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防災管理新規講習は4時間30分で何を学ぶのか|消防庁が示した講習内容の指針を解説

机の上に閉じたバインダーと白紙が並び、正面に白いスクリーンがある明るい講習会場の写真

防災管理者の講習を受けると、いったい何を教わるのか、気になりませんか。
消防庁は、平成22年12月14日の消防予第545号で、防災管理新規講習の内容の指針を示しました。
講習の時間は、消防法施行規則が、おおむね4時間30分と定めています。
この記事では、通知の中身と、根拠になる条文と、受講の前後に確かめることを解説します。

防災管理者の講習では、実際に何を教わるのですか。
地震などへの備えまで、学ぶのでしょうか。

消防庁の通知は、講習で教える内容を、項目ごとに細かく示しています。
まず、その中身から確かめましょう。

講習の時間の配分も、決まっているのですか。

はい、根拠になる規則の条文は、今も変わっていません。
順に見ていきます。

この記事の結論
  • 消防庁は、平成22年12月14日の消防予第545号で、防災管理新規講習の内容について、3つの講習事項ごとの指針を示しました。
  • 講習の見直しは、受講者の負担軽減のために行われ、防災管理講習は、5時間から4時間30分に改められました。
  • 防災管理新規講習は、規則第51条の7第2項でおおむね4時間30分とされ、通知は、3つの講習事項に1時間30分ずつ配分しています。
  • 指針は、災害事例、共同防災管理、設備の維持管理、訓練、従業員教育までを扱い、地震等を想定した消防計画を作る力を養うことをねらっています。
  • 防災管理再講習は、おおむね2時間で、過去5年間の法令改正と、火災以外の災害事例を学びます。

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防災管理新規講習の内容について、防災管理の意義と制度、設備の維持管理と消防計画、訓練と教育の三つの講習事項に一時間三十分ずつ配分され、合計四時間三十分であることを示す図解

消防庁はなぜ防災管理講習の内容の指針を通知で示したのか

灰色の建物の模型と、赤い印の付いた書類と、壁掛け時計が並ぶイラスト
講習の見直しは、受講者の負担を軽くすることが目的でした。
まず、通知の別紙を引いて確かめます。
消防予第545号「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の運用について(通知)(平成22年12月14日、消防庁予防課長)の別紙1は、改正の趣旨を次のように述べています。
消防法に基づく防火管理講習、消防設備点検資格者講習、防火対象物点検資格者講習、自衛消防業務講習、防災管理講習及び防災管理点検資格者講習について、必要な防火・防災性能を確保することを前提に、受講者の負担軽減の観点から講習内容の効率化を図ることとし、(略)カリキュラム基準の見直しを行うものである。
見直しは、防災の性能を保ちながら、受講者の負担を軽くするために行われました。
防災管理講習は、5時間から4時間30分に改められました。
「防災管理の重要性」「防災管理者の責務」「共同防災管理」は、1つの講習事項に統合されました。
「施設及び設備の維持管理」と「防災管理に係る消防計画」も、統合されています。
施行は、平成23年4月1日です。 同じ通知の本文は、講習内容の指針を示した理由を、次のように述べています。
消防予第545号(平成22年12月14日、消防庁予防課長)は、次のように述べています。
今回のカリキュラム基準の改正に伴い、防火管理講習、防災管理講習及び自衛消防業務講習の内容に関する指針を以下のとおり定めたので、参考とされたいこと。
指針は、講習の種類ごとに、別紙として示されています。
防災管理新規講習は別紙5、防災管理再講習は別紙6です。
この指針の決定に伴い、平成20年9月24日付けの消防予第244号は廃止されました。
講習の実施機関は、この指針を参考に、講習の内容を組み立てます。

