いを順に見ていきましょう。
- 指定催しの数字は火災予防条例の本文ではなく、消防長が別に定める要件に書かれています
- 吹田市は、1日あたり10万人以上の人出が予想されるもの、または露店等の数が100を超えるものを指定催しとしています
- 東大阪市は、屋外の会場・露店が100を超える・人出予想10万人以上の3つすべてを満たす催しとしています
- 大阪市の告示第52号は、人出予想10万人以上と露店等100店舗以上の2項目を並べていて、両方が要るのか一方でよいのかを示す言葉はありません
- 堺市は露店がおおむね100店舗以上で人出の条件はなく、豊中市と八尾市の要件は公開資料で見つかりませんでした
▼

目次
指定催しの要件はどこに書かれているのか

- 消防法第9条:火の使用に関し火災の予防のために必要な事項を、市町村条例で定める
- 各市の火災予防条例:大阪市は第55条の4、東大阪市と八尾市は第64条の2、堺市は第83条の2、豊中市と吹田市は第42条の2で、指定催しの要件を「消防長が別に定める」とする
- 要件の置き場所:大阪市は消防長告示第52号、堺市は平成26年消防局告示第2号、東大阪市と吹田市は消防の案内ページに要件を載せている
- 指定:要件に当たり、火災が起きたときに人命又は財産に特に重大な被害を与えるおそれがあると認めるものを、消防長(豊中市は消防署長)が指定催しとして指定する
条例を読んでも数字が無かったのは、そのせいですか?
はい、数字は告示や案内ページにあります。
まず会場の市の消防を確かめましょう。
大阪市と東大阪市は露店の数と人出をどう組み合わせているのか

ただし、告示は二つの項目を並べているだけで、「いずれにも該当」「いずれかに該当」といった組み合わせを示す言葉がありません。両方を満たす必要があるのか、一方でよいのかは、告示の文面だけでは決まりません。大阪市で催しを開く場合は、所轄の消防署に確かめてください。 東大阪市は、消防局の案内ページに要件を載せています。
また東大阪市の露店の数は100を超えるもので、ちょうど100店舗は含みません。同じ「100」でも、大阪市とは境目の扱いが違います。
| 項目 | 大阪市 | 東大阪市 |
|---|---|---|
| 露店の数 | 100店舗以上(100を含む) | 100を超える(100は含まない) |
| 人出 | 1日当たり10万人以上の予想 | 1日あたり10万人以上の予想 |
| 会場 | 公園、河川敷、道路その他の場所 | 公園、道路その他の屋外の場所 |
| 組み合わせ | 告示に「いずれにも」「いずれか」の言葉なし | 3項目すべてを満たす |
大阪市は両方そろわないと指定されないのですか?
告示の文面からは決まりません。
規模が近い催しは、早めに消防署へ相談しましょう。
吹田市ではどんな催しが指定催しになっているのか

東大阪市が3項目すべてを求めているのとは、組み合わせ方が逆になっています。 吹田市は、指定した催しを年ごとに一覧で公表しています。令和8年中の一覧には、例えば次の催しが並んでいます(いずれも吹田市消防本部告示)。
| 催しの名称(一覧の表記) | 開催場所 |
|---|---|
| 万博お祭り広場ガレージセール | 万博記念公園 お祭り広場 |
| 万博東の広場ガレージセール | 万博記念公園 東の広場 |
| Vintage Market-万博蚤の市- | 万博記念公園 東の広場 |
| ロハスフェスタ万博2026秋 | 万博記念公園 東の広場 |
| 第25回スルッとKANSAIバスまつり | 万博記念公園 おまつり広場・下の広場 |
花火大会や大きな祭礼だけでなく、ガレージセールや蚤の市のような催しも指定されているのが、吹田市の一覧から読み取れることです。個々の催しが露店と人出のどちらで要件に当たったのかは、一覧には書かれていません。
フリーマーケットも指定催しになるのですか?
吹田市の一覧にはガレージセールや蚤の市が載っています。
規模によっては対象になります。
堺市と豊中市と八尾市は指定催しをどう定めているのか

