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工事現場の危害を防ぐ措置を怠ると罰金になるのか|建築基準法第101条第18号と第90条第1項を解説

工事中の建物の手前で仮囲いの前の木のパレットに白いヘルメットが置かれた写真

工事現場で足場が崩れたり、工事用の工作物が倒れたりして、周りの人に危害が及ぶ事故を耳にすることがあります。
建築基準法第90条は工事の施工者に危害を防ぐ措置を求めており、これに違反した者を罰する規定が第101条に置かれています。
今回は第101条第18号を、罰せられる場合と根拠になる第90条の規定に分けて解説します。

工事現場の危害を防ぐ措置を怠ると、罰則になることはありますか。

第101条第18号に、100万円以下の罰金の定めがあります。
この記事で、その中身を確認します。

罰せられるのは、工事の施工者だけですか。

第18号は、違反した者と書いています。
順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 第101条は、各号のいずれかに該当する者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
  • 第18号は、第90条第1項の規定に違反した者を罰する規定です。
  • 第90条第1項は、工事の施工者に、地盤の崩落や工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を求めています。
  • 措置の技術的基準は第2項で政令で定めるとされ、条文本体には細かい基準は書かれていません。
  • 第18号は昇降機や煙突などの工事にも及び、第87条の4と第88条第1項の準用を含みます。

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建築基準法第101条第18号が工事の施工者に求める危害防止措置の違反を100万円以下の罰金で罰する仕組みと、昇降機や工作物の工事にも及ぶことを示す図解

第101条第18号は工事の危害を防ぐ措置に違反した者をどう罰するのか

工事中の建物と書類のイラスト
まず、第101条の前文と第18号を確認しましょう。
(建築基準法第百一条(前文))次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
(建築基準法第百一条第十八号)十八 第九十条第一項(第八十七条の四又は第八十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
第18号は、第90条第1項の規定に違反した者を、100万円以下の罰金に処すると規定しています
第90条第1項には、括弧書きで、第87条の4又は第88条第1項において準用する場合を含むと書かれています。
第1号は「当該建築物の工事施工者」と罰する相手を書いていますが、第18号は「違反した者」とだけ書いています。
どの立場の人が違反した者に当たるかは、第101条の条文からは分かりません。

第18号は、罰する相手を工事施工者と書いていますか。

書いていません。
第18号は、違反した者と書いています。

第90条第1項は工事の施工者に何を求めているのか

足場と防護ネットを備えた工事中の建物のイラスト
続けて、第18号の根拠になる第90条第1項を確認しましょう。
(建築基準法第九十条第一項)建築物の建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者は、当該工事の施工に伴う地盤の崩落、建築物又は工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じなければならない。
第90条第1項は、建築、修繕、模様替又は除却のための工事の施工者に、危害を防止するために必要な措置を講じなければならないと定めています
条文が挙げている危害の原因は、工事の施工に伴う地盤の崩落と、建築物又は工事用の工作物の倒壊等です。
対象になる工事は、建築だけでなく、修繕、模様替、除却のための工事も含まれています。
どのような措置が「必要な措置」に当たるかは、第1項には書かれていません。

工事の施工者とは、どんな人のことですか。

第90条第1項は、工事の施工者と書いています。
個別の事案は、建築の窓口で確かめます。

第90条第2項と第3項は措置の基準と準用する規定をどう定めているのか

書類と定規と建物のイラスト
続けて、第90条の第2項と第3項を確認しましょう。
(建築基準法第九十条第二項)前項の措置の技術的基準は、政令で定める。
(建築基準法第九十条第三項)第三条第二項及び第三項、第九条(第十三項及び第十四項を除く。)、第九条の二、第九条の三(設計者及び宅地建物取引業者に係る部分を除く。)並びに第十八条第一項及び第四十一項の規定は、第一項の工事の施工について準用する。
第2項は、前項の措置の技術的基準は、政令で定めると定めています。
つまり、措置の具体的な中身は、条文本体ではなく政令で確認することになります。
第3項は、第3条第2項と第3項、第9条(第13項と第14項を除く。)、第9条の2、第9条の3(設計者及び宅地建物取引業者に係る部分を除く。)、第18条第1項と第41項の規定を、第1項の工事の施工について準用すると定めています。
準用されるそれぞれの規定の内容は、各条で確認します。
また、第101条第2項の故意の規定が挙げるのは第3号、第4号、第6号で、第18号は含まれていません。

