建築確認や検査を実際に行う人には、国に登録された資格者がいます。
その登録の受け方や取り消され方は、法律に書かれています。
今回は建築基準法第77条の58から第77条の64を中心に、建築基準適合判定資格者の登録、登録できない場合、変更や死亡の届出、登録の消除と業務の禁止、防火管理者が押さえておきたい点をあわせて解説します。
確認検査の仕事をする人は、国に登録されているのでしょうか。
誰でも登録できるのか気になります。
第77条の58に、国土交通大臣の登録の決まりがあります。
まず条文から確認します。
登録が取り消されることもあるのですか。
どんな場合か知りたいです。
第77条の63に、登録の消除と業務の禁止の決まりがあります。
順番に見ていきましょう。
- 建築基準適合判定資格者検定に合格し、建築行政や確認検査などの業務で2年以上の実務経験を有する者は、国土交通大臣の登録を受けることができます(第77条の58第1項)。
- 未成年者や、一定の刑に処せられて5年を経過しない者、登録を消除されて5年を経過しない者などは、登録を受けることができません(第77条の59)。
- 登録事項の変更は変更の登録を申請し、死亡や欠格事由への該当は30日以内に国土交通大臣へ届け出ます(第77条の61・第77条の62)。
- 国土交通大臣は、本人の申請や不正な手段による登録などの場合に、登録を消除しなければなりません(第77条の63第1項)。
- 規程違反や著しく不適当な行為などの場合は、1年以内の期間を定めて業務を禁止し、又は登録を消除することができます(第2項)。
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目次
建築基準適合判定資格者の登録は誰がどのような要件で受けられるのか

(建築基準法第七十七条の五十八第二項)前項の登録は、国土交通大臣が、一級建築基準適合判定資格者検定に合格して当該登録を受ける者にあつては一級建築基準適合判定資格者登録簿に、二級建築基準適合判定資格者検定に合格して当該登録を受ける者にあつては二級建築基準適合判定資格者登録簿に、それぞれ氏名、生年月日、住所その他の国土交通省令で定める事項を登載してするものとする。
第2項は、登録が、一級の検定に合格した者は一級、二級の検定に合格した者は二級の建築基準適合判定資格者登録簿に、氏名、生年月日、住所その他の国土交通省令で定める事項を登載してされるとしています。
実務の経験として認められる業務の具体的な範囲や、登録簿に載せる事項の全部は、この条文には書かれていません。
登録を受けられるのは、検定に合格した人だけですか。
第1項は、検定に合格した者で、2年以上の実務の経験を有するものと書いています。
合格だけでは足りない書き方です。
登録を受けられない者や登録をしないことができる者はどのような場合か

一 未成年者
二 拘禁刑以上の刑に処せられ、又は建築基準法令の規定若しくは建築士法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
三 第七十七条の六十三第一項第四号又は第二項第三号から第五号までの規定により前条第一項の登録を消除され、その消除の日から起算して五年を経過しない者
四 第七十七条の六十三第二項第三号から第五号までの規定により確認検査の業務を行うことを禁止され、その禁止の期間中に同条第一項第一号の規定により前条第一項の登録を消除され、まだその期間が経過しない者
五 建築士法第七条第四号に該当する者
六 公務員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から起算して三年を経過しない者
(建築基準法第七十七条の六十)国土交通大臣は、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについては、第七十七条の五十八第一項の登録をしないことができる。
6つの場合には、未成年者、刑を受けて5年を経過しない者、消除から5年を経過しない者、禁止の期間中に消除された者、建築士法の規定に該当する者、懲戒免職から3年を経過しない公務員が含まれます。
第77条の60は、国土交通大臣が、心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるものについては、登録をしないことができるとしています。
省令で定める者の具体的な内容は、この条文には書かれていません。
心身の故障があると、必ず登録されないのですか。
第77条の60は、登録をしないことができると書いています。
必ず登録しないとまでは書かれていません。
登録事項の変更や死亡などがあったとき何をいつまでに届け出るのか

(建築基準法第七十七条の六十二)建築基準適合判定資格者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者は、当該建築基準適合判定資格者が当該各号に該当するに至つた日(第一号の場合にあつては、その事実を知つた日)から三十日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。
一 死亡したとき相続人
二 第七十七条の五十九第二号、第五号又は第六号に該当するに至つたとき本人
三 心身の故障により確認検査の業務を適正に行うことができない場合に該当するものとして国土交通省令で定める場合に該当するに至つたとき本人又はその法定代理人若しくは同居の親族
第77条の62は、死亡したとき、第77条の59第2号、第5号又は第6号に該当するに至ったとき、心身の故障により業務を適正に行えない場合に該当するに至ったときに、それぞれ定められた者が、該当するに至った日から30日以内に国土交通大臣へ届け出なければならないとしています。
死亡の場合は相続人が届け出ます。ただし、その事実を知った日から数えます。
変更の登録の期限は、この条文には書かれていません。
欠格に当たったとき、届け出るのは誰ですか。
第2号の場合は本人です。
心身の故障の場合は、本人又は法定代理人若しくは同居の親族が届け出ます。
国土交通大臣はどのような場合に登録を消除したり業務を禁止したりするのか

