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消防手続きの電子申請はなぜ導入率に差が出るのか|ぴったりサービス終了後の確認方法を解説

消防手続きの電子申請はなぜ導入率に差が出るのか

消防関係の届出や許可申請を、パソコンやスマホから電子申請で済ませていますか。
実は電子申請に対応しているかどうかは、消防本部によって大きく違います。
消防庁は毎年、全国の消防本部の電子申請の導入状況を調査し、結果を公表しています。
この記事では令和6年の調査結果から、導入率の全国的な差と、導入が進まない理由、そして今どの方法で申請すべきかを解説します。

うちの管轄消防本部が電子申請に対応しているかどうか、知りませんでした。

実は消防本部によって導入率にかなりの差があるんです。

え、全国で同じように整備されているものだと思っていました。

いいえ、令和6年の調査では都道府県間で最大75ポイントもの差がありました。

この記事の結論
  • 消防庁は火災予防分野の各種手続における電子申請等の導入状況を毎年調査し、令和6年の結果を公表しました。
  • 全国の消防本部の導入率は令和5年4月の48.2%から令和6年4月には69.4%に上昇しました。
  • 導入率には都道府県間で最大75ポイントの差があり、自分の管轄がどちらに当たるか確認が必要です。
  • 導入が進まない理由はLGWANの未接続や予算措置、専門人材の不足が中心です。
  • マイナポータル「ぴったりサービス」は令和7年3月31日で受付終了し、消防関係の電子申請はe-Govに移行しています。

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消防手続きの電子申請はなぜ導入率に差が出るのかを示す4ステップの概要図解

なぜ全国の消防本部で電子申請の導入状況が毎年調査されるのか

消防本部の建物と右肩上がりのグラフを示すイラスト
火災予防分野の届出や許可申請は、これまで紙での提出が基本でした。
近年は電子申請に切り替える消防本部が急速に増えています。
消防予第313号「火災予防分野における各種手続の電子申請等の導入に関する状況調査の結果等について(通知)」(令和6年6月25日、消防庁予防課長発出)によれば、「火災予防分野における各種手続の電子申請等の導入に関する状況調査の実施について」(令和6年4月8日付け消防予第194号)により実施した調査の結果、電子申請等を導入済みの消防本部は令和5年4月1日時点の348本部(48.2%)から令和6年4月1日時点の500本部(69.4%)に増加しており、令和6年度末の導入率は565本部(78.5%)となる見込みであるとされています。(略)電子申請等を導入していない消防本部については、早期に導入できるように取組を進められたいこと。
電子申請を導入済みの消防本部は、1年間で348本部から500本部まで増えました。
全国720〜722本部のうち、令和6年4月時点ですでに約7割が導入している計算です。
消防庁予防課は毎年この状況を調査し、通知として結果を公表しています。
ここでいう「電子申請等」とは、専用の電子申請システムだけでなく、電子メールでの受付も含む広い意味です。
とはいえ全国平均だけを見ても、自分の管轄がどちら側なのかは分かりません。

1年でそんなに増えたんですね。
うちの管轄はどうなんでしょう。

都道府県別のデータを見ると、かなりの差があることが分かります。

自分の管轄消防本部は電子申請にどれくらい対応しているのか

地図のピンと高さの異なる棒グラフを示すイラスト
全国平均が69.4%だからといって、どの消防本部も同じ水準というわけではありません。
都道府県ごとに見ると、導入率には大きな開きがあります。
同通知の別添「都道府県ごとの電子申請等の導入状況について(令和6年4月1日時点)」によれば、導入済み率が最も高いのは奈良県・鳥取県の100.0%で、最も低いのは福島県の25.0%でした。ほかにも山梨県・高知県・鹿児島県が40.0%と低い水準にとどまっています。
導入率が最も高い都道府県と最も低い都道府県では、およそ75ポイントの差があります。
奈良県・鳥取県のように管内の消防本部数が少なく全て導入済みの県もあれば、福島県のように12本部のうち導入済みが3本部にとどまる県もあります。
つまり都道府県の傾向だけでなく、自分の管轄消防本部が実際にどうなのかを個別に確認する必要があります。
確認する方法は、管轄消防本部のホームページで「電子申請」「オンライン届出」といった案内を探すか、電話で予防課に直接問い合わせるのが確実です。
対応状況が分かったところで、次はそもそも電子申請にどんな方法があるのかを見ていきます。