措置の基準は、条文に細かく書かれていますか。

第2項は、技術的基準を政令で定めると書いています。
基準の中身は、政令で確認します。

第87条の4と第88条第1項は第90条をどんな工事に広げているのか

昇降機と煙突と広告塔のイラスト
続けて、第90条を準用する第87条の4と第88条第1項を確認しましょう。
(建築基準法第八十七条の四(抜粋))政令で指定する昇降機その他の建築設備を第六条第一項第一号又は第二号に掲げる建築物に設ける場合においては、
(建築基準法第八十七条の四(抜粋))第八十九条から第九十条の三までの規定を準用する。
(建築基準法第八十八条第一項(抜粋))煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの及び昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するもの(以下この項において「昇降機等」という。)については、
(建築基準法第八十八条第一項(抜粋))前条、次条並びに第九十条の規定を、昇降機等については、
第87条の4は、政令で指定する昇降機その他の建築設備を第6条第1項第1号又は第2号に掲げる建築物に設ける場合に、第89条から第90条の3までの規定を準用すると定めています。
第88条第1項は、煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するものと、昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するものについて、第90条の規定を準用すると定めています。
第18号が括弧書きでこの二つの規定による準用を含めているため、建築物の工事だけでなく、政令で指定された昇降機や工作物の工事の施工も対象になります。
どの昇降機や工作物が政令で指定されているかは、条文本体には書かれていません。

煙突や広告塔の工事でも、第18号の罰則は関係しますか。

政令で指定された工作物の工事には、第88条第1項により第90条が準用されます。
指定の中身は、政令で確認します。

第18号と第90条の関係を整理すると何が分かるのか

表を広げた事務所の机のイラスト
最後に、ここまでの内容を整理します。
規定書かれていることポイント
第101条第18号第90条第1項の規定に違反した者を100万円以下の罰金に処する罰する相手は「違反した者」
第90条第1項工事の施工者に危害を防止するために必要な措置を求める建築、修繕、模様替、除却の工事が対象
第90条第2項措置の技術的基準を政令で定める細かい基準は政令で確認
第87条の4・第88条第1項政令で指定された昇降機や工作物の工事に第90条を準用する建築物以外の工事にも及ぶ
第101条第2項故意の場合に建築主等にも同項の刑を科す挙げるのは第3号、第4号、第6号で、第18号は含まれない
第18号の罰金は、100万円以下と定められています
これらは建築基準法の罰則であり、消防法令の義務とは別の規定です。
また、誰が違反した者に当たるか、どの措置が必要な措置に当たるかは、第101条と第90条第1項には書かれていません。
工事現場に関わるときは、こうした罰則があることを頭に入れておくと安心です。
明日から、次の点を確認してください。
  • 工事が建築、修繕、模様替、除却のどの工事に当たるかを確かめる。
  • 工事の施工者は誰かを、契約や現場の体制で確かめる。
  • 地盤の崩落や工事用の工作物の倒壊などを防ぐ措置の基準を、政令で確かめる。
  • 昇降機や煙突などの工事は、政令で指定された工作物に当たるかを建築の窓口で確かめる。
  • 工事中の建物の防火管理などの義務は別の規定なので、所轄消防署へ確かめる。
建築基準法の罰則については建築の窓口に、消防法令の義務については所轄消防署に、それぞれ確かめておきましょう。

整理はできました。
現場では、何から確かめればよいですか。

まず、その工事の施工者と工事の種類を確認しましょう。
消防法令の義務は、所轄消防署に別に確かめます。

よくある質問

Q第18号は何を罰しますか?
A第90条第1項の規定に違反した者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
Q第90条第1項は何を求めていますか?
A工事の施工者に、地盤の崩落や工事用の工作物の倒壊等による危害を防止するために必要な措置を講じることを求めています。
Q第18号は昇降機や工作物の工事にも及びますか?
A第87条の4又は第88条第1項において準用する場合を含むと書かれており、政令で指定されたものの工事にも及びます。
Q第2項の故意の規定は第18号にも及びますか?
A第2項が挙げているのは第3号、第4号、第6号で、第18号は含まれていません。

まとめ

✔第101条第18号は、第90条第1項の規定に違反した者を、100万円以下の罰金に処すると定めています。
✔第90条第1項は、工事の施工者に、地盤の崩落や倒壊等による危害を防止する措置を求めています。
✔措置の技術的基準は、第2項で政令で定めるとされています。
✔第87条の4と第88条第1項の準用により、政令で指定された昇降機や工作物の工事にも及びます。
✔第18号は罰する相手を「違反した者」と書き、第2項の故意の規定にも含まれていません。
✔誰が違反した者に当たるか、どの措置が必要な措置に当たるかは、第101条と第90条第1項には書かれていません。
✔これは建築基準法の罰則で、消防法令の義務とは別なので、防火管理者は建築の窓口と所轄消防署の両方に確認します。

工事の危害を防ぐ措置に違反すると罰金になる場合がよく分かりました。
まず、工事の施工者と種類を確認します!

建築の罰則と消防の罰則は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 建築基準法第八十七条の四・第八十八条・第九十条・第百一条(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。罰則の適用は事案ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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