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非常コンセント設備の点検では保護箱とさし込み接続器の何を見るのか|表示灯と接地と端子電圧と相回転を点検要領で解説

階段の踊り場の壁に、赤い表示灯が点いた埋込みの灰色の保護箱が付いている写真

非常コンセント設備は、消防隊が消火活動で使う機器の電源をとるための設備です。
その点検の項目は、告示の別表第21に、保護箱、さし込み接続器、開閉器、端子電圧、相回転の5つが並んでいます。
表示灯が点いているか、接地がされているか、電圧が規定の範囲内かなど、目視と操作と測定で確かめる内容です。
この記事では、告示と点検要領をもとに、非常コンセント設備の機器点検で何をどう確かめるのかを整理します。

非常コンセント設備の点検って、コンセントにプラグが差せるかどうかを見れば済むのではないですか。

差せるかどうかも見ますが、その前に保護箱や表示灯も確かめます。
まず全体像から見ていきましょう。

項目はいくつくらいあるのですか。

告示は、保護箱から相回転まで5つの項目を並べています。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 機器点検は、保護箱、さし込み接続器、開閉器、端子電圧、相回転の順に5つの項目を確かめます。
  • 保護箱は、周囲、外形、表示、表示灯を見て、金属製のものはD種接地工事まで確かめます。
  • さし込み接続器は、規格への適合と刃受の接地に加えて、プラグが確実かつ容易に着脱できることを確かめます。
  • 端子電圧は、常用電源と非常電源の電圧を電圧計で測り、規定の範囲内かを見ます。
  • 相回転は、定格電圧200Vの機器を接続する設備に限り、電動機が右回転になるかを確かめます。

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非常コンセント設備の点検で、保護箱を見て、さし込み接続器の規格を見て、電圧と相回転を測り、開閉器は開閉操作で確かめ、設置の基準どおりに保たれていることを確かめると整理した図解

非常コンセント設備の保護箱は点検で何を確かめるのか

明るい灰色の廊下の壁に、蓋が少し開いた灰色の金属の保護箱が埋め込まれ、箱の上に赤い丸い表示灯が付き、左に青い扉が描かれたイラスト
保護箱の項目は、周囲の状況、外形、表示、表示灯の4つです。
告示と点検要領の文は、次のとおりです。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第21 非常コンセント設備の点検の基準 機器点検 (1) 保護箱
ア 周囲の状況 周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないこと。イ 外形 変形、損傷等がなく、扉の開閉が確実であること。ウ 表示 適正であること。エ 表示灯 変形、損傷、脱落、球切れ等がなく、正常に点灯していること。
消防庁の点検要領 第21 非常コンセント設備 機器点検 保護箱
(周囲の状況)目視により確認する。周囲に使用上及び点検上の障害となるものがないこと。
(外形)目視及び扉の開閉操作により確認する。ア 変形、損傷、著しい腐食等がなく、扉の開閉が確実にできること。イ 金属製の保護箱にはD種接地工事がなされていること。
(表示)目視により確認する。保護箱の表面に「非常コンセント」である旨の表示が適正になされていること。
(表示灯)目視により確認する。変形、損傷、脱落、球切れ等がなく、正常に点灯していること。
消防法施行規則第31条の2(非常コンセント設備に関する基準の細目)
第2号 非常コンセントは、埋込式の保護箱内に設けること。
第9号 非常コンセント設備の設置の標示は、次のイからハまでに定めるところによること。イ 非常コンセントの保護箱には、その表面に「非常コンセント」と表示すること。ロ 非常コンセントの保護箱の上部に、赤色の灯火を設けること。
保護箱の点検は、周囲の障害物、扉の開閉、「非常コンセント」の表示、表示灯の点灯を見ます。
外形の判定は、変形、損傷、著しい腐食等がなく、扉の開閉が確実にできることです。
金属製の保護箱については、点検要領がD種接地工事がなされていることまで確認するよう書いています。
表示灯は、変形、損傷、脱落、球切れがなく、正常に点灯していることが判定です。
設置の側では、規則第31条の2が、保護箱の表面に「非常コンセント」と表示し、上部に赤色の灯火を設けるよう定めています。
だから点検の前に、保護箱の前に物が置かれていないかを、自分の目でも見ておきましょう。

