非常電源専用受電設備の機器点検では、設置状況だけでなく、個々の機器そのものも目視で確認します。
高圧受電盤や配分電盤の外形、変圧器やコンデンサーの漏油や異臭、開閉器及び遮断器の容量まで、確認する範囲は多岐にわたります。
なかにはMCCBから電線引出口までの配線や、変圧器がモールド形かどうかといった細かい視点もあります。
この記事では、非常電源専用受電設備の機器点検のうち、高圧受電盤から計器類までの目視点検の基準を確認します。
非常電源専用受電設備の点検は、設置状況を見れば終わりだと思っていました。
実は高圧受電盤や変圧器など個々の機器も目視で点検します。
まずは高圧受電盤と配分電盤の外形から見ていきましょう。
機器そのものまで見るとは思いませんでした。
はい、変圧器やコンデンサーも対象です。
順番に確認していきましょう。
- 高圧受電盤(キュービクル式の高圧部分を除く)及び配分電盤の外形点検は、変形・損傷・著しい腐食・はく離等がないことを確認します。
- 非常電源回路の配線に耐火電線又はMIケーブル以外を用いた場合は、MCCBから電線引出口までの防火のための隔壁に異常がないかを確認します。
- 変圧器とコンデンサーは、変形・損傷・漏油・異臭・過熱等がないことを確認します。
- 開閉器及び遮断器(低圧のものに限る)は、容量が負荷に対して適正であることと、開閉位置及び開閉機能が正常であることを確認します。
- 計器類は指示値が適正で正常に作動すること、表示灯は損傷等なく正常に点灯することを確認します。
▼
目次
高圧受電盤及び配分電盤の外形点検では何を確かめるのか

ここでいう高圧受電盤は、キュービクル式の高圧部分を除いたものを指します。
ここでいう配分電盤は、配電盤及び分電盤を指します。
キュービクル式非常電源専用受電設備のうち、高圧部分はこの項目の対象から除かれます。
外箱の状態は、点検のたびに目視で確認する基本の項目です。
配分電盤というのは、配電盤と分電盤のことなんですね。
はい、配電盤及び分電盤を指します。
次はMCCBと隔壁の基準を見てみましょう。
非常電源回路の配線がなぜMCCBから先で隔壁を必要とすることがあるのか

非常電源回路の配線の種類によって、確認すべき内容が変わります。
配線用遮断器は、MCCBと略して呼ばれます。
耐火電線やMIケーブルを使っていれば、この隔壁の点検項目自体が生じません。
隔壁に変形、損傷、著しい腐食、脱落等があると、火災の拡大を防ぐための区画が機能しなくなるおそれがあります。
配線の種類によって、点検の中身が変わるんですね。
はい、耐火電線やMIケーブル以外なら隔壁を見ます。
次は変圧器とコンデンサーを見てみましょう。
変圧器とコンデンサーの点検ではなぜ漏油と異臭と過熱を確認するのか

変圧器とコンデンサーそのものも、目視で確認する機器です。
変圧器がモールド形の場合は、モールド部の損傷・汚損がないことも追加で確認します。
漏油や異臭、過熱は、内部の絶縁劣化や異常を外から察知する手がかりになります。
変圧器とコンデンサーの点検項目は、ほぼ同じ内容で統一されています。
変圧器とコンデンサーは、同じように点検するんですね。
はい、漏油・異臭・過熱を確認します。
次は開閉器及び遮断器を見てみましょう。
開閉器及び遮断器の点検ではなぜ容量と開閉位置まで確認するのか

低圧のものに限り、容量と開閉の状態をあわせて確認します。
容量が負荷に見合っていないと、過負荷の際に正しく機能しないおそれがあります。
変形、損傷、脱落、端子の緩み等がないことも、あわせて確認する項目です。
「入」「切」や「ON」「OFF」の表示が、実際の状態と一致しているかどうかも見るポイントです。
容量まで点検で見るとは知りませんでした。
はい、負荷に対する容量も確認します。
最後に計器類と表示灯を見てみましょう。
計器類や表示灯もあわせて点検するのはなぜか

見た目にわかりやすい項目ですが、基準は明確に定められています。
表示灯は、非常電源確認表示灯及びその他の表示灯のグローブ及びレンズに損傷等がなく、正常に点灯することが基準です。
指示値のずれや表示灯の消灯は、内部の異常を示すサインになることがあります。
高圧受電盤から計器類まで、機器点検は設備の内部状態を目で確かめる作業の積み重ねです。
計器類や表示灯も、立派な点検項目なんですね。
はい、指示値と点灯状態も確認します。
最後に整理しましょう。
よくある質問
まとめ
高圧受電盤から計器類まで、確認してみます!
はい、機器点検の範囲を押さえておけば安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検要領の全部改正について(平成14年消防予第172号)第23 非常電源(非常電源専用受電設備)
- キュービクル式非常電源専用受電設備の基準(昭和50年消防庁告示第7号)
- 配電盤及び分電盤の基準(昭和56年消防庁告示第10号)
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
※本記事は公表されている告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