75ポイントも違うんですか。
うちの県がどちらなのか確認しないと。

はい、まずは管轄消防本部のホームページを確認してみてください。

電子申請にはどんな方法があるのか

封筒とフォーム画面が表示されたパソコンを示すイラスト
「電子申請」と聞くと専用システムを思い浮かべますが、実際にはもっと幅の広い方法が認められています。
同通知によれば、電子申請等の導入方法については、マイナポータル「ぴったりサービス」の活用以外にも、各自治体で独自に構築している電子申請システムや電子メール等の方法があるため、LGWANの接続が課題となっている消防本部においては、まずは電子メールでの受付体制を速やかに構築されたいこととされています。大半の消防本部は都道府県ノードを通じてLGWANと接続することが想定されています。
情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成14年法律第151号)第6条第1項
申請等のうち当該申請等に関する他の法令の規定において書面等により行うことその他のその方法が規定されているものについては、当該法令の規定にかかわらず、主務省令で定めるところにより、主務省令で定める電子情報処理組織を使用する方法により行うことができる。
電子申請には、専用システム・電子メール・マイナポータル経由の3つの方法があります。
法律上も、書面での提出が定められている手続を電子的な方法に代えることが認められています。
LGWANという行政専用の通信網に未接続の消防本部でも、電子メールでの受付なら比較的早く始められます。
つまり「電子申請に対応していない」と言われても、実際には電子メールでの提出を受け付けている場合があります。
管轄消防本部に確認するときは、専用システムの有無だけでなくメール受付の可否も聞いてみるとよいでしょう。

電子申請システムが無くても、メールで受け付けてもらえることがあるんですね。

はい。
それでも導入が進まない消防本部には別の課題を抱えているところもあります。

なぜ導入が進まない消防本部があるのか

切れたケーブルとコインの山を示すイラスト
メールでの受付という選択肢があるのに、それでも導入時期が未定の消防本部が全国に130本部あります。
その理由を見てみましょう。
同通知の別添によれば、導入時期が「未定」と回答した130本部を対象に課題を尋ねたところ(複数選択可)、「LGWAN回線に未接続であること」が70本部、「予算措置の目処がたたないこと」が64本部、「電子申請等について専門性のある人材がいないこと」が59本部、「利用ニーズが見込めず、申請件数が少ないため、費用対効果が得られにくいこと」が52本部、その他が25本部という結果でした。
最も多い理由は、LGWANという行政専用通信網に未接続であることでした。
次に多いのは予算措置の目処が立たないこと、続いて専門性のある人材の不在です。
特に小規模な消防本部では、申請件数自体が少なく費用対効果が見えにくいという事情もあります。
これらは消防本部側の内部事情であり、施設側からすぐに解決できる話ではありません。
だからこそ、まず自分の管轄がどの状況にあるのかを知っておくことが、無駄な手間を防ぐ第一歩になります。

