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強化液消火器と泡消火薬剤のPFHxS関連物質はどう確認するのか|令和8年の消火器等省令改正と対応手順を解説

強化液消火器と泡消火薬剤がPFHxS関連物質に対応できるかを示すアイキャッチ

消火器や泡消火薬剤には、長年PFOSやPFOAといった物質の規制がかかってきました。
令和8年6月、その対象に新しい物質「PFHxS関連物質」が加わりました。
強化液(中性)消火器や機械泡消火器に使われている薬剤の一部に、この物質が含まれている可能性があると報告されています。
保有している消火器や泡消火薬剤がどう対応すべきかを、消防庁の通知から整理します。

消火器の薬剤にも新しい規制が出たと聞きました。
うちの建物は関係あるでしょうか。

強化液消火器や泡消火薬剤をお持ちなら関係してきます。
対象になる物質と確認の仕方を順に見ていきましょう。

対象かどうかは、どう見分ければいいのですか。

薬剤の種類と、メーカーへの確認で分かります。
まずは何が対象になったのかから説明します。

この記事の結論
  • 令和8年6月17日、PFHxS関連物質が消火器等の技術上の基準の対象に追加されました
  • 対象は強化液(中性)消火器、機械泡消火器、泡消火薬剤に充てんされている薬剤の一部です
  • 含有の有無は各工業会のホームページとメーカーへの確認で判断します
  • 含有が判明したら改正後の技術上の基準に従って対応する必要があります
  • 廃棄や点検で生じた汚染物は廃棄物処理法等の関係法令に従って処理します

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強化液消火器と泡消火薬剤のPFHxS関連物質への対応手順を示す図解

なぜ消火器の省令にPFHxS関連物質が追加されたのか

政令改正でPFHxS関連物質が第一種特定化学物質に指定され消火器等の省令が改正されたことを示すイメージ
消火器や泡消火薬剤の薬剤規制は、これまでPFOSやPFOAに限られていました。
令和8年、ここに新しい物質が加わりました。
消防消第208号・消防予第577号・消防危第141号・消防特第104号(令和8年6月12日) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和7年12月17日政令第416号)により、第一種特定化学物質に新たに指定された「ペルフルオロ(ヘキサン―一―スルホン酸)関連物質」が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤が、化審法第28条第2項の規定による技術上の基準適合義務に従って取り扱うこととされている製品に新たに追加されること等に伴い、化審法省令の一部を改正するものです。
定義規定(第1条第4号)を改正し、「ペルフルオロ(ヘキサン―一―スルホン酸)関連物質」が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤を新たに技術上の基準の対象に加えることとしたこと。
狙いはひと言で足ります。
これまでPFOSやPFOA関連物質に限られていた規制対象に、PFHxS関連物質という新しい物質が加わったということです。
根拠は化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)第28条第2項で、第一種特定化学物質を使う製品を取り扱う者は主務省令が定める技術上の基準に従わなければならないと定めています。
令和7年12月の政令改正でPFHxS関連物質が第一種特定化学物質に指定され、その対象製品に消火器・消火器用消火薬剤・泡消火薬剤が加わったため、省令側も令和8年6月に改正されました。
施行日は令和8年6月17日です。

PFOSやPFOAの話は聞いたことがありますが、また新しい物質ですか。

そうです。
PFHxS関連物質という新しい規制対象が加わりました。

どの消火器や消火薬剤が対象になるのか

強化液中性消火器と機械泡消火器と泡消火薬剤がPFHxS関連物質の確認対象になることを示すイメージ
対象は消火器や泡消火薬剤のすべてではありません。
業界団体の調査で、特定の種類に使われている可能性が示されました。
消防消第240号・消防予第264号・消防危第147号・消防特第112号(令和8年6月17日) 一般社団法人日本消火装置工業会及び一般社団法人日本消火器工業会による現時点における調査では、一部の泡消火薬剤、機械泡消火器及び強化液(中性)消火器に充てんされている消火器用消火薬剤にこれらの物質を使用している場合があるとの報告を受けている。
対象は3種類です。
泡消火薬剤、機械泡消火器、強化液(中性)消火器に充てんされている消火薬剤の一部が対象になります。
粉末消火器や二酸化炭素消火器など、薬剤の性質が違う消火器はこの調査結果には含まれていません。
とはいえ「対象外だから安心」と決めつけず、建物に強化液消火器や泡消火薬剤を使う設備(屋内駐車場の泡消火設備等)があるかどうかを、まず確認することが出発点になります。

うちの厨房にある消火器も強化液なのですが、対象になりますか。

強化液(中性)消火器であれば対象の可能性があります。
型式や製造メーカーをまず確認してください。

保有している消火薬剤はどう確認すればよいのか

工業会のホームページを確認しメーカーに問い合わせて消火薬剤のPFHxS関連物質の含有有無を確認する手順を示すイメージ
対象かもしれないと分かったら、次にすることは1つです。
含有の有無を、順番に確かめます。
消防消第240号等(令和8年6月17日) 各工業会のホームページを参照しても第一種特定化学物質の含有の有無が判然としない消火薬剤等を保有している場合には、メーカーに第一種特定化学物質の含有の有無を確認するとともに、当該物質が含有されている場合には、改正後の技術上の基準を定める省令で定める技術上の基準に従って適切に対応されたい。
確認は2段階です。
まず各工業会のホームページで含有状況を確認します。日本消火装置工業会と日本消火器工業会が、それぞれ調査結果を公開しています。
ホームページを見ても判然としない製品があれば、メーカーに直接問い合わせます。
含有が確認された場合は、改正後の技術上の基準に従って適切に対応することが求められます。具体的な対応は製品ごとに異なるため、点検業者やメーカーと相談しながら進めることになります。
各工業会のホームページは今後更新される可能性があるとも案内されているので、一度確認して終わりにせず、定期的に見直すのが安全です。

