小規模な福祉施設や宿泊施設に設ける特定小規模施設用自動火災報知設備は、点検のときに「どこまで鳴るのか」が分かりにくい設備です。
一般の自動火災報知設備で見かける区分鳴動と、同じ感覚で考えると確認する場所を取り違えます。
消防庁の点検要領は、感知器または発信機を作動させた場合の確認方法を具体的に示しています。
点検では全館の地区音響装置が一斉に鳴ることを確認します。
小さな施設なら、鳴る範囲も一部だけだと思っていました。
特定小規模施設用は、点検要領の鳴動確認をそのまま押さえましょう。
区分鳴動との違いを、点検の順番で知りたいです。
設備の種類と点検要領第33を先に照合すれば迷いません。
- 特定小規模施設用自動火災報知設備の音響装置は、感知器または発信機を作動させて確認します。
- 判定は全館の地区音響装置が自動的に一斉鳴動することです。
- 一般の区分鳴動の考え方を、そのまま当てはめません。
- 点検前は放送設備や防排煙設備などとの連動回路を遮断して影響を防ぎます。
- 点検後は遮断した連動回路と鳴動停止の状態を必ず復元します。
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目次
特定小規模施設用自動火災報知設備とはどんな設備か

点検では、設備が設けられていることだけでなく、感知・表示・警報が所定どおり働くかを確認します。
似た名称の共同住宅用設備や一般の自動火災報知設備では、確認項目が同じとは限りません。
建物の用途や設備構成を勝手に読み替えず、点検要領第33の対象であることを確認します。
管理者は、委託先から受け取る点検票の設備名も現場表示と見比べると取り違えを減らせます。
名称が似ている設備ほど、点検表の表題から確認します。
設備名が合えば、参照する別表と点検要領も絞れます。
鳴動の確認はなぜ全館一斉になるのか

しかし特定小規模施設用自動火災報知設備の音響装置の「鳴動」は、別の判定方法で確認します。
一部の部屋や階だけを聞いて終えるのではなく、地区音響装置の全体が自動的に鳴るかを確認します。
建物の運用に合わせて勝手に警報範囲を狭めると、点検要領どおりの確認になりません。
鳴動範囲を変更したい事情がある場合は、施工・点検の専門業者と所轄消防署に確認します。
小さな建物でも、鳴った場所だけで判定しないのですね。
はい。
全館一斉まで確認して、初めて判定できます。
感知器と発信機のどちらで確認するのか

どちらを操作するかではなく、操作の結果として地区音響装置がどう鳴るかが判定の中心です。
感知器での作動試験、発信機の操作、受信機の表示を、作業前に役割分担しておくと確認漏れを防げます。
発信機側の操作だけで終えず、音響装置と必要な表示を同時に見ます。
点検中の連動で他設備が動くおそれがあるため、次の準備も欠かせません。
鳴動だけでなく、操作した機器とのつながりも見ます。
記録には、操作した感知器又は発信機も残しましょう。
点検前後に見落としやすいのはどこか

警報を止めたまま、または連動を遮断したままにすると、点検後の安全性を損ねます。
作業前には影響する設備を洗い出し、誰が遮断し、誰が復元を確認するかを決めます。
特に地区音響一時停止の状態は、受信機の表示と現場の双方で確認します。
復元完了を点検票や引継ぎ記録に残すことで、次の担当者にも状態が伝わります。
止めた回路と、戻した確認を別々に記録します。
復元担当者を決めると、停止状態の残りを防げます。
明日からどんな順番で確認すればよいか

委託点検であっても、施設側が連絡や立会いの範囲を理解しておくと安全です。
- 設備名と点検要領第33の対象を確認する
- 連動する設備と施設内への周知方法を確認する
- 感知器又は発信機を操作し全館一斉鳴動を確認する
- 遮断回路・鳴動停止を復元し記録する
入居者や利用者の生活に影響する施設では、点検時刻と鳴動の可能性をあらかじめ伝えます。
全館一斉の確認を省略するのではなく、安全に実施できる段取りを整えることが大切です。
設備の変更や警報範囲への疑問があるときは、所轄消防署にも確認してください。
点検の日に、全館で鳴る前提を施設内で共有します。
周知から復元までを一つの点検手順にしましょう。
よくある質問
まとめ
次の点検では、全館一斉と復元を確認します!
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
※本記事は公表されている法令および消防庁の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