予算や人材の問題なら、こちらから急かすわけにもいきませんね。

そのとおりです。
だからこそ今の申請方法を正しく知ることが大切です。

明日から自分は何を確認すればよいのか

禁止マークの付いたカレンダーと上向きの矢印が付いた雲を示すイラスト
ここまでの内容を踏まえ、明日から確認できることを整理します。
特に注意したいのは、申請方法そのものが最近切り替わったという点です。
「マイナポータル(ぴったりサービス)に登録されている消防関連手続の受付終了及び今後のe-Gov電子申請の導入等に係る留意点について」(令和7年3月27日付け事務連絡、消防庁予防課・危険物保安室・特殊災害室)によれば、ぴったりサービスの消防関連手続は令和7年3月31日をもって受付が停止され、消防本部等の手続画面についても同年9月30日をもって公開終了となり削除されるとされています。e-Gov電子申請への移行は消防庁における登録手続が必要であり、消防本部等が任意のタイミングで導入できるわけではないことも示されています。
  • 管轄消防本部のホームページで電子申請・オンライン届出の案内があるか確認する
  • 専用システムが無い場合は、電子メールでの受付が可能かどうかを問い合わせる
  • これまでマイナポータル「ぴったりサービス」を使っていた場合は、e-Gov電子申請への切り替えが済んでいるか確認する
  • e-Govが未導入の管轄では、当面は従来どおり紙またはメールでの提出になることを踏まえて準備する
確認すべきことは、対応の有無と申請方法の切り替わりの2点に整理できます。
管轄消防本部が電子申請に対応していても、その方法が専用システムかメールかで手順は変わります。
以前ぴったりサービスを使っていた施設は、e-Govへの移行が済んでいるかを一度確認しておきましょう。
分からないときは、遠慮せず所轄消防署の予防課に電話で聞くのが一番早い方法です。
毎年状況が更新されていくため、今回の内容も来年には変わっている可能性があることを念頭に置いておきましょう。

まずは管轄消防本部のホームページを確認するところから始めます。

それが確実です。
分からない点があれば所轄消防署にもご確認ください。

よくある質問

Q全国の消防本部はすべて電子申請に対応していますか?
Aいいえ。令和6年4月1日時点で69.4%(500本部)が導入済みですが、都道府県によって100.0%から25.0%まで大きな差があります。管轄消防本部に個別の確認が必要です。
Q電子申請システムが無い消防本部では、電子申請自体できませんか?
Aできる場合があります。消防庁の通知では電子メールでの受付も電子申請等の一種として扱われており、LGWAN未接続の消防本部にはメール受付から始めるよう求められています。
Q導入が進まない一番の理由は何ですか?
A導入時期が未定の130本部のうち最も多かった理由はLGWAN回線への未接続(70本部)で、次いで予算措置(64本部)、専門人材の不在(59本部)でした。
Qぴったりサービスは今も使えますか?
A使えません。消防関連手続の受付は令和7年3月31日で終了し、以降はe-Gov電子申請に移行しています。以前ぴったりサービスを利用していた方は切り替えを確認してください。

まとめ

✔消防庁は火災予防分野の電子申請等の導入状況を毎年調査し、令和6年の結果を公表した
✔全国の導入率は48.2%から69.4%に上昇し、令和6年度末には78.5%となる見込み
✔都道府県別では奈良県・鳥取県の100.0%から福島県の25.0%まで開きがある
✔電子申請等には専用システムだけでなく電子メールでの受付も含まれる
✔導入が進まない理由はLGWAN未接続・予算措置・専門人材不足が中心
✔マイナポータル「ぴったりサービス」は令和7年3月31日で受付終了し、e-Govに移行済み
✔明日からの確認は、管轄消防本部の対応状況と申請方法の切り替わりという2点に整理できる

今日さっそく管轄消防本部のホームページを確認してみます!

手続きの切り替えから日々の届出まで、㈱防災屋でもご相談を承っております。

防火管理はプロにお任せ下さい

まずはWebで無料お見積りを!

お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 火災予防分野における各種手続の電子申請等の導入に関する状況調査の結果等について(通知)(令和6年6月25日 消防予第313号 消防庁予防課長)
  • 火災予防分野における各種手続の電子申請等の導入に関する状況調査の実施について(令和6年4月8日付け消防予第194号)
  • 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成14年法律第151号)第6条
  • マイナポータル(ぴったりサービス)に登録されている消防関連手続の受付終了及び今後のe-Gov電子申請の導入等に係る留意点について(令和7年3月27日付け事務連絡 消防庁予防課・危険物保安室・特殊災害室)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。電子申請の導入状況は消防本部ごとに異なり、随時更新されます。個別の対応状況は所轄消防署にご確認ください。

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