鉄道や道路の高架の下に、店舗や倉庫が並んでいる風景はよく見かけます。豊中市消防局が公開している運用基準には、こうした高架下の建築物だけを扱う項があり、通路の幅や間隔、壁の構造、別の防火対象物として扱える条件まで書かれています。
国の消防法施行令第8条は、開口部のない耐火構造の床や壁で区画されたものを別の防火対象物とみなすと定めています。ただし、この記事で確認した令の条文には、高架下という言葉は出てきませんでした。
この記事では、国の条文と豊中市の運用基準を分けて、通路・壁・区画・設置単位の順にたどり、高架下の駐車場の面積は堺市・鈴鹿市・四日市市とも比べます。
豊中市の高架下に倉庫を借りたいです。
消防の基準は何か決まっていますか?
豊中市の運用基準に、高架下建築物の項があります。
順に確かめていきましょう。
はい、通路と区画の条件が細かく書かれています。
国の条文と分けて見ていきましょう。
この記事の結論
- 豊中市の運用基準は、鉄道や道路の高架工作物に店舗・事務所・倉庫を設けた場合を高架下建築物とし、通路・壁・区画・設置単位を定めています
- 通路は、両側に道路があれば延長100m以内ごと、片側なら50m以内ごとに、幅3m以上で設けるとされています
- 通路に面する壁は耐火構造で開口部には防火戸、室内の壁と天井は準不燃材料で仕上げます
- 別の防火対象物として扱えるのは、桁行方向の通路なら幅4m以上・高架工作物との間に高さ80cm以上の排煙上有効な空間・耐火構造と防火戸の3つがそろう場合などです
- 高架下の駐車場の床面積は、豊中市・堺市・鈴鹿市・四日市市とも柵や塀で囲まれた部分に着目しますが、書き方は市ごとに違います
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豊中市の運用基準は高架下の店舗や倉庫をどう扱うのか
豊中市消防局は「消防用設備等の設置に関する運用基準」を市のホームページで公開しています。平成19年に制定され、令和6年4月1日に改正されたものです。この記事で読むのは、第1部 第2章 第4節「形態別の取扱い基準」の
第1 高架下建築物です。
対象は、次のように書かれています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 鉄道、道路等に使用される高架工作物に店舗、事務所、倉庫その他これらに類する施設を設けた場合(以下「高架下建築物」という。)は、次によること。
この項は、次の5つに分かれています。
- 避難及び消防活動上必要な通路と、各構えの出入口(1)
- 通路等に面する壁の構造(2)
- 防火区画と内装(3)
- 消防用設備等の設置単位(4)
- 危険な物品の貯蔵・取扱いを抑えるその他(5)
国の条文はどうなっているでしょうか。消防法施行令第8条は、防火対象物の区画について次のように定めています。
消防法施行令 第8条 防火対象物が次に掲げる当該防火対象物の部分で区画されているときは、その区画された部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。
消防法施行令 第8条 第一号 開口部のない耐火構造(建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)の床又は壁
令第8条には、このほかに防火設備などを使った区画の第二号もありますが、この記事では第一号を中心に見ます。この記事で確認した令第8条には
高架下という言葉は出てきませんでした(e-Govで2026年10月に確認)。
高架下の商店街を街区全体で一の防火対象物とみるかどうかは、
高架下商店街や共同住宅の混在建物の記事で解説しています。
もう一つ、読み方の注意があります。運用基準の総則には、次の一文があります。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第1章 総則 3 その他 この基準の記載内容には、法令上義務となる内容と行政指導の内容が含まれている。
どの項が義務で、どの項が指導なのかを記号で区別する凡例は、読んだ範囲では
見当たりませんでした。この記事では、
「運用基準にこう書かれている」の範囲で解説します。
はい、通路や区画の条件は豊中市の運用基準で書かれています。
項目ごとに見ていきましょう。
高架下の通路は何メートルごとに設けるのか
最初の項目は、避難と消防活動のための通路です。通路の置き方は、高架工作物のまわりに道路がどうあるかで、3つに分かれています。まず、両側に道路がある場合です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(1)ア 高架工作物の延長方向100メ-トル以内ごとに高架下を横断する幅員3メ-トル以上の通路を設け、それぞれの道路に有効に通じていること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(1)イ 高架下建築物の幅が30メ-トルを超える部分には、高架下を横断する道路若しくは、前アにより設けた通路に連絡する幅員3メ-トル以上の内部通路を設けること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(1)イ ただし書き ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
