施工業者から「この弁には登録認定機関の表示がついているので試験を省略できます」と言われて、戸惑ったことはありませんか。
消防用設備等または特殊消防用設備等を設置したときは、消防法第17条の3の2にもとづき届出と検査を受けなければなりません。
このとき部品に認定の表示があるかどうかで、検査の進み方が変わってきます。
登録認定機関の表示は設置検査を簡略にできる代わりに、誰でも出せるものではありません。
施工業者から「この弁には認定の表示があるので試験は省略できます」と言われたんですが、信じていいんでしょうか。
はい。
登録認定機関という消防庁長官の登録を受けた法人が、事前に技術基準への適合を確かめているからです。
その登録認定機関って、どんな法人でもなれるものなんですか。
いいえ。実務経験者2名以上と検査機器を備え、メーカー等から独立していることが条件です。
- 登録認定機関は消防庁長官の登録を受けた法人で、消防用設備等や部品の技術基準への適合を認定します
- 認定を受けた機械器具には規則第31条の4第2項の表示を付けることができます
- 登録には事務所ごとに実務経験者2名以上と検査に必要な機械器具が求められます
- メーカー等の事業者に支配されている法人は登録認定機関になれません
- 認定業務の記録は認定を行った日から5年間保存しなければなりません
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目次
登録認定機関とはなにを認定する機関なのか

そのなかで、あらかじめ技術基準への適合を確認しておく仕組みが登録認定機関です。
消防庁長官の登録を受けた法人が、消防用設備等やその部品(機械器具)について、設備等技術基準に適合しているかどうかを検査し、適合していれば認定を行います。
認定を受けた機械器具には、規則第31条の4第2項の表示を付けることができます。
この表示があるということは、すでに技術基準への適合を専門機関が確認済みだという意味です。
まずは自分が使っている、あるいは使う予定の機械器具に、こうした表示があるかどうかを意識してみてください。
認定の表示って、具体的にはどんな設備に付いているものなんですか。
バルブや感知器など、消防用設備等の部品ごとに付けられます。
どんな法人が登録認定機関になれるのか

消防庁長官が登録の際に確認する条件があります。
大学等で機械工学や電気工学などを学び実務経験を積んだ者が、事務所ごとに2名以上いなければなりません。
そのうえで、適合を検査するための機械器具や設備を実際に備えていることも条件です。
そしてもうひとつ重要なのが、認定を受ける機械器具を作っている事業者に支配されていないことです。
メーカー自身がグループ内で認定機関を持つ、ということはできない仕組みになっています。
メーカーが自分のところで認定機関を作って、自社の設備を認定することもできるんですか。
いいえ。事業者に支配されている法人は登録できません。
認定を受けた設備は届出のときどう扱われるのか

認定の表示がある機械器具は、この検査の場面で扱いが変わってきます。
設置届出書には消防用設備等の設計書や試験結果報告書などの図書を添付しますが、登録認定機関の表示がある機械器具については、その部分の適合がすでに確認済みだという前提で扱われます。
届出そのものや、設置場所・設置個数の確認が不要になるわけではありません。
あくまで部品の技術基準への適合という一部分について、専門機関の確認結果を活用できるということです。
使用する機械器具に表示があるかどうかは、届出書を作る前に確認しておくと手続きがスムーズです。
表示があれば、届出そのものもいらなくなるんですか。
いいえ。届出と検査そのものは必要です。
実務で見落としやすいのはどこか

ここでは実務でつまずきやすい点を確認します。
設置場所や設置個数、他の設備との組み合わせなど、届出・検査の対象となる事項は表示の有無にかかわらず確認されます。
また、登録認定機関自身にも義務があり、認定業務の記録を5年間帳簿に残さなければなりません。
規則第31条の5第4項が準用する規定により、業務規程によらずに認定業務を行ったり登録の要件を満たさなくなったりすれば、消防庁長官による改善命令や登録の取消しの対象になります。
表示は「この部品は基準に適合している」という一部の証明にすぎない、という前提を忘れないようにしてください。
表示があるからもう安心、と思ってしまいそうです。
設置場所や個数は別に確認が必要なので、油断は禁物です。
明日からなにを確認すればよいのか

表示の有無と、届出書類の両方を見直してみてください。 確認すべきは表示の有無・届出書類・現地確認の三点です。
- 設置しようとする機械器具に登録認定機関の表示が付いているかを確認する
- 表示がある場合は、その部分の試験結果報告書をどこまで簡略化できるか所轄の消防長又は消防署長に確認する
- 表示が無い機械器具については、通常どおり気密試験・耐圧試験等の結果を添付図書として準備する
- 設置場所や設置個数は、表示の有無にかかわらず届出書に正確に記載する
- 施工業者から認定の表示を理由に手続きの省略を提案されたときは、省略できる範囲をその場で確認する
つまり、表示の有無をまず確認する、ということですね。
それだけでも手続きがスムーズになります。
よくある質問
まとめ
登録認定機関の表示、今日から必ず確認します!
表示の有無と届出内容を、あわせて見直しておいてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第17条の3の2
- 消防法施行令第35条
- 消防法施行規則第31条の4
- 消防法施行規則第31条の5
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





