灯油や軽油のSDSで、可燃性液体量や引火点の数値だけを見て安心していないでしょうか。
現場では「濃度と引火点さえ満たせば除外される」と思い込んでしまいがちです。
実は第二石油類の除外規定には、濃度と引火点に加えてもう一つの条件が隠れています。
今回はこの三段階の基準を、規則の条文からたどっておきます。
灯油も濃度と引火点さえ守れば危険物じゃないですよね。
それだけでは決まりません。
規則が定めるもう一つの条件を見ていきましょう。
もう一つの条件とは何ですか。
実は燃焼点という指標が絡みます。
順番に見ていきましょう。
- 消防法別表第一備考第十四号は、第二石油類のうち塗料類その他の物品が総務省令の基準で品名から除外されると定めています
- その基準は危険物の規制に関する規則第1条の3第5項が定めています
- 可燃性液体量が40パーセント以下、かつ引火点が40度以上であることの両方が必要です
- ただし燃焼点が60度未満のものは、この除外から外れます
- 濃度・引火点・燃焼点の三つを順番に確認しないと、除外の可否を誤ります
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目次
第二石油類とはどう定義されているのか

まずは条文の定義を確認します。
灯油や軽油だけでなく、塗料類その他の物品にも同じ引火点の範囲が適用されます。
そして定義には「総務省令で定めるものを除く」という除外規定がセットになっています。
除外の中身は危険物の規制に関する規則が定めており、可燃性液体量と引火点の両方を見る点が特徴です。
まずはこの除外がどの範囲の物品に適用されるのか、条文の限定を見ていきます。
灯油も軽油も同じ条文で決まるんですね。
はい、ただし除外が使えるのは塗料類その他の物品だけです。
次はその範囲を見てみましょう。
除外が使えるのはどの範囲の物品か

この限定が指す範囲を確認します。
灯油や軽油のような燃料そのものには、この除外は適用されません。
引火点だけを見て「第二石油類の範囲に入るから除外できる」と判断すると、この限定を見落とします。
まず自社が扱う物品が塗料類その他の物品に当たるかどうかを確認することが出発点です。
当たる場合に初めて、次の可燃性液体量と引火点の基準へ進みます。
灯油そのものは除外の対象にならないんですか。
はい、塗料類その他の物品に限られます。
対象であれば、次は基準の中身を確認しましょう。
規則第5項が定める基準の中身は何か

条文を確認します。
可燃性液体量は40パーセント以下、引火点は40度以上という二つの条件です。
第三石油類・第四石油類の除外(第六項)が可燃性液体量だけで完結するのに対し、この項は条件が一つ多くなっています。
さらに条文には「燃焼点が60度未満のものを除く」というかっこ書きが続きます。
このかっこ書きが何を意味するのか、次の項目で確認します。
濃度と引火点の両方が必要なんですね。
はい、まだ条件が残っています。
かっこ書きの中身を見てみましょう。
引火点を満たしても除外されないのはどんなときか

かっこ書きの中身を確認します。
これは除外の除外という二重の構造で、アルコール類の除外(第四項)と同じ仕組みです。
第三石油類・第四石油類の除外(第六項)にはこの燃焼点の条件が無いため、条文が近い場所に並んでいると同じ基準が使えると思い込みやすい点が見落としの原因です。
可燃性液体量・引火点をクリアしただけで安心せず、燃焼点の数値まで試験成績書で確認する必要があります。
条項ごとに求められる試験項目が違うことを、あらかじめ確認しておく必要があります。
引火点さえ守れば大丈夫だと思っていました。
燃焼点の数値も必ず確認してください。
最後に現場での確認手順を見ましょう。
現場ではどう確認すればよいのか

確認する項目を整理します。
- まず物品が塗料類その他の物品に当たり、引火点の区分で第二石油類に相当するかを確認する
- SDSや試験成績書で可燃性液体量が40パーセント以下かどうかを確認する
- 同じ資料で引火点が40度以上かどうかを確認する
- 最後に燃焼点が60度以上であることを確認する(60度未満なら除外されない)
これらの数値は試験成績書や製造元のSDSで確認できることが多い数値です。
自社で確認できない場合は試験機関に依頼して成績書を取得します。
除外に該当しなければ、指定数量や貯蔵・取扱いの基準を確認する段階に進みます。
判断に迷ったときは、所轄消防署に相談すれば適切な対応が分かります。
まずは手元の灯油や軽油が対象かどうか確認します。
四つの数値がそろえば判断もスムーズです。
数値が分からなければ先に試験機関へ確認しておいてください。
よくある質問
まとめ
まずは手元の灯油や軽油が対象の範囲に当たるか確認します!
燃焼点まで確認できれば判断も確実です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)別表第一備考第十四号
- 危険物の規制に関する規則(昭和34年自治省令第1号)第1条の3第4項・第5項・第6項
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





