BLOG

BCPで地震後に自家発電設備の燃料タンク液量計が割れていたら始動してよいのか|漏えい確認と復旧判断を解説

地震でガラスが割れ燃料が滴下した自家発電設備の燃料タンク液量計を示すアイキャッチ

地震の後、自家発電設備の燃料タンクを見ると、液量計のガラスが割れていました。
漏れはわずかで、制御盤にも異常表示がないとき、そのまま始動してよいのでしょうか。
液量計は、タンク内の燃料量を外から確認するための重要な計器です。
破損を見つけたら始動を保留し、液量計と燃料系統を専門家が確認してから復旧します。

液量計のガラスが割れています。

始動は保留して、まず周囲を確認しましょう。

漏れが少なければ動かせますか。

漏れと表示機能を確認してからです。

この記事の結論
  • 液量計の破損を見つけたら、平時の始動や試運転を保留します
  • 燃料臭・漏れ・ガラス片・タンク変形・液面を確認します
  • 割れたガラスや漏れに触れず、火気排除と立入制限を行います
  • 専門家が液量計、遮断弁、シール、タンク支持部を一体で点検します
  • 管理下の試運転で漏れ・液面表示・燃料供給・警報を確認して復旧します

▼

地震後に燃料タンク液量計が割れた場合の始動保留から専門点検と復旧までの流れ

地震後に自家発電設備の燃料タンク液量計が割れていたら始動してよいのか

燃料タンク液量計が割れた自家発電設備を始動保留にする様子

結論は、始動を保留です。

消防庁の「自家発電設備の基準」は、液体燃料を用いる設備について、タンクに液量計を設けるよう定めています。

ガラスが割れていれば、燃料量を安全かつ確実に確認できない状態です。

タンクにつながる液量計では、破断部やシール部から燃料が漏れるおそれもあります。

漏れていないことだけで始動可とは判断しません。

まず燃料臭、漏れ、ガラス片、タンクの膨らみやへこみ、液量計の支持部を安全な位置から確認します。

強い燃料臭や漏れがある場合は近づかず、火気を排除して緊急連絡してください。

漏れがなくても始動保留ですね。

正常な液面表示を確かめるのが先です。

どの液量計と燃料系統を確認対象にするのか

燃料小出槽から液量計と燃料配管までを確認する様子

液量計だけでは足りません。

消防庁の基準は、燃料タンク、配管、タンクと配管の接続部について、地震時の損傷防止も求めています。

液量計からタンク本体、燃料配管、液面制御までを一つの系統として確認します。

施設側が図面と現場で照合する項目は次のとおりです。

  • 透明管、目盛、保護枠の状態
  • 上下の接続部、遮断弁、シール部
  • にじみ、滴下、受け皿への流出
  • 燃料タンク本体、基礎、支持部
  • 給油管、戻り管、オーバーフロー経路
  • 燃料配管の継手と可とう部
  • 移送ポンプ、フロート、液面警報

割れたガラスだけでなく、上下の接続部と遮断弁まで専門家へ確認してもらいます。

同じ機械室に複数のタンクがある場合は、設備台帳と系統図で対象を特定します。

別系統の液量計や燃料弁を取り違えないよう、設備名と位置を記録してください。

液量計から燃料配管まで図面で追います。

液面制御も同じ系統として見ましょう。

発見から漏えい確認と専門点検までどう進めるのか

立入制限後に専門業者が燃料タンク液量計を点検する様子

順番を固定します。

割れたガラスへ触れたり、漏れた燃料を不用意に拭き取ったりすると、けがや着火、漏えい拡大につながるおそれがあります。

施設側で応急修理せず、最初の状態を残して専門家へ引き継ぎます。

対応は次の順番です。

  1. 平時の始動と試運転を保留する
  2. 火気を排除し、必要な範囲を立入制限する
  3. 安全な位置から漏れ、臭い、変形、表示を確認する
  4. 液量計、液面、警報、発見時刻を記録する
  5. 割れたガラスへ触れず、粘着剤などで塞がない
  6. 防火管理者、建物管理者、消防設備業者へ連絡する
  7. 専門家が漏れを止め、液量計を交換し、系統点検と試験を行う