高架下部分の構えの一団の個々が、同部分の全幅を一構えとして使用する場合
道路から直接出入りでき、かつ、他の構えと開口部のない耐火構造の床又は壁で区画された場合
片側にだけ道路がある場合は、間隔と幅の数字が小さくなります。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(2)ア・イ 高架工作物の延長方向50メ-トル以内ごとに、高架下を横断する幅員3メ-トル以上の通路を設け、道路に有効に連絡させること。
高架下建築物の幅が15メ-トルを超える部分には、高架下を横断する道路若しくは前アにより設けた通路に有効に連絡する幅員3メ-トル以上の内部通路を設けること。
両側に道路がなく、高架下を横断する道路がある場合は、そのつなぎ方が決められています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(3)ア・イ 横断道路を相互に連絡する幅員3メ-トル以上の内部通路を設けること。ただし、道路から直接出入りでき、かつ、他の構えと開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されたものはこの限りでない。
前アにより設けた通路の延長が50メ-トルを超える場合は、当該通路の幅員を4メ-トル以上とすること。
3つの場合を表にまとめます。
| 道路の位置 | 通路を設ける間隔 | 内部通路が要る場合 |
| 高架工作物の両側に道路がある | 延長方向100m以内ごとに、幅3m以上の通路(それぞれの道路に有効に通じる) | 高架下建築物の幅が30mを超える部分に、幅3m以上の内部通路 |
| 高架工作物の片側に道路がある | 延長方向50m以内ごとに、幅3m以上の通路(道路に有効に連絡) | 高架下建築物の幅が15mを超える部分に、幅3m以上の内部通路 |
| 両側に道路がなく、横断する道路がある | 横断道路を相互に連絡する幅3m以上の内部通路 | 通路の延長が50mを超えるなら幅4m以上 |
最後に、各構えの出入口です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 1(4) 各構えは、道路又は(1)から(3)までによって設けた通路若しくは廊下に面して出入口を設けること。
読むときの注意が2つあります。
1つめは、100メートルと50メートルごとの通路には、ただし書きが付いていないことです。ただし書きで除かれているのは、幅が30メートル(片側は15メートル)を超える部分の
内部通路のほうです。
2つめは、「構え」の意味です。運用基準の本文では、読んだ範囲で
定義が見当たりませんでした。各区画の持ち主や店舗の単位を指すと読めますが、この記事では断定しません。
両側が道路なら100m、片側なら50mです。
幅は、基本が3m以上です。
通路に面する壁と防火区画はどう決められているのか
通路ができたら、次はその通路に面する壁です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 2 道路及び前1により設けた通路に面する壁は耐火構造とし、開口部には防火戸を設けること。
防火区画と内装は、次のように書かれています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 3(1) 防火区画は、できるだけ各構えごとに行うこと。やむを得ない場合にあっても用途ごとの区画を行うこと。ただし、スプリンクラー設備が設けられている場合はこの限りでない。
スプリンクラー設備は、令第12条で定める基準に適合したものであること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 3(2) 室内に面する部分の壁及び天井の仕上げは、準不燃材料でしたものであること。
国の令第12条は、スプリンクラー設備に関する基準を定めた条文です(e-Govで2026年10月に確認)。運用基準は、
令第12条で定める基準に適合したスプリンクラー設備がある場合に限って、区画の例外を認めていると読めます。
ここで注意したいのは、3(1)の防火区画と、4(3)の「令第8条に規定する区画」が、
別々の項目として書かれていることです。壁や区画の話は(2)と(3)の段階の話で、別の防火対象物にできるかどうかは(4)で決まります。
そのほか、高架下に置く物品についても一項目あります。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 5 高架下建築物は、危険物等延焼拡大がすみやかである物品又は核燃料物質、放射性同位元素、圧縮ガス、液化ガス、毒物その他消火困難である物品の貯蔵、取扱いを抑制するものであること。
「抑制する」と書かれていて、禁止とまでは書かれていません。運用基準には、
何をどの量まで置いてよいかの数字は、この項では見当たりませんでした。