ホームページを見ても分からなかったらどうすればいいですか。

そのときはメーカーに直接問い合わせてください。
含有が分かれば、対応方法も教えてもらえます。

廃棄や点検のときに見落としやすいのはどこか

使用年限を過ぎた消火薬剤や点検訓練で生じた汚染物を廃棄物処理法等に従って処分することを示すイメージ
含有の有無を確認したあとも、注意点が残っています。
処分の仕方にも法令が関わってきます。
消防消第240号等(令和8年6月17日) 各メーカーが示している使用年限を経過した消火薬剤等を廃棄物として処理する場合又は移替え、漏出、訓練及び点検等の際に生じた汚染物を処分する場合等においては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律その他の関係法令の規定に従い処理すること。
見落としやすいのは使い終わった後です。
使用年限を過ぎた消火薬剤等を捨てるとき、あるいは移し替え・漏出・訓練・点検で汚染物が出たときは、廃棄物処理法等の関係法令に従って処理する必要があります。
PFHxS関連物質を含まない製品でも、この処理ルール自体は変わりません。
加えて、消火薬剤等によっては水質汚濁防止法の指定物質としての規制を受ける場合もあるとされています。
「古くなったから交換して終わり」ではなく、処分の方法まで含めて点検業者に確認しておくと、あとから指摘を受けずに済みます。

期限切れの薬剤は、業者に引き取ってもらえば終わりだと思っていました。

引き取ってもらう先にも気を配ってください。
廃棄物処理法に従って処理されているかを確認しましょう。

明日からなにを確認すればよいのか

保有する消火器と泡消火薬剤を点検業者と一緒にチェックリストで確認することを示すイメージ
ここまでの話を、やることに落とし込みます。
難しい判断は要りません。順番に確かめるだけです。
消防消第240号等(令和8年6月17日) これに伴い、留意事項を下記のとおり取りまとめましたので、その運用に十分に留意されるようお願いします。
確認は4つで足ります。
保有している消火器と泡消火薬剤の種類を確認します。強化液(中性)消火器か機械泡消火器か、まず型式を見ます。
次に、各工業会のホームページでPFHxS関連物質の含有状況を確認します。
判然としなければメーカーに直接問い合わせます。
含有が分かった場合は、技術上の基準への対応方法と、使用年限が来たときの処分方法の両方を点検業者と一緒に確認しておきます。次回の点検のタイミングで、この4点を話題に出すところから始めてみてください。

次の点検のときに、業者に聞いてみます。

それでじゅうぶんです。
種類の確認から始めましょう。

よくある質問

Q強化液消火器ならすべて対象になりますか?
A回答は、対象となるのは強化液(中性)消火器に充てんされている消火薬剤の一部であるとしています。型式や製造メーカーによって異なるため、まず確認が必要です。
Q対象かどうか分からないときはどうすればいいですか?
A回答は、各工業会のホームページを参照しても判然としない場合はメーカーに直接確認することとしています。
QPFHxS関連物質が含まれていたらすぐに交換が必要ですか?
A回答は、含有が確認された場合は改正後の技術上の基準に従って適切に対応することとしており、対応方法は製品ごとに異なるとしています。
Q使い終わった薬剤はどう処分すればいいですか?
A回答は、使用年限を経過した消火薬剤等や点検・訓練で生じた汚染物は廃棄物の処理及び清掃に関する法律その他の関係法令に従って処理することとしています。

まとめ

✔化審法施行令の改正でPFHxS関連物質が第一種特定化学物質に指定されました
✔対象製品に消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤が新たに加わりました
✔省令改正の施行日は令和8年6月17日です
✔対象の可能性があるのは強化液(中性)消火器と機械泡消火器の薬剤です
✔含有の有無は各工業会のホームページとメーカーへの確認で判断します
✔含有が判明したら改正後の技術上の基準に従って対応します
✔廃棄や汚染物の処理は廃棄物処理法等の関係法令に従います

種類の確認から始めればいいと分かりました。
すっきりしました。

薬剤の種類、含有の有無、そして処分の方法。
この3つを順に確認すれば大きく外しません。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第四項の表PFOS又はその塩の項、PFOA若しくはその異性体又はこれらの塩の項、ペルフルオロオクタン酸関連物質の項又はPFHxS若しくはその異性体又はこれらの塩の項に規定する消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤に関する技術上の基準を定める省令の一部を改正する省令の公布について(通知)(令和8年6月12日 消防消第208号・消防予第577号・消防危第141号・消防特第104号)
  • 同省令の施行に伴う留意事項について(通知)(令和8年6月17日 消防消第240号・消防予第264号・消防危第147号・消防特第112号)
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律第28条第2項
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令附則第4項

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。保有する消火器や泡消火薬剤への該当の有無は製品ごとに異なります。個別の判断はメーカーまたは所轄消防署にご確認ください。

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