一 本人から登録の消除の申請があつたとき。
二 前条(第三号に係る部分を除く。次号において同じ。)の規定による届出があつたとき。
三 前条の規定による届出がなくて同条第一号又は第二号に該当する事実が判明したとき。
四 不正な手段により登録を受けたとき。
五 第五条第九項又は第五条の二第二項の規定により、建築基準適合判定資格者検定の合格の決定を取り消されたとき。
(建築基準法第七十七条の六十三第二項)国土交通大臣は、建築基準適合判定資格者が次の各号のいずれかに該当するときは、一年以内の期間を定めて確認検査の業務を行うことを禁止し、又はその登録を消除することができる。
一 前条(第三号に係る部分に限る。次号において同じ。)の規定による届出があつたとき。
二 前条の規定による届出がなくて同条第三号に該当する事実が判明したとき。
三 第十八条の三第三項の規定に違反して、確認審査等を実施したとき。
四 第七十七条の二十七第一項の認可を受けた確認検査業務規程に違反したとき。
五 確認検査の業務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
(建築基準法第七十七条の六十三第三項)国土交通大臣は、前二項の規定による処分をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第2項は、確認審査等を実施してはならない場合に実施したとき、確認検査業務規程に違反したとき、業務に関し著しく不適当な行為をしたときなどに、1年以内の期間を定めて確認検査の業務を行うことを禁止し、又は登録を消除することができるとしています。
第3項は、これらの処分をしたときに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならないとしています。
どの程度の行為が著しく不適当に当たるかは、この条文には書かれていません。
第77条の64は、登録の申請、登録証の交付、訂正、再交付、返納などを国土交通省令に委ねています。
登録の消除は、必ず行われるのですか。
第1項は消除しなければならない場合、第2項は禁止又は消除をすることができる場合に分かれています。
書き分けを確かめておきましょう。
資格者の登録に関する規定を防火管理の現場ではどのように受け止めればよいのか

分けて読むと、混乱しにくくなります。
| 項目 | 条文の書き方 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 登録の要件 | 検定に合格し、2年以上の実務の経験を有する者は国土交通大臣の登録を受けることができる(第77条の58第1項) | 合格と実務経験の両方です |
| 登録簿 | 一級と二級の登録簿に氏名、生年月日、住所などを登載する(同条第2項) | 一級と二級に分かれます |
| 欠格 | 未成年者、刑を受けて5年を経過しない者など6つの場合(第77条の59) | 登録できません |
| 心身の故障 | 国土交通省令で定める者は登録をしないことができる(第77条の60) | できるという書き方です |
| 変更と届出 | 変更の登録を申請し、死亡などは30日以内に届け出る(第77条の61・第77条の62) | 30日以内です |
| 消除と禁止 | 必ず消除する場合と、1年以内の禁止又は消除ができる場合がある(第77条の63) | 公告されます |
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、第77条の58から第77条の64には、実務経験として認められる業務の範囲、変更の登録の期限、著しく不適当な行為の具体例は書かれていません。
建物の新築や増築の場面では、確認や検査を行った機関の名称や、確認済証と検査済証の日付を、設計者や施工業者と共有しておくと、後の相談で慌てずに済みます。
明日から、次の点を確認してください。
- 建物の確認や検査を、どの機関が行ったかを設計者に尋ねて控えておく。
- 確認済証と検査済証の名称、日付、番号を、設計者や施工業者から書面でもらって保管する。
- 確認検査を行う人の資格や登録を知りたいときは、建築の窓口に問い合わせる。
- 資格者に関する処分や公告の扱いは、建築の窓口で確かめる。
- 建築の話と消防の話は別の制度なので、両方の窓口へ確かめる。
建築の窓口と所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。
資格者の登録の決まりは分かりました。
現場では、何から確かめればよいですか。
確認や検査を行った機関と書類の日付を、設計者に確認して控えておきましょう。
消防の基準は、所轄消防署に別に確かめます。
よくある質問
まとめ
資格者の登録と欠格と消除の決まりがよく分かりました。
確認検査を行った機関を、設計者に確認します!
建築の確認検査と消防の基準は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第七十七条の五十八から第七十七条の六十四まで(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。資格者の登録の運用は建築の窓口ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