スプリンクラー設備があれば、区画の例外があります。
令第12条の基準に適合したものが条件です。
別の防火対象物として扱えるのはどんな条件のときか
この記事の中心は、消防用設備等の設置単位です。高架下に長く店舗が並んでいると、全体を一つの防火対象物として見るのか、区切って別々に見るのかで、必要な設備の判断が変わります。運用基準はこう書いています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4 消防用設備等の適用にあたって、次のすべてに適合する場合は、それぞれ別の防火対象物として取り扱うものであること。
続く4つの項のうち、(1)と(2)は条件が具体的に書かれています。まず、桁行方向の通路でつながる場合です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(1)ア 当該通路の幅員が4メ-トル以上であること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(1)イ 高架工作物と高架下建築物との間に高さ80センチメ-トル以上の排煙上有効な空間を設けること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(1)ウ 高架下建築物は主要構造部を耐火構造とし、前アに面する開口部には防火戸を設けること。
(1)イの図には、「梁がある場合、梁の下から」と書き込まれています(ページ画像で確認)。梁があるときは、80センチメートルを梁の下から数える図です。
次に、梁間方向の通路でつながる場合です。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(2)イ 高架下建築物は主要構造部を耐火構造とし、前アに面する開口部には防火戸を設けること。
(2)は、ア(通路の幅員が4メートル以上であること)とイ(耐火構造と防火戸)の2つで、(1)イの
排煙上有効な空間は書かれていません。桁行方向では、高架工作物との間に空間を取る必要があり、梁間方向では取らなくてもよい、という読み方になります。ただし、なぜ違うのかは運用基準に書かれていないので、
この記事では理由を断定しません。
(3)と(4)も別の道として書かれています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(3) 令第8条に規定する区画に適合した高架下建築物
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第4節 第1 高架下建築物 4(4) 防火対象物の接続がその特殊性から前(1)又は(2)に掲げる方法によりがたいもので、火災の延焼拡大の要素が少ないもの又は社会通念上から同一の防火対象物として扱うことに不合理を生ずるものについては、防火対象物ごとに検討するものであること。
(1)から(4)は、並べて書かれているので、
どれか一つに当たれば足りると読めます。ただし、リード文には「次のすべてに適合する場合」とあり、この「すべて」が(1)の中のア・イ・ウを指すのか、(1)から(4)全体を指すのかは、書き方からは判断しにくい部分があります。
実際に別の防火対象物にできるかは、設計の段階で消防署に確認するのが確実です。
(3)の令第8条の区画の構造は、同じ運用基準の第1節 第6にまとめられています。要点を引用します。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第6 1(2) 建基令第107条第1号の通常の火災時の加熱に、2時間以上耐える性能を有すること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第6 1(3) 令8区画の耐火構造の床又は壁の両端又は上端は、当該防火対象物の外壁面又は屋根面から50センチメートル以上突き出していること。
令8区画は「開口部のない」耐火構造の床や壁で区切るものです。高架下の(1)と(2)は、通路に面する開口部に防火戸を付けることが前提なので、
開口部のない区画とは別の考え方で組み立てられていると読めます。
同じ運用基準には、建物どうしを別棟として扱える渡り廊下の条件もあります。比べてみます。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第2 2 ただし、次の(1)~(3)のいずれかに該当する場合は、別棟として取り扱うことができる。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第2 2(1)イ 渡り廊下の有効幅員は、接続される一方又は双方の建築物の主要構造部が木造である場合は3メートル未満、その他の場合は6メートル未満であること。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第2 2(1)ウ 接続される建築物相互間の距離は、1階にあっては6メートル、2階以上の階にあっては10メートルを超えるものであること。