講習の内容まで、国が通知で示しているのですね。

はい、以前の通知に替わって、新しい指針が示されました。
次に、時間の配分を見ましょう。

防災管理新規講習の4時間30分はどの講習事項に配られているのか

同じ大きさのオレンジ色の板が3つ並び、右端に時計が置かれたイラスト
時間の総枠は、消防法施行規則が定めています。
まず、その条文を引いて確かめます。
消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第五十一条の七第二項、第四項
防災管理新規講習は、次に掲げる事項に係る知識及び技能の修得を目的として行うものとし、その講習時間はおおむね四時間三十分とする。(各号は略)
防災管理再講習は、次に掲げる事項に係る知識及び技能の修得を目的として行うものとし、その講習時間はおおむね二時間とする。(各号は略)
新規講習の総枠は、おおむね4時間30分と規則が定めています。
規則の第2項は、講習で修得する事項を、5つの号に分けています。
防災管理の意義と制度、構造と設備の維持管理、訓練、教育、消防計画の作成の5つです。
通知は、これを3つの講習事項にまとめ、時間の配分を、次の表で示しています。
講習事項(別紙5)講習時間内容から見て対応する規則の号
第1 防災管理の意義及び制度1時間30分意義及び制度に関すること
第2 施設及び設備の維持管理並びに防災管理に係る消防計画1時間30分構造及び設備の維持管理、消防計画の作成に関すること
第3 防災管理に係る訓練及び教育1時間30分訓練、教育に関すること
合計4時間30分-
再講習は、規則の第4項で、おおむね2時間と定められています。
内容は、過去5年間の法令改正の概要と、災害事例等の研究です。
指針は、その2つを1時間程度ずつ扱うとしています。
甲種防火管理新規講習と併せて行う場合は、規則の第3項で、おおむね12時間です。

つまり、4時間30分を3つに分けて、1時間30分ずつ受けるのですね。

はい、再講習は2時間で、内容も違います。
次に、最初の講習事項を見ましょう。

防災管理の意義と制度の1時間30分では何を教わるのか

二棟の建物が連絡橋でつながれ、赤い印の付いた書類が並ぶイラスト
最初の講習事項は、過去の災害事例が出発点です。
まず、指針の一部を引いて確かめます。
消防予第545号の別紙5「防災管理新規講習の内容に関する指針」第1は、防災管理者の責務について次のように述べています。
防災管理業務実施時において、必要に応じ管理権原者に指示を求めること及び防災管理業務従業者に対し指示を与えることの義務について説明する。
第1の講習事項は、過去の災害事例から、防災管理の要点を導き出すものです。
防災管理者の業務として、消防計画の作成、訓練の実施、地震等の被害の発生防止対策、資機材等の整備が挙げられています。
管理権原者の責任として、防災管理者の選任、共同防災管理の実施、定期点検結果の報告も説明します。
届出では、選任(解任)届出、共同防災管理の協議事項の届出、消防計画の届出、避難訓練の通報が取り上げられます。
法令に違反した場合の罰則も、説明の対象です。
続いて、複数の管理権原がある建物の内容を、次にまとめます。
  • 管理権原が1つの建物とは違う、複数管理権原の建物の問題点を学びます。
  • 異なる管理系統の間で、連絡と協力の体制が必要なことと、共同で行う避難訓練の重要性を理解します。
  • 消防法が定める、共同防災管理の制度の内容が説明されます。
  • 大規模・高層の建物では、防災センターを中心とした管理体制と、自衛消防活動の体制が取り上げられます。
  • 建物全体の消防計画を作るときの留意事項も、説明の対象です。
テナントが複数入る建物では、連絡と訓練の体制づくりが講習の柱です。
自分の建物が複数の管理権原に分かれているなら、この部分が特に効いてきます。
まず、管理権原者の間で、連絡の取り方と訓練の進め方を確かめておきましょう。

複数のテナントが入る建物は、連絡の体制まで学ぶのですね。

はい、指針は、共同防災管理の制度まで説明するとしています。
次に、2つ目の講習事項を見ましょう。

設備の維持管理と消防計画の講習事項では何を教わるのか

壁に金具で固定された棚と、窓ガラスの板と、間取り図を挟んだバインダーが並ぶイラスト
2つ目は、地震などに備えた維持管理と、消防計画の作成です。
まず、消防計画の部分を引いて確かめます。
消防予第545号の別紙5「防災管理新規講習の内容に関する指針」第2は、消防計画の作成について次のように述べています。
地震等の災害の被害の想定に基づき、建物の危険要因を勘案した緊急時の対応のあり方を考えさせるとともに、消防計画の作成能力を養う。
第2の講習事項は、地震等に備えた維持管理と、消防計画の作成を扱います。
維持管理では、建築物の耐震診断、防災管理上必要な構造、家具等の転倒防止措置が説明されます。
日常点検の要点は、次の表のとおり、具体的な例を挙げて説明されます。
点検の対象説明される内容
設備、家具等固定措置
装飾物、ガラス等落下破損防止措置
階段、廊下、通路物品放置や施錠による避難障害の排除
消防計画の作成では、地震等の発生時の建築物や在館者の被害を想定します。
自衛消防活動の内容と、それに対応した自衛消防組織の編成も、基本的な事項です。
家具等の転倒防止対策の実施と点検体制、定期的な従業員への防災教育体制も、取り上げられます。
警備業者等の外部の者に業務を委託する場合の、消防計画の内容も説明の対象です。

