福祉避難所を指定避難所として公表すると、受け入れを想定していない人まで集まってしまうのではないか。
そうした懸念から、福祉避難所の確保が進まないという指摘がありました。
そこで国は府令を改め、福祉避難所は受け入れる被災者等を特定して公示できることにしました。
通知と条文で、公示事項の違いと経過措置を確かめます。
福祉避難所は、ふつうの避難所と何が違うのですか。
通知は、公示のしかたを一般と福祉で分けたと説明しています。
分けると、どんな良いことがあるのですか。
福祉避難所は受け入れる人を特定して公示できます。
順番に見ていきましょう。
- 従来は、一般避難所と福祉避難所の区別が公示で明確ではありませんでした。改正府令は、その公示事項を規則で明確にしました。
- 令第20条の6第1号から第4号までに適合する指定一般避難所は、名称・所在地その他市町村長が必要と認める事項を公示します。
- 第1号から第5号までに適合する指定福祉避難所は、受け入れる被災者等を特定する場合にはその旨も公示します。
- 施行の際に指定されていた一般避難所は、公示されているものとみなす経過措置があります。
- 福祉避難所は公示が必要で、通知は受入対象者や避難支援等関係者に周知されるよう速やかな公示を求めています。
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目次
福祉避難所はなぜ、一般の避難所と分けて公示されるようになったのか

指定避難所は、これまで一般避難所と福祉避難所を区別せずに公示されてきました。
通知は、その背景を次のように示しています。
従来の公示では、一般避難所と福祉避難所が区別されていませんでした。
通知は、令第20条の6第1号から第4号までの基準のみに適合する一般避難所と、第1号から第5号までに適合する福祉避難所の区別はなされていなかったと説明しています。
福祉避難所が指定避難所として公表されると、受入れを想定していない被災者が避難し、福祉避難所としての対応に支障が生ずる懸念があります。
こうした懸念などから、指定避難所としての福祉避難所の確保が進まないとの指摘があったとされています。
高齢者等SWGの最終とりまとめは、福祉避難所ごとに受入対象者を特定して指定の際に公示する制度を創設することが適当としました。
これを踏まえ、改正府令が指定避難所の公示事項を規則で明確にし、指定福祉避難所等の指定を促進するとされています。
公示を分けたのは、福祉避難所を増やすためなのですか。
通知は、指定福祉避難所等の指定を促進すると説明しています。
受入対象者を特定できる制度が柱です。
指定一般避難所を指定したとき、市町村長はなにを公示するのか

一般避難所の公示事項は、規則第1条の7の2第1項が定めています。
条文と通知を続けて確認します。
指定一般避難所では、名称と所在地などを公示します。
市町村長は、法第49条の7第2項で準用する法第49条の4第3項により、指定避難所を指定したときは都道府県知事に通知するとともに公示しなければなりません。
規則第1条の7の2第1項は、令第20条の6第1号から第4号までに適合し、第5号の基準に適合しないものを指定一般避難所と呼んでいます。
公示するのは、その名称及び所在地その他市町村長が必要と認める事項です。
なお、通知は、この公示事項の明確化を、規則で定めたものと説明しています。
一般避難所について、受け入れる人を特定する旨は、この第1項の公示事項には出てきません。
一般避難所の公示は、これまでと変わったのですか。
通知は、公示事項を規則で明確化したと説明しています。
経過措置は、あとの見出しで確認します。
指定福祉避難所では、受け入れる人の特定を公示できるのか

福祉避難所の公示事項は、規則第1条の7の2第2項が定めています。
基準の条文とあわせて確認します。
指定福祉避難所では、受け入れる被災者等を特定する場合にその旨を公示します。
令第20条の6第1号から第5号までに適合する指定避難所を、規則は指定福祉避難所と呼んでいます。
公示するのは、名称、所在地、受け入れる被災者等を特定する場合にはその旨、そのほか市町村長が必要と認める事項です。
通知が紹介する制度の狙いは、受入対象者とその家族のみが避難する施設であることを明確化できるようにすることです。
条文の文言は「特定する場合には」であり、特定を必須とする書き方にはなっていません。
個別の施設でどう公示されているかは、市町村の公示でご確認ください。
福祉避難所は、必ず受け入れる人を特定するのですか。
条文は、特定する場合にはその旨を公示するという書き方です。
個別の公示は、市町村にご確認ください。
すでに指定されている避難所は、公示をやり直す必要があるのか

改正府令の施行の際にすでに指定されていた避難所について、通知は次のように示しています。
一般避難所の公示は、経過措置で「されているもの」とみなされます。
改正府令の施行の際に、令第20条の6第1号から第4号までの基準に適合する避難所として指定されていたものは、市町村の事務負担等を勘案し、指定一般避難所として公示されているものとみなす経過措置が附則に設けられています。
改正府令は、改正法と同日の令和3年5月20日に施行されています。
福祉避難所は、公示が必要になります。
第1号から第5号までに適合する、いわゆる福祉避難所は、今般の改正を踏まえて公示が必要になるとされています。
通知は、指定福祉避難所の受入対象者や避難支援等関係者に適切に周知されるよう、速やかな公示を市町村に求めています。
うちの施設は福祉避難所ですが、公示は済んでいるのでしょうか。
一般避難所は、経過措置でみなし公示の扱いです。
福祉避難所は公示が必要ですので、市町村にご確認ください。
明日から何を確認しておけばよいのか

自分の施設が避難所として指定されている、または指定される見込みなら、次の点を市町村に確かめます。
管理者として、次の点を市町村に確かめます。
施設が指定一般避難所なのか、令第20条の6第5号の基準まで含めた指定福祉避難所なのかを確認します。
公示された名称と所在地が、施設の実際の表記と合っているかを確かめます。
福祉避難所なら、受け入れる被災者等を特定する旨が公示されているかを、市町村に尋ねます。
福祉避難所の公示がまだなら、通知が求める速やかな公示の予定を確かめます。
受入対象者や避難支援等関係者に、どのように周知されるのかも、あわせて確認します。
個別の判断は、市町村の担当部署にご確認ください。
まず何から確かめればよいのですか。
一般か福祉かの位置付けと、公示の内容を確認します。
よくある質問もあわせてご確認ください。
よくある質問
まとめ
一般か福祉かの位置付けを、まず確かめてみます!
それが一番の備えになります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 災害対策基本法等の一部を改正する法律による改正後の災害対策基本法等の運用について(令和3年5月10日 府政防第601号・消防災第60号)
- 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の4、第49条の7
- 災害対策基本法施行令(昭和37年政令第288号)第20条の6
- 災害対策基本法施行規則(昭和37年総理府令第52号)第1条の7の2、災害対策基本法施行規則の一部を改正する内閣府令(令和3年内閣府令第30号)附則第2項
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