| 項目 | 高架下建築物(第4節 第1 4(1)) | 渡り廊下(第1節 第2 2(1)) |
| 扱い | 別の防火対象物として取り扱う | 別棟として取り扱うことができる |
| つなぐ部分の幅 | 通路の幅員は4m以上 | 渡り廊下の有効幅員は6m未満(木造が絡む場合は3m未満) |
| 建物どうしの条件 | 高架工作物との間に高さ80cm以上の排煙上有効な空間(桁行方向) | 建築物相互間の距離は1階で6m、2階以上で10mを超えること(ただし書きあり) |
| 構造 | 主要構造部を耐火構造・通路に面する開口部は防火戸 | 通行又は運搬の用途のみに供され、可燃物の存置など通行上の支障がない状態 |
どちらも「別々に扱ってよい」ための条件ですが、
条件の組み立てが違います。渡り廊下の幅は「つなぐ廊下の幅」、高架下の通路の幅は「建物どうしの間の幅」を指すので、数字を直接比べることはできません。
地下連絡路などで接続された建築物が別棟になるかは、
地下連絡路で接続された建築物の記事で解説しています。
桁行方向なら、幅4m以上に加えて高さ80cm以上の空間です。
梁があるときは、梁の下から測ります。
高架下の駐車場の面積は堺市や鈴鹿市とどう違うのか
高架下では、柵で囲って駐車場にしている例もよく見かけます。駐車の用に供される部分の床面積は、消火設備の要否を決める基準の一つです。国の令第13条は、次のように定めています。
消防法施行令 第13条 第1項 表(駐車の用に供される部分・一) 当該部分の存する階(屋上部分を含み、駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く。)における当該部分の床面積が、地階又は二階以上の階にあつては二百平方メートル以上、一階にあつては五百平方メートル以上、屋上部分にあつては三百平方メートル以上のもの
高架下の駐車場は壁のない場所が多く、床面積をどう数えるかが問題になります。豊中市の運用基準は、次のように書いています。
豊中市消防局「消防用設備等の設置に関する運用基準」第1部 第2章 第1節 第3 1(2)ウ(エ) 外気に開放された高架工作物(鉄道又は道路等に使用しているもの)下に設けられた駐車場にあって柵、塀等で囲まれた部分又は該当工作物の水平投影面積を床面積に算入すること。
堺市、鈴鹿市、四日市市にも同じ趣旨の項があります。まず堺市です。
堺市消防局「堺市消防同意・消防用設備等審査基準」第4 床面積、階及び高さの取扱い 1(2)エ(エ) 周囲が外気に開放された高架工作物(鉄道又は道路等に使用しているもの)下に設けられた駐車場については、当該工作物の水平投影面積のうち柵、塀等で囲まれた部分を床面積に算入するものであること。
堺市のこの項には、国の通知を参考に定めたことを示す◆が付き、根拠は昭和52年7月8日消防予第130号です。鈴鹿市と四日市市の書き方は、次のとおりです。
鈴鹿市「鈴鹿市消防用設備等に関する審査基準」第2章 第3 建築物の床面積及び階の取り扱い 2⑷エ 高架工作物(高架の鉄道又は道路、跨線橋、跨道橋その他これらに類する高架の工作物内をいう。)の下に設ける政令別表第1に掲げる防火対象物に付随する駐車の用に供する部分は、柵又は塀により囲まれた部分の当該工作物の水平投影面積を床面積として算入する。
四日市市「四日市市消防同意事務審査基準」第1章 消防用設備等設置判定基準 第3 床面積の判定及び階の取扱い 1(2)キ 外気に開放された高架工作物(鉄道又は道路等に使用しているもの)下に設けられ、柵、塀等で囲まれた部分の駐車場等は、水平投影面積で算定する。
4市を表にします。
| 市 | 高架下の駐車場の床面積の書き方 | 条件・補足 |
| 豊中市 | 柵、塀等で囲まれた部分又は当該工作物の水平投影面積 | 外気に開放された高架工作物下の駐車場 |
| 堺市 | 当該工作物の水平投影面積のうち柵、塀等で囲まれた部分 | 周囲が外気に開放されたもの・◆(国の通知を参考) |
| 鈴鹿市 | 柵又は塀により囲まれた部分の当該工作物の水平投影面積 | 政令別表第1の防火対象物に付随する駐車の用に供する部分・高架の鉄道、道路、跨線橋等を明記 |
| 四日市市 | 柵、塀等で囲まれた部分の駐車場等は水平投影面積で算定 | 外気に開放された高架工作物下 |
どの市も、
柵や塀などで囲まれた部分に着目している点は共通です。違いは文の組み立てで、堺市と鈴鹿市は「工作物の水平投影面積のうち、囲まれた部分」と読める書き方です。
豊中市は「柵、塀等で囲まれた部分又は該当工作物の水平投影面積」と書かれており、囲まれた部分の面積を取るのか、工作物の水平投影面積の全体を取るのかが
読み取りにくい文になっています。実際にどう数えるかは、この記事では断定せず、消防署に確認します。
大阪市・東大阪市・八尾市・吹田市の公開PDFでは、高架下の駐車場の床面積の項は見当たりませんでした(東大阪市と堺市の自動火災報知設備の特例は
こちらの記事で解説しています)。
駐車場の面積の数え方は、市で書き方が違うのですね。
柵や塀で囲まれた部分に着目する点は同じですが、
文の読み方が市ごとに少し違います。
よくある質問
Q豊中市の高架下に倉庫を設けるとき、通路は必ず必要ですか?
