自衛消防業務講習は、自衛消防組織の統括管理者や要員になるために欠かせない講習です。
ところがすべての受講者が同じ12時間をまるごと受けるわけではありません。
すでに甲種防火管理講習と防災管理講習の両方を修了していれば、講習科目の一部が免除される仕組みがあるからです。
この記事では平成22年の通知が定めた免除の条件と申し込み前の確認手順を解説します
自衛消防業務講習ってどの講習を受けても同じ12時間を最初からやり直すんですよね。
正直まとまった時間を取るのが大変です。
実は甲種防火管理講習と防災管理講習の両方を修了していると科目が免除されます。
平成22年の通知でその範囲が決まりました。
うちの防火管理者は甲種防火管理講習だけ修了しています。
それでも免除の対象になりますか。
甲種防火管理講習だけでは対象になりません。
対象になる条件を順番に見ていきましょう。
- 自衛消防業務講習の科目免除は平成22年12月14日消防予第544号の通知で定められました
- 免除の対象は甲種防火管理新規講習と防災管理新規講習の両方を修了している者です
- 免除されるのは自衛消防業務新規講習のうち3科目・7時間分です
- 甲種防火管理講習だけ、防災管理講習だけでは免除の対象になりません
- 免除対象者も修了考査などで知識の修得を確認されることがあります
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目次
自衛消防業務講習の科目免除はなぜ導入されたのか

実はその中身は国の規制改革をきっかけに見直されています。
当時、公益法人が担っていた各種講習のあり方を見直す事業仕分けが行われ、消防法にもとづく6つの講習すべてが対象になりました。
柱の一つが、他の講習をすでに修了している人の科目免除を大幅に広げるという発想です。
自衛消防組織の統括管理者や要員になるための自衛消防業務講習も、この考え方にもとづいて見直されました。
背景を知っておくと、免除がなぜあるのかが腑に落ちやすくなります。
事業仕分けって予算の話だと思っていましたが、講習の中身にも関係あったんですね。
はい講習の時間や科目の基準そのものが見直しの対象でした。
次はどんな人が対象になるかを見ていきましょう。
どんな人が自衛消防業務講習の科目免除を受けられるのか

2つの講習をどちらも修了していることが条件です。
- 甲種防火管理新規講習の課程及び防災管理新規講習の課程を、それぞれ修了している者
- 甲種防火管理新規講習及び防災管理新規講習を併せて実施する講習の課程を修了している者
建物の防火管理者であると同時に防災管理者にもなっている人であれば、条件を満たしている可能性が高くなります。
逆に、どちらか一方しか修了していなければ、この免除の対象にはなりません。
うちの管理権原者は甲種防火管理講習と防災管理講習の両方を修了しています。
それなら対象になりますね。
はいその条件なら対象になります。
次は実際に免除される科目を確認しましょう。
免除されるのはどの科目でどれだけ短くなるのか

自衛消防業務新規講習は本来おおむね12時間の講習です。
- 防火管理及び防災管理の意義及び制度(3時間)
- 自衛消防組織並びにその統括管理者及びその要員の役割と責任(3時間)
- 防災設備等に関する知識(1時間)
- 防災設備等の取扱い並びに自衛消防組織の統括管理者及び要員の災害対応に係る総合訓練(5時間)
残るのは防災設備等の取扱い並びに自衛消防組織の統括管理者及び要員の災害対応に係る総合訓練(5時間)だけです。
つまりおおむね12時間の講習が、条件を満たせば実技中心の総合訓練5時間だけで済むということです。
座学の科目がまとめて免除される分、受講者の負担は大きく軽くなります。
7時間も免除されるなら、講習にかかる時間がだいぶ変わりますね。
はい残るのは実技中心の総合訓練5時間だけです。
次は見落としやすい注意点を確認しましょう。
免除を当てにするとき見落としやすいのはどこか

ここを取り違えると、当日になって免除されないと分かって困ることになります。
通知が定める対象者は、甲種防火管理新規講習と防災管理新規講習の両方(またはこれらを併せて実施する講習)を修了している者に限られています。
また免除される科目についても、修了考査や効果測定では免除された科目の内容まで確認されることがあります。
科目を受けていないからといって、修了考査の範囲から外れるとは限りません。
免除の規定はあくまで「免除することができる」という書き方であり、必ず免除されると決まっているわけでもありません。
甲種防火管理講習だけ修了していれば免除されると思っていました。
両方じゃないとだめなんですね。
はい防災管理講習もあわせて修了している必要があります。
申し込み前に修了証をそろえて確認しておきましょう。
申し込む前になにを確認すればよいのか

順番を決めておくと迷わずに済みます。
免除の運用は法令そのものではなく、登録講習機関ごとの実施基準や案内に委ねられている部分があります。
まず手元にある甲種防火管理講習と防災管理講習の修了証をそれぞれ確認し、両方がそろっているかを見ます。
次に申し込み先の実施機関が出している募集案内で、免除の申請方法や必要書類を確認します。
修了証を先に集め、案内を読んでから申し込む順番にすると、当日になって慌てずに済みます。
防災管理講習の修了証はどこにしまったか忘れてしまいました。
先に探しておいたほうがよさそうですね。
はい申し込む前に両方の修了証を確かめておくと安心です。
あとは募集案内を見ながら手続きを進めましょう。
よくある質問
まとめ
自衛消防業務講習の免除の条件がよく分かりました。
まずは両方の修了証を確認するところから始めます!
それが確実な進め方です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号 消防庁次長)
- 「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の運用について(平成22年12月14日 消防庁予防課長)
- 消防法施行規則第4条の2の14(自衛消防組織の業務に関する講習)
- 消防法施行規則第2条の3(防火管理に関する講習)・第51条の7(防災管理に関する講習)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





