消防用設備等につながる高圧電路は、低圧回路と同じ数値では絶縁抵抗を判定しません。
消防庁の点検要領は、使用電圧の区分ごとに下限値を分け、3,000Vでは3MΩ以上、6,000Vでは6MΩ以上を示しています。
測定器を当てる前には電源を遮断し、充電の有無を確認する手順も必要です。
ここでは、高圧電路で数値と手順を取り違えないための確認点を整理します。
Table of Contents
Toggle高圧回路でも、低圧回路と同じ絶縁抵抗計で測ればよいのでしょうか。
使用電圧の区分に合う測定器と下限値を確認します。
3MΩと6MΩは、どちらを使うか迷いそうです。
まず3,000Vか6,000Vかを図書と設備で照合しましょう。
- 消防用設備等の配線は、使用電圧の区分ごとに絶縁抵抗を確認します。
- 高圧電路は、1,000V・2,000V・5,000Vの絶縁抵抗計を用いて測定する取扱いです。
- 3,000V高圧電路の下限値は3MΩ以上です。
- 6,000V高圧電路の下限値は6MΩ以上です。
- 電源を遮断し、充電の有無を確認してから測定と記録を行います。
▼

目次
消防用設備等の高圧電路は何を点検するのか

このうち絶縁抵抗は、回路が電気を漏らさずに保てる状態かを確認する項目です。
受電設備から消防用設備等へ至る回路の構成、開閉器、表示、耐熱保護も同じ配線点検の対象です。
防火管理者は測定作業を行う立場ではなくても、消防用設備等専用の回路として図面・点検票・設備名称が一致しているかを確認できます。
値だけを見て別回路の記録を混ぜないことが、点検結果を設備の維持管理へつなげる出発点です。
高圧側だけを見るのではなく、消防用設備等の回路だと確かめるのですね。
はい。
対象回路の特定を先に行います。
測定前に何を安全確認するのか

点検要領は、測定電路の電源を遮断し、検電器等で充電の有無を確認してから測定箇所を確認する流れを示しています。
静電容量の大きい機器やケーブルでは、電源を切ったあとにも電気が残ることがあるため、点検要領は感電への注意と回路の接地にも触れています。
作業の手順、保護具、施錠管理は設備と現場の規程に従い、有資格者が安全に実施する範囲です。
防火管理者は、測定中の停電範囲や消防用設備等の監視方法を事前に共有し、誤った復電を防ぎます。
電源を切っただけで測定を急がないことが大切なのですね。
そのとおりです。
充電の有無を確認してから次へ進みます。
3,000V高圧電路はどの数値で判定するのか

表では、低圧の3区分とは別に3,000V高圧電路と6,000V高圧電路が並びます。
この値は、消防庁の「消防用設備等の点検要領」第26の第26-1表に示されている下限値です。
低圧電路の0.1MΩ、0.2MΩ、0.4MΩの区分を、3,000V高圧電路へ流用しないことが重要です。
数値の比較をするときは、測定した回路の使用電圧、測定器、点検票の設備名を一組で残します。
3MΩという数値だけでなく、3,000Vの回路だと対応させるのですね。
はい。
電圧区分と表の行を対応させます。
6,000V高圧電路では何が違うのか

同じ高圧という語だけで一つの基準にまとめると、表の区分を取り違えるおそれがあります。
3,000V用と6,000V用で、判定の下限値は別です。
点検票に記載する値は、設備の点検実施者が実測値と仕様を照合して判定しますが、管理側も電圧区分が空欄のまま数値だけを受け取らないようにします。
基準を満たさない値や記録の不整合があるときは、原因を推測して復電せず、保守担当者と所轄消防機関への相談を検討してください。
6,000Vなら、3MΩでよいとは判断できないのですね。
はい。
6MΩ以上の行を確認します。
点検結果はどう記録して引き継ぐのか

これは、どの測定値でも転記できるという意味ではなく、対象回路と測定内容を照合できる記録が必要ということです。
測定日、測定回路、使用電圧、測定器、実測値、判定、措置を追える形にすれば、消防用設備等の点検結果との照合がしやすくなります。
防火管理者は、どの設備のどの回路かを示す図書と記録の保管場所を確認します。
改修、停電、テナント工事などで回路の構成が変わったときは、古い記録をそのまま適合の根拠にしないことが大切です。
測定値だけでなく、回路と設備の対応まで残すのですね。
はい。
回路・値・措置を結び付けて保管します。
よくある質問
まとめ
次回は、電圧区分と測定値を一緒に確認します。
高圧電路の点検で迷うときは、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
監修:㈱防災屋
参考・出典
※本記事は公表されている告示および消防庁資料に基づく一般的な解説です。設備の方式や電気設備の保安規程、所轄消防機関の運用により対応が異なる場合があります。実際の測定・整備は有資格者および所轄消防署へご確認ください。