A運用基準は、両側に道路があれば100m以内ごと、片側なら50m以内ごとに幅3m以上の通路を求めています。この間隔の規定にはただし書きが付いていません。ただし書きがあるのは、幅が30m(片側は15m)を超える部分の内部通路です。
Q高架下の店舗どうしを、別の防火対象物にできますか?
A桁行方向の通路でつなぐなら、通路の幅員4m以上、高架工作物との間に高さ80cm以上の排煙上有効な空間、耐火構造と防火戸の3つが書かれています。実際に当たるかは、設計の段階で消防署に確認してください。
Qスプリンクラー設備を付ければ、防火区画は不要になりますか?
A運用基準の3(1)は、スプリンクラー設備が設けられている場合に区画のただし書きを置いています。スプリンクラー設備は令第12条の基準に適合したものとされており、別の防火対象物にできるかを決める4とは別の項目です。
Q豊中市の運用基準は、すべて法令上の義務ですか?
A運用基準の総則には、法令上義務となる内容と行政指導の内容が含まれているとだけ書かれています。項ごとの区別は読んだ範囲で見当たらないため、適用は管轄の消防署に確認します。
まとめ
✔豊中市の運用基準は、鉄道や道路の高架工作物に店舗・事務所・倉庫を設けた場合を高架下建築物とし、通路・壁・区画・設置単位を定めています
✔通路は、両側に道路があれば100m以内ごと、片側なら50m以内ごとに、幅3m以上で設けます
✔両側に道路がなく横断道路がある場合は、横断道路を結ぶ内部通路を設け、延長が50mを超えるなら幅4m以上です
✔通路に面する壁は耐火構造で開口部には防火戸。防火区画はできるだけ各構えごとで、スプリンクラー設備があれば例外があります
✔別の防火対象物として扱う条件は、桁行方向なら通路の幅員4m以上、高架工作物との間に80cm以上の排煙上有効な空間、耐火構造と防火戸です
✔渡り廊下を別棟とする条件(有効幅員6m未満など)とは、条件の組み立てが違います
✔高架下の駐車場の面積は、堺市・鈴鹿市・四日市市も柵や塀に着目しますが、豊中市の書き方は読み取りにくいため最新の内容は管轄の消防署で確認しましょう
まずどの道路に面しているかを確かめます。
そのうえで消防署に相談します!
通路と区画は設計の段階で決まります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
防火管理はプロにお任せ下さい
まずはWebで無料お見積りを!
お問い合わせ
この記事を書いた人
㈱防災屋Web編集部
元消防士、行政書士、高専卒など
防火管理者には「セルフ選任」と「プロ代行」の2択があることをもっと多くの方々に知ってもらい、世の中の防火管理レベルをもっと上げていきたい。
0にはできない火災リスクとの向き合い方を伝え、救える命を増やし、悲しみの総量を減らしたい。
後悔してからでは遅すぎる火災予防に、Webの力で取り組む㈱防災屋の編集部です。
監修・編集者
青木 俊輔
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
主な活動
参考・出典
※本記事は公表されている法令および豊中市・堺市・鈴鹿市・四日市市・大阪市・東大阪市の公開資料に基づく一般的な解説です。運用基準は改正されることがあるため、最新の内容は管轄の消防署・消防局で確認してください。各資料は2026年10月時点の公開版で確認しています。