ホームセンターやネット通販で、容器に入ったままのガソリンが売られているのを見かけることがあります。
実はこの容器入りガソリンにも、詰め替えとは別に消防庁が求める確認事項があります。
令和2年3月、消防庁は店舗だけでなく通信販売の事業者にも協力を呼びかける通知を出しました。
通知が求める確認の中身と、詰め替えの規制との違いを解説します。
うちの店でも容器に入ったガソリン缶を仕入れて売っています。
これも詰め替えと同じように本人確認が必要なのでしょうか。
詰め替えとは別に、令和2年の通知が協力を求めています。
まずは通知の中身を確認しましょう。
通信販売でも同じように扱えばよいのでしょうか。
通信販売も対象に含まれています。
順番に見ていきましょう。
- 消防庁は令和2年3月11日の消防危第60号で、容器入りのままで販売されるガソリン等の適切な使用の確保等について通知しました。
- 対象は最大容積が500ミリリットルを超える容器に入った状態で、店舗または通信販売により販売されるガソリン等です。
- 合計10リットル以上を購入しようとする顧客には、本人確認・使用目的の確認・記録の保存への協力が求められます。
- 詰め替え時の本人確認義務とは異なり、この通知は消防組織法第37条に基づく協力要請であり、罰則を伴う義務ではありません。
- 顧客の言動に不審な点がある場合は、警察署へ通報することも求められています。
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目次
容器入りのガソリンはなぜ本人確認が求められるようになったのか

ガソリンの詰め替えといえば、ガソリンスタンドで容器に入れてもらう場面を思い浮かべる方が多いはずです。
ところがホームセンターや通販サイトでも、あらかじめ容器に入った状態のガソリンが売られています。
消防法令には、ガソリンスタンドで容器に詰め替えるときの本人確認義務がすでに定められていました。
ところが、あらかじめ容器に入った状態で店頭や通販サイトから販売されるガソリン等には、この義務が及びません。
本人確認なしに不特定多数が購入できる抜け道が残っていたため、消防庁は令和2年3月11日付けの消防危第60号で、販売時の協力要請という形で対応しました。
まずはどんな容器や販売方法が対象になるのかを見ていきます。
うちは詰め替えをしていないので関係ないと思っていました。
販売する側にも協力が求められています。
次は対象になる範囲を確認しましょう。
どんな容器と販売方法が対象になるのか

対象になるのは、一定の大きさを超える容器に入ったガソリン等です。
通知の本文で範囲を確認します。
容器の最大容積が500ミリリットル以下のもの、たとえば携帯用の小さな燃料缶は対象から除かれています。
対象になるのはそれを超える大きさの容器で、店舗だけでなく、インターネット等を利用した通信販売で不特定多数に販売する場合も含まれます。
消防機関は、管内でこうした事業者を立入検査等の機会を捉えて把握することとされています。
次は、把握した事業者に何を求めているのかを見ていきます。
小さいポリタンクなら対象外なんですね。
容積で線引きされています。
次は求められる協力の中身を見ましょう。
事業者にはどんな協力が求められるのか

対象の事業者に求められるのは、本人確認と記録の保存です。
通知の本文を確認します。
合計10リットル以上を購入しようとする顧客には、氏名や住所といった本人確認と、使用目的の確認、そして記録の保存への協力が求められます。
氏名や住所、使用目的をはっきり拒否するなど不審な言動があれば、警察署への通報も対応の一つとされています。
この協力は通信販売にも同じように及び、配送先の確認だけで済ませることはできません。
次は、すでにある詰め替えの規制とどこが違うのかを整理します。
通販だから確認しなくていいと思っていました。
通信販売も同じ扱いです。
次は詰め替えとの違いを見ていきます。
詰め替えの規制とはどこが違うのか

容器入りガソリンへの協力要請は、詰め替え時の義務とは性格が異なります。
条文と通知を見比べます。
規則第39条の3の2は、ガソリンを容器に詰め替えるときの本人確認等を法令上の義務として定めています。
一方、容器入りガソリンへの対応は消防組織法第37条に基づく助言、つまり協力要請にとどまり、これ自体に罰則はありません。
ただし対象には通信販売も含まれており、義務ではないからと省略してよい話ではありません。
次は、販売事業者が実際に何から確認すればよいのかをまとめます。
義務ではないなら後回しでもいいのかと思っていました。
協力要請でも対応は欠かせません。
最後に確認の手順をまとめます。
販売事業者は何から確認すればよいのか

最後に、実際の確認の流れを順番に整理します。
これも通知の本文がもとになっています。
自社が扱う容器の最大容積が500ミリリットルを超えるか、店舗と通信販売のどちらでも本人確認の体制があるかを確認します。
合計10リットル以上を買おうとする顧客には、氏名・住所・使用目的の確認と記録の保存を行います。
言動に不審な点があれば警察署へ通報する体制も整えておきます。
立入検査等の機会に消防機関から問い合わせを受けることもあるため、日頃から対応の記録を残しておくことが欠かせません。
まずは容器の大きさを確認してみます。
記録の保存まで含めて整えましょう。
よくある質問
まとめ
容器の大きさから確認してみます!
不審な購入への対応も見直します。
記録の保存方法まで一緒に確認しましょう。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「容器入りのままで販売されるガソリン等の適切な使用の確保等について」(令和2年3月11日消防危第60号)
- 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第39条の3の2
- 消防組織法(昭和22年法律第226号)第37条
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