つまり、地震などを想定した消防計画を、自分で作れるようになるのですね。

指針は、消防計画の作成能力を養うことを目標にしています。
ただし、実際の作成は、建物ごとに考える必要があります。

訓練と従業員教育の講習事項では何を教わるのか

赤い警報ベルと、三つのモニターの付いた机と、白い板が並ぶイラスト
3つ目は、訓練と教育で、従業員の日常の行動が題材になります。
まず、指針の一部を引いて確かめます。
消防予第545号の別紙5「防災管理新規講習の内容に関する指針」第3は、従業員教育について次のように述べています。
従業員の日常における行動の中で特に留意すべき危険な行為(不用意な物品等の高所積み上げ、通路、階段への避難障害物品の放置等)の具体例を挙げ、従業員に教育する重要事項を理解させる。
第3の講習事項は、訓練のあり方と、自衛消防組織と、従業員教育を扱います。
訓練では、映像等で、地震等の災害時の避難誘導や救出救護活動の要領を説明します。
可能であれば、実技を体験させるとされています。
訓練を定期的に行い、その結果を踏まえて、消防計画の見直しが必要なことも理解させます。
自衛消防組織と防災センターの役割は、必要に応じて説明されます。
受講の前後に確かめる点を、次にまとめます。
  • 防災管理者を置く建物かを確かめ、新規講習か再講習かを決める
  • 受講する講習の案内で、日程と科目を確かめる。地域で追加されている場合がある
  • 科目免除を使う場合は、免除される事項と、免除分の確認方法を主催者に尋ねる
  • 受講後は、3つの講習事項をチェックリストにして、自分の建物の設備、訓練、教育を見直す
  • 見直した結果を、消防計画に反映し、内容が古くなっていないかを確かめる
講習は、防災管理の入口であり、実務は自分の建物ごとに考えます。
消防法第36条第1項は、第8条を準用し、防災管理者に、消防計画の作成や避難の訓練の実施などを行わせるよう求めています。
再講習は、過去5年間の法令改正の概要と、火災以外の災害事例を確かめる機会です。
迷ったときは、講習を主催する機関か、所轄の消防署に確認してください。

明日から、まず何をすればよいですか。

まず、自分の建物に必要な講習を確かめて、講習の案内を読み直しましょう。
そのうえで、消防計画を見直します。

よくある質問

Q防災管理新規講習は、何時間の講習ですか?
A消防法施行規則第51条の7第2項が、おおむね4時間30分と定めています。通知は、3つの講習事項に1時間30分ずつを配分しています。
Q防災管理再講習と、甲種防火管理講習と併せて行う講習の時間は、どれだけですか?
A再講習は、同条第4項で、おおむね2時間です。甲種防火管理新規講習と併せて行う場合は、第3項で、おおむね12時間とされています。
Q講習の内容は、全国どこでもまったく同じですか?
A通知は、示した講習事項が基準であり、地域の実情に応じて必要な事項を追加してよいと述べています。
Q科目免除を受ければ、その分の内容は確認されないのですか?
Aその事項は受講しませんが、通知は、免除分も含めた修了考査や効果測定などで、修得を確認するよう求めています。

まとめ

✔消防庁は、平成22年12月14日の消防予第545号で、防災管理新規講習の内容の指針を示した
✔見直しで、防災管理講習は、5時間から4時間30分に改められた
✔新規講習は、規則第51条の7第2項で、おおむね4時間30分と定められている
✔通知は、4時間30分を、3つの講習事項に1時間30分ずつ配分している
✔指針は、災害事例、共同防災管理、設備の維持管理、訓練、消防計画の作成までを扱う
✔再講習は、おおむね2時間で、過去5年間の法令改正と災害事例を学ぶ
✔まず、講習の案内で日程と科目を確かめ、免除を使う場合は確認方法も尋ねる

防災管理の講習の中身を、受講の前に確かめておきます!

防災管理者の選任や消防計画の相談は、㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防予第545号「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の運用について(通知)(平成22年12月14日 消防庁予防課長)
  • 消防法(昭和23年法律第186号)第8条、第36条 e-Gov法令検索
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第47条 e-Gov法令検索
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第51条の7 e-Gov法令検索

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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