表示灯が点いていれば、保護箱は問題ないのですか。

表示灯は、保護箱の4つの項目の一つです。
周囲の状況や扉の開閉、金属製の箱の接地も合わせて確かめます。

さし込み接続器は点検でどんな規格と接地を確かめるのか

左に灰色の壁箱に二つの平らな差込口と丸い接地の差込口が並ぶ接地形二極コンセントがあり、枠に橙色の接地線がねじ止めされ、右に黒いコードのプラグが灰色の棚に置かれたイラスト
さし込み接続器は、非常コンセントのプラグを実際に差す部分です。
告示と点検要領の文は、次のとおりです。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第21 機器点検 (2) さし込み接続器
変形、損傷、著しい腐食、異物のつまり等がなく、プラグの着脱が容易にできること。
消防庁の点検要領 第21 非常コンセント設備 機器点検 さし込み接続器
目視及びプラグの着脱操作により確認する。
ア 非常コンセントのさし込み接続器は単相交流100V用にあってはJIS C 8303(定格125V、15A)の接地型2極さし込み接続器に、三相交流200V用にあってはJIS C 8303(定格250V、30A)4極さし込み接続器に適合するもので、変形、損傷、著しい腐食、異物のつまり等がないこと。イ さし込み接続器の刃受部分にはD種接地工事がなされていること。ウ プラグが確実かつ容易に着脱できること。
消防法施行規則第31条の2(非常コンセント設備に関する基準の細目)
第3号 非常コンセントは、日本産業規格C八三〇三の接地形二極コンセントのうち定格が十五アンペア百二十五ボルトのものに適合するものであること。
第4号 非常コンセントの刃受の接地極には、電気工作物に係る法令の規定による接地工事を施すこと。
さし込み接続器の点検は、規格への適合と刃受の接地とプラグの着脱を、目視と着脱操作で確かめます。
点検要領は、単相交流100V用は定格125V、15Aの接地型2極、三相交流200V用は定格250V、30Aの4極のさし込み接続器に適合するものと書いています。
設置の側の規則第31条の2第3号が定めているのは、15アンペア125ボルトの接地形2極コンセントです。
刃受の部分については、点検要領がD種接地工事がなされていることを確認する項目に挙げています。
判定には、変形、損傷、著しい腐食のほか、異物のつまりも入っています。
だから点検の前に、その建物の非常コンセントが100V用だけか、200V用もあるかを、図面で確かめておきましょう。

プラグを差してみて、ゆるくなければ合格ですか。

点検要領は、プラグが確実かつ容易に着脱できることを判定にしています。
ゆるさだけでなく、抜き差しのしやすさも見ます。

開閉器と端子電圧は点検でどう確かめるのか

左に灰色の壁パネルと下向きのレバーの小さな開閉器の箱があり、右に針だけの丸い電圧計が低い灰色の台に載り、赤と黒のリード線が壁パネルの二つの端子につながれたイラスト
開閉器は目視と操作で確かめ、端子電圧は計器で測って確かめます。
告示と点検要領の文は、次のとおりです。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第21 機器点検 (3) 開閉器
変形、損傷等がなく、開閉位置が適正で、かつ、開閉機能が正常であること。
(4) 端子電圧
常用電源及び非常電源の端子電圧が規定値であること。
消防庁の点検要領 第21 非常コンセント設備 機器点検
(開閉器)目視及び開閉操作により確認する。ア 変形、損傷等がないこと。イ 開閉位置及び開閉機能が正常に行われること。
(端子電圧)常用電源及び非常電源の電圧を電圧計により確認する。規定の範囲内であること。
開閉器の点検は変形や損傷を見て開閉操作で確かめ、端子電圧は電圧計で測って確かめます。
開閉器の判定は、変形、損傷等がなく、開閉位置及び開閉機能が正常であることです。
端子電圧は、常用電源及び非常電源の電圧を電圧計で確認し、規定の範囲内であることが判定です。
規定の範囲の具体的な数値は、告示にも点検要領の表にも書かれていないため、設計図書や機器の仕様で確かめます。
非常電源の側の考え方は、非常コンセント設備の非常電源はなぜ専用受電設備も選べるのか|他の消防用設備との違いを解説で解説しています。
だから点検の前に、電圧計と、常用電源と非常電源のそれぞれで測る段取りを、建物の管理者と確かめておきましょう。

