自家発電設備というと燃料タンクや始動方式ばかりが注目されがちです。
告示にはもう一段、充電部の保護や制御装置そのものの基準も定められています。
負荷回路の自動切離しや出力の監視方法も、実は同じ条文の中にあります。
この記事では自家発電設備の安全構造に関する基準を項目ごとに解説します。
うちの自家発電設備はキュービクル式ではなく開放型です。
充電部がむき出しなのですが問題ないのでしょうか。
はい充電部と駆動部の保護は形式を問わず必要です。
今日は保護から制御装置まで五つの視点で見ていきましょう。
負荷回路の自動切離しや電圧計の設置も基準にあるのですね。
はい五つの視点で順番に確認します。
まずは充電部の保護から見ていきます。
- 自家発電設備の充電部・駆動部の保護基準は消防法施行規則第12条第1項第4号ロと自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二・一(一)にあります。
- 停電時は負荷回路を自動的に切り離すことが原則です。
- 発電出力は電圧計及び電流計で監視し、定格負荷における連続運転可能時間以上出力できることが必要です。
- ねじり振動や騒音・振動・熱及びガスへの処理措置も条文で明示されています。
- 制御装置は鋼板等の材料と手動停止装置を備え、電力を常時供給する形式は非常電源用燃料への自動切替が必要です。
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目次
自家発電設備はなぜ外部から触れる充電部まで保護基準があるのか

だからこそ触れて危険な部分は、あらかじめ保護しておく必要があります。
条文が挙げているのは「外部から容易に人が触れるおそれのある」部分です。
点検や操作の際に手が届く位置にある端子やベルト、回転軸などが対象になります。
保護の方法はカバーや柵など、安全上支障がなければ形式を問いません。
開放型のように外箱が無い設備ほど、この保護の有無が重要な確認点になります。
うちの発電機は外箱が無いタイプです。
充電部や駆動部はどう保護すればよいのでしょうか。
はいカバーや柵で人が触れない措置をしてください。
次は停電時の負荷回路の切離しを見ていきましょう。
停電したらなぜ負荷回路を自動的に切り離す必要があるのか

自家発電設備の容量を守るためにも、回路の切離しが条文で定められています。
自家発電設備は一般の商用電源に比べて出力に限りがあります。
切り離す対象は自家発電設備に係る負荷回路以外の回路です。
ただし、常用の電源回路そのものが自動切離しの機能を持っていれば、重ねて切り離す必要はありません。
分電盤の結線図で、非常回路と一般回路がどう分かれているかを確認しておくと点検が早くなります。
停電すると全部の回路に電気が流れてしまうものだと思っていました。
いいえ自動切離しで必要な回路だけに絞ります。
次は出力の監視と運転時間の基準です。
発電出力の監視と連続運転時間はどう定められているのか

出力の状態を常に見える形にしておくことも基準の一つです。
電圧計と電流計は、発電出力を数値で確認できるようにするための機器です。
表示だけでなく、実際に正常な範囲の値を示しているかまで見る必要があります。
連続運転可能時間は、定格負荷をかけた状態でその時間以上出力できることが条件です。
点検票にある燃料消費量と連続運転可能時間の表示を照らし合わせると、実際の運転可能時間を確認しやすくなります。
電圧計と電流計は付いていれば足りるのでしょうか。
いいえ正常値を示しているかまで確認してください。
次はねじり振動と騒音などの処理です。
ねじり振動と騒音・振動・熱及びガスの処理はなぜ求められるのか

振動や排出物を放置すると、周辺の建物や設備に影響が及びます。
発電機は回転速度が上がるほど、意図しないねじり振動が起きやすくなります。
条文はJISの算出方法に準じて、有害な影響を及ぼすおそれのある振動を発生させないことを求めています。
あわせて、運転により生じる騒音・振動・熱及びガスを適切に処理する措置も必要です。
防振ゴムの劣化や消音器の詰まりは、この基準から外れる典型的な原因になります。
振動や騒音まで基準で決まっているとは知りませんでした。
はいねじり振動と騒音などの処理も条文にあります。
最後は制御装置と燃料の自動切替です。
制御装置と非常電源用燃料の自動切替は何を満たせばよいのか

ここまでの基準を満たしていても、制御装置と燃料供給が甘ければ意味がありません。
筐体は鋼板、またはこれと同等以上の強度を持つ材料でなければなりません。
自動での運転に加えて、手動で原動機を停止させる装置も必ず備える必要があります。
電力を常時供給する形式の設備は、燃料の供給が断たれた瞬間に非常電源用の燃料へ自動的に切り替わる仕組みが上乗せされます。
ガス燃料で安定供給の方法(一(十三)ロ)を満たしている場合は、この切替の規定は適用されません。
制御盤は自動で動けば十分だと思っていました。
いいえ手動停止装置も忘れずに備えてください。
燃料の自動切替も電力常時供給型では必須です。
よくある質問
まとめ
保護から制御装置まで順番に確認します!
安全構造の基準は形式を問わず適用されます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第12条第1項第4号ロ
- 自家発電設備の基準(昭和48年消防庁告示第1号)第二 一(一)(四)(五)(六)(七)(八)(十八)・二
- 工業標準化法(昭和24年法律第185号)第17条第1項
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





