訓練をやってみて動かなかった手順を、そのままにしていませんか。
消防法施行規則は防災管理に係る消防計画について、訓練の結果を踏まえて内容を検証し、見直すことまで求めています。
ところが誰がいつ集まって直すのかを決めていないと、気づいた人の心覚えで終わってしまいます。
この記事では見直しを担う組織を消防計画にどう書いておくのかを整理します。
訓練のあとに消防計画を直すことは分かりました。
ただ誰と決めればよいのかが分かりません。
そこが抜けやすいところです。
見直しを話し合う組織まで消防計画に書いておく形が示されています。
委員会のようなものを作るということですか。
はい。
消防庁のガイドラインは防火・防災管理委員会という名前を例に挙げています。
- 訓練の結果を踏まえた検証と見直しは防災管理の消防計画の記載事項です
- 見直しの手順だけでなく見直すための組織まで書くことが示されています
- 構成には管理権原者や自衛消防組織の統括管理者や地区隊長まで含めます
- 開催の時期と審議する内容も具体的に決めておきます
- 内容を直したら変更の届出まで進めて初めて見直しが終わります
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目次
消防計画の見直しは誰の判断で始まるのか

記載事項を並べた条文の中に、見直しそのものを求める号が置かれています。
訓練をやって終わりではなく、その結果で計画の中身を検証し、検証の結果に基づいて計画を直すところまでが一つの号になっています。
そして同じ第1項の柱書は、防災管理者が管理権原者の指示を受けて消防計画を作成すると定めています。
見直しの中身を決めるのは防災管理者ひとりではなく、権原を持つ側の判断が要る場面があるということです。
まずは自分の消防計画を開いて、この検証と見直しの項目が入っているかを確かめてください。訓練の記録だけがファイルに増えている状態なら、この号が働いていません。
訓練の報告書は毎年ファイルに綴じています。
計画そのものは何年も同じままでした。
よくある形です。
報告書と計画をひもづける場が無いと、そこで止まります。
見直しのための組織まで消防計画に書くのか

消防庁が公表している消防計画作成ガイドラインが、書いておくべき中身を挙げています。
見直しの必要が出たときに誰が集まって決めるのかが決まっていないと、担当者が代わった時点で止まってしまいます。
ガイドラインが例に挙げているのは防火・防災管理委員会や防火・防災管理協議会という名前の場です。
名前そのものが法令で決まっているわけではないので、社内で通じる呼び方に置き換えてもかまいません。大切なのは常設の場として消防計画に位置づけておくことです。
すでに安全衛生の会議体があるなら、その議題に防火と防災を加える形で書き起こすのが早道です。
新しく会議を立ち上げなくてもよいのですね。
器はあるもので足ります。
消防計画の中でその場を名指ししておくことが先です。
委員会には誰を入れて何を話し合うのか

ガイドラインは構成と開催方法と審議内容をまとめて挙げています。
挙げられているのは管理権原者、防火・防災管理者、自衛消防組織の統括管理者、そして地区隊長です。
決めたことを実際に動かすのは地区隊なので、現場を持つ人が座っていない会議では計画が机上のままになります。
開催方法には時期を含めよとあるので、いつ開くのかまで書き込みます。
審議内容には、訓練の検証結果、被害の想定の見直し、体制の変更といった議題をあらかじめ並べておきます。会議を開いてから議題を探すことにならないようにするためです。
つまり現場の隊長まで呼ぶということですね。
そのとおりです。
動かす人が決めた計画は現場で生きます。
実務で見落としやすいのはどこか

ガイドラインは、訓練以外にも見直しが要る場面を例として並べています。
例として並んでいるのは人事異動、事業所の組織変更、防火対象物の変更、そして類似した建物での火災事例です。
とくに人事異動は毎年のように起き、消防計画に役職や名前で書かれた部分ほど古くなります。
自衛消防組織の隊員や連絡先が前任者のままだと、書類の上では整っているのに本番で連絡がつながりません。
異動の内示が出る時期に委員会を開くと決めておくだけで、この取りこぼしはかなり減ります。
異動のたびに計画を開き直すという発想がありませんでした。
そこを決めておくのが一番効きます。
開く時期を計画に書けば忘れようがありません。
明日からなにを確かめればよいのか

消防計画は作ったときだけでなく、変えたときにも届け出るものとされています。
条文は変更のときも同じ届出書で届け出よと定めています。
明日からの手順は三つです。まず自分の消防計画を開いて、検証と見直しの記述と、それを担う組織の記述があるかを見ます。
次に、その組織の構成と開催の時期と審議内容が具体的に書かれているかを確かめます。
最後に、直近の異動や組織変更が計画に反映されているかを見て、直したものがあれば別記様式第一号の二で変更の届出まで進めてください。
まずは計画に組織の記述があるかを見てみます。
そこが起点です。
無ければ次の見直しのときに書き足しておきましょう。
よくある質問
まとめ
委員会という言葉が計画に無かったので気づけませんでした。
次の異動の時期に顔ぶれから決め直します。
その一手間が形だけの計画を防ぎます。
消防計画の見直しでお困りでしたら㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第36条
- 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第46条・第48条
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第51条の8・第51条の12・第51条の14
- 総務省消防庁「大規模地震等に対応した消防計画作成ガイドライン」(平成31年)
- e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





