屋外の貯蔵所に危険物を運び入れるとき、輸送用のドライコンテナをそのまま置いておきたい場面があります。
これまでは古い通達によって、屋外貯蔵所でのコンテナ貯蔵は原則として認められていませんでした。
しかし令和4年12月13日、消防庁危険物保安室長から新しい通知が出され、条件を満たせば貯蔵できるようになりました。
積み重ねの高さや表示のルールを知らずに置いてしまうと、変更許可や立入検査で思わぬ指摘を受けることになります。
うちの屋外貯蔵所に、輸送で使ったドライコンテナを置きっぱなしにしてるんですが、これって大丈夫なんでしょうか。
以前は原則NGでしたが、令和4年の通知で条件を満たせば認められるようになりましたよ。
そうなんですね、どんな条件を満たせばいいんでしょうか。
積み重ねの高さと表示、それに許可の範囲がポイントです。
順番に見ていきましょう。
- 令和4年12月13日の消防危第283号により、施錠されて容易に開封できないドライコンテナは屋内貯蔵所・屋外貯蔵所に貯蔵できるようになりました。
- 屋外貯蔵所での貯蔵を認めていなかった昭和45年の消防予第136号は廃止されました。
- 積み重ねは同じ類の危険物に限り、地盤面から高さ6メートルを超えてはいけません。
- コンテナ外部には規則第44条第1項が定める品名・危険等級・数量・注意事項の表示が必要です。
- 既存の許可範囲内なら変更許可は不要ですが、範囲を超えると貯蔵所の変更許可が必要になる場合があります。
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目次
ドライコンテナの貯蔵はなぜ長年認められなかったのか

ところがこれまでは、屋外貯蔵所でこのコンテナのまま貯蔵することは原則として認められていませんでした。
その根拠だった昭和45年の消防予第136号は、物流の効率化や新しい輸送形態への対応という業界の要望を受け、消防庁の検討会での議論を経て見直されることになりました。
今回の消防危第283号は、この検討会の結果を踏まえて出された通知です。
古い通達である消防予第136号は、この通知と同時に廃止されています。
まずは、どんなドライコンテナなら新しく貯蔵できるようになったのかを見ていきます。
屋外貯蔵所でコンテナのまま置いてもいいのか、今まで判断に迷っていました。
今回の通知で条件が明確になったので、次は対象になるコンテナの条件を確認しましょう。
どんなドライコンテナなら貯蔵所に置けるのか

満たすべき要件は大きく分けて二つです。
まず常時施錠されていて、容易に解錠して中身を出し入れできないことが前提になります。
倉庫のように物を出し入れする目的で使うことは想定されておらず、あくまで輸送の途中で一時的に貯蔵する形が対象です。
さらにコンテナの外側には、規則第44条第1項が定める品名・危険等級・化学名・数量・注意事項の表示が必要です。
この二つの要件を満たして初めて、屋内貯蔵所・屋外貯蔵所への貯蔵が認められます。
施錠されているコンテナなら何でもいいわけじゃなく、表示も必要なんですね。
はい、次は積み重ねの高さなど具体的な数字の基準を見ていきましょう。
積み重ねと表示にはどんな基準があるのか

特に積み重ねる場合は注意が必要です。
コンテナの外部には、品名・危険等級・化学名・数量・注意事項を見やすい箇所に表示する必要があります。
同じ品名のコンテナを並べる場合は表示を重複させる必要はなく、数量は内訳を示したうえで合算した表示で足ります。
複数のコンテナを置くときは、点検のための相互間の間隔を確保することも求められます。
数字と表示の両方を満たして、初めて安全に積み重ねられます。
6メートルって、意外と高く積めるんですね。
でも表示を毎回全部書くのは大変そうです。
同じ品名なら数量をまとめて表示できますので、そこまで手間にはなりませんよ。
変更許可や予防規程で見落としやすいのはどこか

特に既存の貯蔵所にコンテナを追加するときは注意が必要です。
既に許可を受けている品名・数量の範囲内であれば、ドライコンテナを置くための変更許可の手続きは不要です。
しかしコンテナを置くことで範囲を超える場合は、貯蔵所の位置・構造・設備について変更許可が必要になることがあります。
予防規程を定める必要がある施設では、予防規程にドライコンテナによる貯蔵等の定めを追加しておく必要があります。
立入検査のときは、コンテナ外部の表示や事業者が保管する資料で品名・数量を確認すれば足り、コンテナをそのつど開封して確認する必要はありません。
既に許可を受けている範囲を超えるかどうかなんて、正直あまり意識していませんでした。
品名と数量を照らし合わせるだけなので、まずは許可証を確認してみましょう。
明日からなにを確認すればよいのか

根拠になるのは今回の通知が示す考え方です。
まず、既存の貯蔵所に置くドライコンテナが、許可済みの品名・数量の範囲内に収まっているかを確認することです。
次に、積み重ねる場合は高さを実測し、同じ類のコンテナに限って6メートル以下に収めることです。
さらに、コンテナ外部の表示が規則第44条の要件を満たしているか、予防規程への記載が必要かをあわせて点検します。
最後に、告示第68条の2の2に規定する鋼製コンテナは今回の通知と別扱いであることを踏まえ、旧通達(消防予第136号)が既に廃止されている点も社内で共有しておきます。
高さを測るだけでなく、許可証の中身まで確認する必要があるんですね。
はい、点検のたびに確認できるよう、チェックリストにしておくと安心です。
よくある質問
まとめ
許可範囲の確認、さっそく倉庫の許可証を見てみます!
高さと表示のルールを守れば、ドライコンテナも安心して活用できます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- ドライコンテナによる危険物の貯蔵について(通知)(令和4年12月13日 消防危第283号 消防庁危険物保安室長)
- コンテナに収納した危険物の貯蔵、取り扱いについて(昭和45年6月29日付け消防予第136号)※上記通知により廃止
- 危険物の規制に関する規則第44条第1項
- 危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示第68条の2の2
- 消防組織法第37条
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





