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消防設備点検資格者講習の科目免除は誰が使えるのか|甲種防火管理講習等の既修者に認められる2時間の範囲を解説

消防設備点検資格者講習に認められる2時間の科目免除

消防設備点検資格者講習は、消防設備士でなくても消防用設備等の点検ができるようになる講習です。
ところが同じ内容を最初から全部受けるわけではありません。
すでに別の講習を修了していれば、講習科目の一部が免除される仕組みがあるからです。
この記事では平成22年の通知が定めた免除の範囲と申し込み前の確認手順を解説します

点検資格者講習ってどの講習を受けても同じ内容を最初からやり直すんですよね。
正直ちょっと気が重いです。

実は他の講習を修了していると科目が免除される仕組みがあります。
平成22年の通知でその範囲が決まりました。

うちのスタッフは自衛消防業務講習を受けたことがあります。
それでも免除の対象になりますか。

対象になります。
対象者は通知にはっきり書かれているので順番に見ていきましょう。

この記事の結論
  • 消防設備点検資格者講習の科目免除は平成22年12月14日消防予第544号の通知で定められました
  • 免除の対象は甲種防火管理講習・防火対象物点検資格者講習・自衛消防業務講習という3つの講習の修了者です
  • 免除されるのは特種の講習科目のうち「消防法規」と「火災予防概論」の2科目です
  • 免除は講習まるごとではなく科目単位で行われます
  • 免除対象者も修了考査などで知識の修得を確認されることがあります

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消防設備点検資格者講習の科目免除のしくみを示す図解

なぜ消防設備点検資格者講習に科目免除が導入されたのか

公益法人改革を受けて消防設備点検資格者講習のカリキュラムが見直されたことを示すイラスト
消防設備点検資格者講習は、誰でも一から受けられる講習だと思われがちです。
実はその中身は国の規制改革をきっかけに見直されています。
「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号 消防庁次長)|今回の改正は、本年5月に行われた公益法人事業仕分けにより、消防法に基づく講習(防火管理講習、消防設備点検資格者講習、防火対象物点検資格者講習、自衛消防業務講習、防災管理講習及び防災管理点検資格者講習)について、「講習料等の引下げなどの見直しを行う」旨の評価結果が示されたことを踏まえ、必要な防火・防災性能を確保することを前提としながら、受講者の負担軽減の観点から講習内容の効率化を図ることとし、講習事項及び講習科目並びに講習時間の基準の見直し、講習事項及び講習科目の一部免除の拡大等を行うものです。
国の規制改革が講習の中身を変えました。
平成22年当時、公益法人が担っていた事業のあり方を見直す事業仕分けが行われ、消防法にもとづく各種講習も対象になりました。
防火管理講習や消防設備点検資格者講習など6つの講習すべてが、受講者の負担を減らす方向で講習時間・講習科目を見直されることになったのです。
その柱の一つが、他の講習をすでに修了している人の科目免除を大幅に広げるという発想でした。
消防設備点検資格者講習もこの改正の対象に含まれています。

事業仕分けって講習の中身にまで関係あったんですね。
てっきり予算の話だけかと思っていました。

講習の時間や科目の基準そのものが見直しの対象でした。
次はどの講習の修了者が免除の対象になるかを見ていきましょう。

どの講習の修了者が免除の対象になるのか

甲種防火管理講習防火対象物点検資格者講習自衛消防業務講習の修了者が対象になることを示すイラスト
対象者は通知の別紙に具体的な講習名で並んでいます。
3つのルートのどれか一つに当てはまれば対象です。
「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号)別紙1|消防設備点検資格者講習 甲種防火管理講習、防火対象物点検資格者講習又は自衛消防業務講習の既修者について、重複する講習科目(2時間)を免除する。
対象になるのは3つの講習のどれかを修了した人です。
本文にはより詳しく、対象者として次の者を追加したことが書かれています。
  • 甲種防火管理講習の課程を修了している者
  • 防火対象物点検資格者講習の課程を修了し、免状の交付を受けている者
  • 自衛消防業務講習の課程を修了している者
建物の防火管理者や、すでに自衛消防組織の統括管理者になっている人であれば、いずれかに当てはまっている可能性が高いです。
逆にどの講習も受けたことがなければ、免除なしで最初から受けることになります。

うちの防火管理者は甲種防火管理講習を修了しています。
それなら対象になりますね。

その通りです3つのうちどれか一つで対象になります。
次は実際に免除される科目を確認しましょう。

免除されるのはどの科目でどれだけ短くなるのか

講習科目のうち消防法規と火災予防概論の2科目が免除されることを示すイラスト
免除は講習全体ではなく科目単位で決まっています。
外れるのはあらかじめ指定された2つの科目だけです。
「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号)|消防設備点検資格者講習について、特種の講習科目のうち、「消防法規」及び「火災予防概論」を免除できる者として次の者を追加したこと(消防設備点検資格者講習基準第4第1号関係)。
免除されるのは特種の講習科目のうち2科目ぶんです。
名前のとおり「消防法規」と「火災予防概論」で、いずれも座学で法令や制度の基礎を学ぶ科目にあたります。
実技や設備ごとの点検要領にあたる科目は免除の対象に含まれていません。
つまり免除を受けても、点検の実技や技術的な科目は通常どおり受講する必要があります。
科目免除は受講時間を短くする制度であって、講習そのものを不要にする制度ではありません。