漏れ、強い燃料臭、タンクの変形があるときは接近せず、緊急手順を優先します。

危険物の流出や火災のおそれがある場合は、施設の通報手順に従い、必要に応じて119番通報と所轄消防署への連絡を行います。

液量計を交換した直後に再始動せず、タンクと燃料系統を含めた点検結果を待つことが重要です。

ガラスには触れず、そのまま記録します。

状態を残して専門家へが安全です。

液量計のガラスだけを交換すれば復旧と思うと何を見落とすのか

液量計だけの交換と燃料系統全体の点検を比較する様子

原因が残ることがあります。

地震では、ガラスだけでなく、保護枠、支持金具、上下の接続部、配管接続部が同時に損傷する可能性があります。

新しいガラスを付けたことと、正しい液面を表示できることは別です。

消防庁の危険物事故報告には、強制移送による過充填で、燃料小出槽の通気管やフロートスイッチ取付部から軽油が流出した事例があります。

これは液量計破損の事故ではありませんが、液面表示、液面制御、移送操作を一体で見る必要性を示す参考事例です。

液量計の遮断弁が機能しない場合や、フロート、液面警報、移送ポンプに異常が残る場合もあります。

過充填の痕跡、燃料のにじみ、警報履歴、移送ポンプの停止条件も確認してください。

復旧は、専門家が原因を除き、液面表示、燃料供給、漏れ、液面制御を確認した後に決めます。

ガラス以外の損傷も探すのですね。

液量計・タンク・液面制御を一体確認です。

明日から燃料タンク液量計の破損にどう備えるのか

液量計を復旧した自家発電設備を管理下で試運転する様子

正常時を残します。

災害後に初めて液量計を探すのではなく、平時の写真、系統図、点検記録をそろえておきます。

液量計の位置と正常な表示状態を写真で共有すると、異常を早く見つけられます。

明日から確認する項目は次のとおりです。

  • 液量計の位置と正常時の写真
  • 透明管、目盛、保護枠の正常状態
  • 上下の遮断弁とシール部の位置
  • 天井材や配管など接触物の有無
  • タンク液面、警報、移送ポンプの正常状態
  • 始動保留を決める人と専門業者への連絡順
  • 交換、点検、試運転、復旧承認の記録欄

消防計画には初動と通報、BCPには停止中の代替電源と復旧優先順位を整理します。

内閣府の事業継続ガイドラインが示すように、人命安全と二次災害防止を優先し、重要業務の継続方法を準備します。

点検記録を訓練へ戻し、夜間や休日でも同じ判断ができる状態を作ってください。

液量計の正常写真を台帳へ入れます。

平時の基準が初動を速くしますよ。

よくある質問

Q少量の燃料なら自分で拭き取ってもよいですか?
A不用意に近づかず、火気を排除して必要な範囲を立入制限してください。施設の緊急手順に従って専門家へ連絡します。
Q透明テープで応急修理してもよいですか?
A密閉性、強度、燃料への適合性を確認できません。指定部品への交換と専門家の点検を行ってください。
Q燃料漏れが止まっていれば始動できますか?
A漏れがないことだけでは足りません。液量計が有効に機能し、タンクと燃料供給系に異常がないことを確認してから判断します。
Q消防署へ連絡するのはどのような場合ですか?
A流出、火災、強い燃料臭など緊急性がある場合は通報を優先します。設備停止が続く場合や代替措置、危険物の取扱いに迷う場合は、所轄消防署へ相談してください。

まとめ

✔液量計の破損を見つけたら平時の始動を保留します
✔燃料臭、漏れ、タンク変形、液面、液量計を最初の状態で記録します
✔割れたガラスへ触れず、応急的に接着剤で塞ぎません
✔液量計からタンクと液面制御まで一体で確認します
✔ガラス交換だけでなく遮断弁と液面表示も確認します
✔停止中は代替電源、火気管理、巡回、早期通報を整えます
✔管理下の試運転で漏れ・液面表示・燃料供給・警報を確認して復旧します

正常時の液量計を記録して訓練します!

液面表示と漏れを確かめてから始動するのがBCPです。
㈱防災屋でもご相談を承っています。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

※本記事は公表されている法令、告示、点検基準、公的資料に基づく一般的な解説です。燃料タンクの液量計が割れている場合は、施設側でガラスへ触れる、漏れを拭き取る、粘着剤で塞ぐ、分解するなどの作業をせず、タンク、液量計、燃料配管、液面制御を専門家が確認してください。流出、火災、強い燃料臭など緊急性がある場合は施設の緊急手順と消防機関の指示を優先してください。個別の点検、修理、試運転、代替措置、復旧判断は、設備の仕様と被害状況に応じて所轄消防署、消防設備業者、建物管理者へご確認ください。

BLOGカテゴリ
最新の記事
防火管理者代行サービス
無料1分概算見積
地震でガラスが割れ燃料が滴下した自家発電設備の燃料タンク液量計を示すアイキャッチ
地震の後、自家発電設備の燃料タンクを見ると、液量計のガラスが割れていました。漏れはわずかで、制御盤にも異常表示がないとき、そのまま始動してよいのでしょうか。液量計は、タンク内の燃料量を外から確認するための重要な計器です。...
リクルート 採用情報はこちら →
採用ページ 一緒に働く仲間を募集中 → フランチャイズ (株)防災屋と一緒に開業する → 協力業者 協力業者さん募集中 →