根拠は堺市火災予防条例第83条の2第1項と、平成26年消防局告示第2号です。告示の本文そのものは入手できず、内容は消防局のページと、市が公開している不利益処分の基準の公開票で確認しました。 豊中市の火災予防条例は、指定する人が消防長ではありません。
| 市 | 条例の条 | 指定する人 | 露店の数 | 人出 | 組み合わせ |
|---|---|---|---|---|---|
| 大阪市 | 第55条の4 | 消防長 | 100店舗以上 | 10万人以上 | 告示に記載なし |
| 東大阪市 | 第64条の2 | 消防長 | 100を超える | 10万人以上 | すべて満たす |
| 吹田市 | 第42条の2 | 消防長 | 100を超える | 10万人以上 | または |
| 堺市 | 第83条の2 | 消防長又は消防署長 | おおむね100店舗以上 | 条件なし | 準ずる規模も含む |
| 豊中市 | 第42条の2 | 消防署長 | 公開資料で見つからず | 公開資料で見つからず | - |
| 八尾市 | 第64条の2 | 消防長 | 公開資料で見つからず | 公開資料で見つからず | - |
豊中市は消防署長が指定するのですね?
はい、条例の主語が消防署長です。
計画の提出先も所轄消防署長になっています。
大阪府内で屋外の催しを主催するときは何を確かめればよいのか

- 会場がどの市の消防の管轄かを確かめます。市境の公園や河川敷では、会場の住所で決まります。
- 出店を認める露店等の数と、1日あたりの人出の予想を書き出します。100ちょうどの扱いは、大阪市(以上)と東大阪市・吹田市(超える)で分かれます。
- その市の要件と突き合わせます。東大阪市は3項目すべて、吹田市はどちらか一方、堺市は露店の数だけ、大阪市は組み合わせを消防署に確認します。
- 指定の通知を受けたら、すぐに防火担当者を決め、開催する日の14日前までに計画を出します。東大阪市は消防局へ2部、豊中市は所轄消防署長へ2通です。
- 指定催しかどうかに関係なく、火を使う露店には開設の届出と消火器の準備が要ります。東大阪市は、露店等の開設届出書を開設する3日前までに管轄消防署へ2部としています。
露店で使う器具と消火器の準備は、催しで火を使う器具を出すとき消火器の準備は義務なのかの記事で解説しています。
指定されなければ、届出は何もいらないのですか?
いいえ、火を使う露店は開設の届出が別に要ります。
消火器の準備も忘れずにしましょう。
よくある質問
まとめ
まず会場の市の要件と組み合わせを確かめます。
そのうえで消防署に相談します!
指定催しの計画は14日前までです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 吹田市消防本部「令和8年中 指定催しの指定」(更新2026-08-26) https://www.city.suita.osaka.jp/anzen/1017917/1017939/1022320/1017941/1041992.html
- 吹田市消防本部「平成30年中 指定催しの指定」 https://www.city.suita.osaka.jp/anzen/1017917/1017939/1022320/1017941/1007802.html
- 吹田市火災予防条例 第42条の2・第42条の3(吹田市例規集) https://www2.city.suita.osaka.jp/reiki/d1w_reiki/H337901010407/H337901010407_j.html
- 大阪市「屋外における大規模な催しの要件」(平成26年12月12日 消防長告示第52号・大阪市例規データベース)/大阪市消防局「指定催し(屋外における大規模な催し)について」 https://www.city.osaka.lg.jp/shobo/page/0000314383.html
- 東大阪市消防局「多数の者が集合する催し開催時は消火器の準備と届出を」/東大阪市火災予防条例 第64条の2・第64条の3(東大阪市例規集) https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000013975.html
- 堺市消防局「「指定催し」の指定について」(更新2026-11-02) https://www.city.sakai.lg.jp/kurashi/bosai/shobo/shimin/kasaiyobo/yoboukeihatsu_kasai/31700120220804104232437.html
- 堺市「不利益処分」基準等公開票(指定催しの指定・堺市火災予防条例第83条の2第1項・平成26年消防局告示第2号) https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/gyosei/gyousei_tetsuduki/kijyun/shobunnshoubou.files/shitei.pdf
- 豊中市火災予防条例 第42条の2・第42条の3、同施行規則 第5条・第6条(豊中市例規集) https://www1.g-reiki.net/toyonaka/reiki_honbun/k205RG00000714.html
- 八尾市火災予防条例 第64条の2・第64条の3、同施行規則 第7条の2(八尾市例規集) https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrMjF01/init?jctcd=8A85C0D651
- 総務省消防庁「火災予防条例(例)」第42条の2・第42条の3 https://www.fdma.go.jp/laws/laws/items/20230531_joureirei.pdf
- 消防法 第9条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186
※本記事は公表されている法令および大阪市・東大阪市・堺市・豊中市・吹田市・八尾市の公開資料に基づく一般的な解説です。表は要旨を自分の言葉でまとめたもので、「見つからず」「記載なし」としたものは、例規集と公開資料を確認した範囲の結果です。要件は改正されることがあるため、最新は管轄の消防署・消防局で確認してください。個々の催しが指定催しに当たるかは、会場を管轄する消防署にご確認ください。