免除って言うから講習自体が要らなくなるのかと思いました。
そうじゃないんですね。

免除されるのは法令の基礎を学ぶ座学の2科目だけです。
実技の科目は変わらず受講してもらう形になります。

免除を当てにするとき見落としやすいのはどこか

科目免除が確定ではなく実施機関の案内で確認する必要があることを示すイラスト
免除があるからといって、その科目の知識が不要になるわけではありません。
通知には見落としやすい注意点が明記されています。
「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の運用について(平成22年12月14日 消防庁予防課長)|今回の改正では、他講習既修者に対する科目免除を大幅に拡大しているところであるが、科目免除対象者に対しては、一般受講者と同様、免除科目分に係る内容も含めた修了考査、効果測定等を実施するなどの方法により、講習既修者に求められる知識及び技能の修得が確実に行われていることを確認いただきたいこと。
免除されても知識まで問われなくなるわけではありません。
通知は、免除された科目の内容も含めて、修了考査や効果測定で知識と技能の修得を確認するよう実施機関に求めています。
科目を受けていないからといって、修了考査の範囲まで外れるとは限らないということです。
また免除の規定はあくまで「免除することができる」という書き方であり、必ず免除されると決まっているわけではありません。
実際に免除が適用されるかどうかは、申し込み先の実施機関の案内で確認する必要があります。

免除された科目は考査にも出ないと思っていました。
甘くなかったんですね。

免除は受講時間を短くするだけで知識までは免除されません。
申し込み先の案内を必ず確認しておきましょう。

申し込む前になにを確認すればよいのか

申し込み前に修了証と実施機関の案内を確認する手順を示すイラスト
免除を使うかどうかは、申し込みの前に確認しておくほうが確実です。
順番を決めておくと迷わずに済みます。
消防法施行規則第31条の7(登録講習機関)|第31条の6第7項の規定による消防庁長官の登録は、同項の講習を行おうとする法人の申請により行う。
消防設備点検資格者講習は消防庁長官の登録を受けた法人(登録講習機関)が実施する講習です。
免除の運用は法令そのものではなく、登録講習機関ごとの実施基準や案内に委ねられている部分があります。
まず手元にある修了証や免状の種類を確認し、3つのルートのどれかに当てはまるかを見ます。
次に申し込み先の登録講習機関が出している募集案内で、免除の申請方法や必要書類を確認します。
修了証を先に集め、案内を読んでから申し込む順番にすると、当日になって慌てずに済みます。

修了証はどこにしまったか忘れてしまいました。
先に探しておいたほうがよさそうですね。

はい申し込む前に手元の修了証を確かめておくと安心です。
あとは募集案内を見ながら手続きを進めましょう。

よくある質問

Q消防設備点検資格者講習の科目免除はどの通知で定められましたか?
A平成22年12月14日付け消防予第544号「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布についてという通知で、公益法人事業仕分けを踏まえた講習の効率化の一環として定められました。
Qどの講習を修了していれば科目免除の対象になりますか?
A甲種防火管理講習、防火対象物点検資格者講習、自衛消防業務講習のいずれかを修了していれば対象になります。3つのうちどれか一つで足ります。
Q免除されるとその科目はまったく学ばなくてよいのですか?
A受講時間は短くなりますが、通知は免除科目の内容も含めて修了考査で知識の修得を確認するよう求めています。学ばなくてよいという意味ではありません。
Q申し込む前に何をしておけばよいですか?
A手元の修了証や免状の種類を確認したうえで、申し込み先の登録講習機関が出している募集案内で免除の申請方法と必要書類を確かめておくと安心です。

まとめ

✔消防設備点検資格者講習の科目免除は平成22年12月14日消防予第544号の通知で定められました
✔背景には公益法人事業仕分けを受けた講習全体の効率化がありました
✔対象は甲種防火管理講習・防火対象物点検資格者講習・自衛消防業務講習のいずれかの修了者です
✔免除されるのは特種の講習科目のうち「消防法規」と「火災予防概論」の2科目です
✔実技科目は免除されず、受講時間を短くするだけの制度です
✔免除科目の内容も修了考査で確認されることがあります
✔申し込む前に修了証の確認と実施機関の案内の確認を済ませておきましょう

免除の仕組みがよく分かりました。
まずはスタッフの修了証を集めるところから始めます!

それが確実な進め方です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の公布について(平成22年12月14日 消防予第544号 消防庁次長)
  • 「消防法施行規則の一部を改正する省令」等の運用について(平成22年12月14日 消防庁予防課長)
  • 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
  • 消防法施行規則第31条の7(登録講習機関)
  • 消防法施行規則第2条の3(甲種防火管理新規講習)・第4条の2の4(防火対象物点検資格者)・第4条の2の14(自衛消防業務講習)

※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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