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甲種防火管理者の再講習はいつまで?対象者と期限の数え方を解説

防火管理者の講習って、一度受ければずっと有効じゃないんですか?

建物によっては「再講習」が義務になります。しかも期限の数え方が独特なので、順に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 再講習が義務なのは収容人員300人以上の特定用途等の建物に選任された甲種防火管理者
  • 資格を持っているだけでは義務は生じない。「選任されて初めて」義務になる
  • 期限は「講習修了から選任まで4年を超えたか」で振り分ける。4年は期限ではなく判定基準
  • 受講しなくても修了証は失効しないが、防火管理者が選任されていない扱いになる

再講習が必要なのはどんな人か

再講習のアイコン

甲種防火管理者の再講習は、全員に課されるものではありません。対象は消防法施行規則第2条の3第1項が定めており、次の条件をすべて満たす人です。

再講習が義務になる3つの条件
  • 甲種防火管理講習を修了して資格を得た人(講習以外のルートで資格を得た人は対象外)
  • 収容人員300人以上の特定用途等の防火対象物であること(施行令第4条の2の2第1項第1号)
  • その建物の防火管理者として実際に選任されていること
 逆に言えば、資格を持っているだけの人や、300人未満の建物の防火管理者には再講習の義務はありません。 
講習以外のルートで資格を得た人は対象外です。消防職員として管理的・監督的な職に1年以上あった人、防火対象物点検資格者、一級建築士+実務1年以上など、施行規則第2条に定めるルートで資格が認められた人に再講習の義務はありません。詳しくは 防火管理者には誰がなる? をご覧ください。
また、テナント部分に係る防火管理者は除かれます(施行規則第2条の3第1項かっこ書き)。

期限の数え方——「4年」は期限ではない

ここが最も誤解されるポイントです。「4年ごとに再講習」と思われがちですが、4年は期限ではなく、どちらのパターンに当てはまるかを振り分ける基準です。

期限は施行規則ではなく平成16年消防庁告示第2号で定められています。

甲種防火管理者の再講習の期限(4年超なら選任日から1年以内、4年以内なら最初の4月1日から5年以内)|㈱防災屋

パターン 条件 再講習の期限
パターン1 講習を修了してから選任されるまで
4年を超えている
選任された日から1年以内
パターン2 講習を修了してから選任されるまで
4年以内
修了した日以後の
最初の4月1日から5年以内
2回目以降 再講習を受けた後(繰り返し) 直近の再講習修了日以後の
最初の4月1日から5年以内
なぜ「最初の4月1日から」なのか
起算日を年度の始まり(4月1日)に揃えることで、受講管理をしやすくするためです。
例えば2024年10月に講習を修了した場合、起算日は2025年4月1日となり、そこから5年以内、つまり2030年3月31日までが期限になります。

具体例で確認する

step1
パターン1:講習から選任まで4年を超えているケース

2019年10月1日に甲種講習を修了 → 2024年6月1日に選任(約4年8か月後)
選任までに4年を超えているため、選任日から1年以内2025年5月31日までに再講習を受ける必要があります。 昔取った資格で急に防火管理者に指名された場合は、このパターンになりやすく、期限も短いので要注意です。 

step2
パターン2:講習から選任まで4年以内のケース

2020年10月1日に甲種講習を修了 → 2024年6月1日に選任(約3年8か月後)
4年以内なので、修了日以後の最初の4月1日(2021年4月1日)から5年以内2026年3月31日までが期限です。

step3
2回目以降

再講習を修了したら、その修了日以後の最初の4月1日から5年以内に次の再講習を受けます。以降も同じサイクルで繰り返します。

受けなかったらどうなるか

ここも正確に理解しておきたい部分です。

よくある誤解 実際
修了証が失効する 失効しません。法令上「失効」の規定はありません
すぐ罰金になる 直接の罰則はありません。ただし下記の扱いになります
実務上の取り扱い
再講習を受けていない場合、「防火管理者が選任されていないもの」として取り扱われます
つまり建物として防火管理者が未選任の状態とみなされ、消防長・消防署長から選任命令が出される対象になり得ます。命令に違反すると罰則の対象です。

罰則の仕組みは 選任しないと罰則は?拘禁刑・罰金と「命令」の仕組み で詳しく解説しています。

なお、消防法第8条に「解任命令」という制度はありません(第8条第2項は解任したときの届出義務を定めているだけです)。「再講習を受けないと解任される」という説明は正確ではありません。

再講習の内容

再講習はおおむね2時間で、内容は施行規則第2条の3第3項に定められています。

  • おおむね過去5年間における防火管理に関する法令の改正の概要
  • 火災事例等の研究

新規講習(甲種)とは違い、最新の法改正と事例のアップデートが主眼です。実際、この数年でも罰則が「懲役」から「拘禁刑」に変わるなど、法令は動いています。

よくある質問

よくある質問のアイコン

Q. 資格を持っているだけでも再講習は必要ですか?
必要ありません。再講習の義務は、収容人員300人以上の特定用途等の建物に「防火管理者として選任された」場合に生じます。資格の保有だけでは義務は発生しません。
Q. 「4年ごと」ではないのですか?
違います。4年は「講習修了から選任までの期間」を判定する基準です。4年を超えていれば選任日から1年以内、4年以内であれば修了日以後の最初の4月1日から5年以内が期限になります。
Q. 再講習を受けないと資格は失効しますか?
失効しません。ただし「防火管理者が選任されていないもの」として取り扱われるため、建物としては未選任の状態とみなされ、選任命令の対象になり得ます。
Q. 乙種防火管理者にも再講習はありますか?
再講習の規定は甲種防火管理講習について定められています(施行規則第2条の3第1項)。乙種については同様の再講習の定めはありません。
Q. どこで受講できますか?
講習の実施主体・日程・申込方法・受講料は、都道府県知事、消防長、または総務大臣の登録を受けた法人によって実施され、地域によって異なります。所轄消防本部または(一財)日本防火・防災協会等の案内をご確認ください。

まとめ

まとめのアイコン

  • 対象は収容人員300人以上の特定用途等に選任された甲種防火管理者
  • 4年は期限ではなく振り分けの基準。超えていれば選任日から1年以内
  • 4年以内なら修了日以後の最初の4月1日から5年以内
  • 受けなくても修了証は失効しないが、未選任扱いになる
  • 内容は法改正の概要と火災事例、おおむね2時間
受講管理が負担なら ㈱防災屋へ
「誰がいつまでに再講習を受けるのか分からない」「担当者が代わって引き継げていない」——防火管理の体制づくりからご相談いただけます。外部委託という選択肢もあります。

参考・出典

  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第4条の2の2/消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第2条、第2条の3 e-Gov法令検索
  • 総務省消防庁「甲種防火管理再講習について定める件」(平成16年消防庁告示第2号)
  • アイコン素材:Icons8

※本記事は2026年7月時点の法令に基づいています。講習の実施主体・日程・受講料は地域によって異なります。個別の判断は所轄消防署または㈱防災屋までご確認ください。

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