電圧が合っていれば、それで非常コンセントは使えるということですか。

端子電圧は、常用電源と非常電源の電圧が規定の範囲内かを見る項目です。
数値の範囲は、設計図書で確かめましょう。

相回転は点検のどんな設備で確かめるのか

左に赤と青と橙の三本の短いリード線が灰色の端子台の三つの端子につながれた手持ちの灰色の相回転計があり、右に低い灰色の台の上に小さな青い三相電動機が描かれたイラスト
相回転は、三相の電源のつなぎ方が合っているかを見る項目です。
告示と点検要領の文は、次のとおりです。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第21 機器点検 (5) 相回転(定格電圧200Vの機器を接続する非常コンセント設備に限る。)
適正であること。
消防庁の点検要領 第21 非常コンセント設備 機器点検 相回転(定格電圧200Vの機器を接続する非常コンセント設備に限る。)
相回転計等により確認する。電動機を接続した場合、その回転が正回転(右回転)方向であること。
相回転の点検は、定格電圧200Vの機器を接続する設備に限り、電動機が右回転になるかを見ます。
点検方法は、相回転計等で確認すると書かれています。
判定は、電動機を接続した場合に、その回転が正回転(右回転)方向であることです。
告示も点検要領も、対象を「定格電圧200Vの機器を接続する非常コンセント設備に限る」としているので、100Vだけの設備には、この項目はありません。
だから点検の前に、相回転計を使える段取りと、電動機を接続して確かめる方法を、点検の担当者と決めておきましょう。

100Vのコンセントだけの建物でも、相回転は見るのですか。

告示は、相回転を定格電圧200Vの機器を接続するの設備に限ると書いています。
200V用の設備があるかどうかが、見分けるポイントです。

非常コンセント設備の点検に総合点検はあるのか

コンクリートの階段の踊り場に、左に鋼の手すりがあり、明るい灰色の壁の胸の高さに赤い丸い表示灯付きの灰色の埋込みの壁箱が付き、その横に目盛りのない細い棒が立てられたイラスト
機器点検の5項目のあとに、総合点検の項目が続くかどうかも、確かめておきましょう。
告示の別表第21は、次のとおり機器点検で始まります。
消防用設備等の点検の基準(昭和50年消防庁告示第14号) 別表第21 非常コンセント設備の点検の基準
機器点検 次の事項について確認すること。
(1) 保護箱 (2) さし込み接続器 (3) 開閉器 (4) 端子電圧 (5) 相回転(定格電圧200Vの機器を接続する非常コンセント設備に限る。)
点検項目点検方法(点検要領)
保護箱目視、扉の開閉操作
さし込み接続器目視、プラグの着脱操作
開閉器目視、開閉操作
端子電圧電圧計
相回転相回転計等
告示別表第21は、機器点検の項目だけを置いていて、総合点検の項目は置いていません。
点検要領の第21も、機器点検の表だけで構成されています。
共同住宅用非常コンセント設備が総合点検を要しない理由は、共同住宅用の消防用設備等はなぜ点検の内容が設備ごとに違うのか|共同住宅用非常コンセント設備だけ総合点検が不要な理由を解説で解説しています。
点検の対象となる建物の側は、非常コンセント設備はどんな建物に設置義務があるのか|11階建て以上と地下街の基準を解説にまとめています。
5項目は、目視と操作と測定で確かめる内容です。
だから点検の前に、目視のほか、電圧計と相回転計が必要になることを、道具の段取りに入れておきましょう。

総合点検がないなら、点検はかんたんに済むのですか。

項目は5つですが、電圧計や相回転計での測定も含まれます。
道具の準備が、点検の質を決めます。

よくある質問

Q非常コンセント設備の機器点検は、いくつの項目に分かれていますか?
A告示別表第21は、保護箱、さし込み接続器、開閉器、端子電圧、相回転の5項目に分けています。
Q金属製の保護箱では、接地の点検も必要ですか?
A点検要領は、金属製の保護箱にはD種接地工事がなされていることを、外形の判定に挙げています。
Q相回転の点検は、すべての非常コンセント設備で必要ですか?
A告示と点検要領は、定格電圧200Vの機器を接続するの設備に限ると書いています。
Q非常コンセント設備の点検に、総合点検はありますか?
A告示別表第21には、機器点検の項目だけが置かれていて、総合点検の項目は置かれていません。

まとめ

✔機器点検は、保護箱から相回転まで5つの項目を目視と操作と測定で確かめる
✔保護箱は、周囲、外形、表示、表示灯を見て、金属製ならD種接地工事まで確かめる
✔さし込み接続器は、規格への適合と刃受の接地とプラグの着脱を確かめる
✔開閉器は、変形や損傷がなく、開閉位置と開閉機能が正常であることを見る
✔端子電圧は、常用電源及び非常電源の電圧が規定の範囲内かを電圧計で測る
✔相回転は、定格電圧200Vの機器を接続する設備に限り、右回転を確かめる
✔告示別表第21に総合点検の項目は置かれていないので、機器点検を確実に行う

まず保護箱の前に物が置かれていないかを、確かめるところから始めます!

非常コンセント設備の点検は、保護箱から相回転まで確かめて、初めて設備を見たといえます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)、第31条の2(非常コンセント設備に関する基準の細目)
  • 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第21
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第21 非常コンセント設備

※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。

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