防火管理者を決めたのですが、届出は誰がいつまでに出すのでしょうか。
出すのは管理権原者です。
しかも届出を怠ると、命令を経ずに直接罰則の対象になります。
届出を後回しにしている建物もあると聞きました。
そこが危ないところです。
届出を怠ると、命令を経ずに直接罰則の対象になります。
この記事でまとめて解説します!
- 届け出るのは管理権原者(防火管理者本人ではない)
- 提出先は所轄の消防長または消防署長、期限は「遅滞なく」
- 様式は別記様式第一号の二の二。選任の届出にだけ資格を証する書面を添付する
- 解任したときも届出が必要。届出を怠ると命令なしで直接罰則(30万円以下の罰金又は拘留)
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誰が、いつまでに出すのか
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防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄の消防長または消防署長へ届け出なければなりません(消防法第8条第2項)。
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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届け出る人 | 管理権原者(所有者・事業主など、防火管理について当然行うべき立場の人) ※防火管理者本人ではありません |
| 提出先 | 所轄の消防長または消防署長 消防本部を置かない市町村では市町村長 |
| 期限 | 「遅滞なく」(法令上、日数の定めはありません) |
| 様式 | 防火管理者選任(解任)届出書 (消防法施行規則 別記様式第一号の二の二) |
| 添付書類 | 選任の届出のみ、防火管理者の資格を証する書面 解任の届出には添付の定めがありません |
| 解任したとき | 同じ様式で届出が必要 |
| 根拠 | 消防法第8条第2項、消防法施行規則第3条の2 |
出すのは防火管理者本人ではないのですね。
管理権原者です。
法人なら代表者名で出すので、社内の決裁を先に取っておいてください。
届出までの流れ
建物の用途と収容人員から、選任義務があるかを判定します。特定用途は30人以上、非特定用途は50人以上、自力避難が困難な方の入所施設は10人以上が目安です。
延べ面積で決まります。特定用途は300㎡以上、非特定用途は500㎡以上で甲種が必要です(施行令第3条第1項第2号)。詳しくは 防火管理者には誰がなる? をご覧ください。
資格(講習修了等)だけでなく、その建物で防火管理上必要な業務を適切に遂行できる「管理的又は監督的な地位」にあることが必要です(施行令第3条第1項)。 講習を修了していても、権限のない立場の人は選任できません。
別記様式第一号の二の二に記入し、選任の届出には資格を証する書面(講習修了証など)を添付します(施行規則第3条の2第2項)。写しで足りるかどうかは消防本部により運用が異なります。
窓口・郵送のほか、電子申請に対応している消防本部もあります。提出部数(控えが必要なら2部など)も含め、事前に確認するとスムーズです。
選任届で終わりではありません。防火管理者が消防計画を作成し、別途届け出ます(施行規則第3条)。詳しくは 消防計画の作り方 をご覧ください。
添付書類は修了証だけでよいのでしょうか。
資格を証する書類の写しが要ります。
所轄によって部数が違うので、事前に電話で確認すると二度手間になりません。
記入で迷いやすいポイント
- 届出者は管理権原者——法人なら代表者名を記載します。防火管理者本人の名前を届出者欄に書かないよう注意
- 防火対象物の用途——消防法施行令別表第一の項別で記載します。複合用途の場合は該当項を確認
- 収容人員——用途ごとの算定方法で計算した数値を記載します
- 資格の種別——甲種か乙種か、また講習修了以外のルートの場合はその根拠
- 外部委託の場合——委託契約書の写しの添付を指導されることがあります
講習を受けずに資格が認められるケースの記入例は 【選任届】講習を受けずに防火・防災管理者になる場合は? で解説しています。
用途と収容人員の欄でつまずきそうです。
別表第一の項別で書きます。
先に収容人員を計算してから記入すると迷いません。
電子申請について
近年は電子申請への対応が進んでいます。従来のマイナポータル(ぴったりサービス)での消防関連手続は令和7年3月31日で受付を終了し、e-Gov電子申請へ移行しました。
ただし消防事務は市町村の事務であるため、対応状況は消防本部ごとに異なります。独自システムを使う本部や、電子メールで受け付ける本部もあります。まずは所轄消防署にご確認ください。
電子申請ができるかどうかは、消防本部ごとに違うのですね。
対応はまちまちです。
所轄のホームページで受付方法を確かめてから準備してください。
届出を怠るとどうなるか
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一方で選任・解任の届出を怠った場合は、命令を経ずに直接罰則の対象です。
30万円以下の罰金 又は 拘留(消防法第44条第8号)
つまり「選任はしたけれど届け出ていない」状態が、法律上いちばん直接的にリスクがあります。詳しい仕組みは 選任しないと罰則は?拘禁刑・罰金と「命令」の仕組み で解説しています。
選任していても、届出をしていなければ罰則の対象になるのですね。
そうなります。
選任した日と届出した日を記録に残しておいてください。
よくある質問
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まとめ
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- 届け出るのは管理権原者、提出先は所轄の消防長・消防署長
- 期限は「遅滞なく」(日数の定めはないが放置は不可)
- 様式は別記様式第一号の二の二、選任時のみ資格を証する書面を添付
- 解任時も届出が必要
- 届出の懈怠は命令を経ずに直接罰則(30万円以下の罰金又は拘留)
- 選任届の後は消防計画の作成・届出まで進める
選任と届出はセットだと分かりました。
すっきりしました。
解任のときも同じ届出が要ります。
㈱防災屋でもご相談を承っています。
参考・出典
- 消防法(昭和23年法律第186号)第8条、第44条/消防法施行令(昭和36年政令第37号)第3条/消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条、第3条の2 e-Gov法令検索
- 総務省消防庁「火災予防分野の各種手続における電子申請等の導入について」
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※本記事は2026年7月時点の法令に基づいています。添付書類・提出部数・電子申請の可否などの運用は所轄消防本部によって異なります。個別の判断は所轄消防署または㈱防災屋までご確認ください。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)




