消火器や感知器などの検定対象の機器は、型式承認のときに型式番号が付与されます。
消防庁は平成30年7月25日の消防予第470号で、その番号の書き方を示しました。
平成31年1月1日の受付分から、種別の略称記号・西暦年・一連番号を並べた形で表記されます。
この記事では、型式番号の並びの意味と読むときに見落としやすい点を、消防庁の通知をもとに解説します。
消火器の型式番号を確認するように言われたのですが、並んでいる文字や数字の意味が分かりません。
どう読めばよいのでしょうか。
消防庁の通知が、番号の並べ方を示しています。
先頭の略称記号が、機器の種別を表します。
数字の部分にも意味があるのですか。
はい。
型式承認の年を表す西暦年と、年ごとの一連番号が入ります。
- 消防庁は消防予第470号(平成30年7月25日)で、検定対象機械器具等の型式番号の表記を示しました。
- 新しい表記は平成31年1月1日の受付から適用され、既に型式承認を受けている型式の番号は変更しないとされています。
- 様式第4号による申請の型式番号は、A第B~C号の形で、種別の略称記号・型式承認時の西暦年・年ごとの一連番号を並べます。
- 様式第5号による申請では、末尾に当該型式ごとの一連番号Dが付き、A第B~C~D号の形になります。
- 略称記号は13の種別に定められ、住宅用防災警報器は「住警」、自動車用の消火器は「消」に丸囲みの「自」とされています。
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目次
型式番号はどんな手続きで付けられ通知は何を決めたのか

型式番号は、このうち型式承認のときに付与される番号です。
この節において「型式承認」とは、検定対象機械器具等の型式に係る形状等が総務省令で定める検定対象機械器具等に係る技術上の規格に適合している旨の承認をいう。
この節において「型式適合検定」とは、検定対象機械器具等の形状等が型式承認を受けた検定対象機械器具等の型式に係る形状等に適合しているかどうかについて総務省令で定める方法により行う検定をいう。
消防法第21条の4第2項に基づく型式承認の際に付与される型式番号は、平成31年1月1日受付時より下記のとおり表記することとしましたのでお知らせします。
なお、既に型式承認を受けている型式の型式番号は変更しないことを申し添えます。
型式承認は、総務大臣が、型式に係る形状等が技術上の規格に適合しているかを審査して行います。
承認したときは、申請した者へ通知するとともに公示されます(消防法第21条の4第2項・第3項)。
一方、型式適合検定に合格した機器には、型式承認を受けた型式であることなどを示す合格の表示が付されます(同法第21条の9第1項)。
通知は、この型式承認の際に付与される番号の表記を示したもので、通知の中に理由までは書かれていません。
型式番号は、機器1台ごとの番号ではないのですね。
はい。
型式ごとに付与される番号です。
どの消防用機械器具の型式番号が対象になるのか

何が検定対象機械器具等に当たるかは、消防法施行令が定めています。
法第21条の2第1項の政令で定める消防の用に供する機械器具等は、次に掲げるもの(略)とする。
消火器/消火器用消火薬剤(二酸化炭素を除く。)/泡消火薬剤(略)/火災報知設備の感知器(略)又は発信機/中継器(略)/受信機(略)/住宅用防災警報器/閉鎖型スプリンクラーヘッド/流水検知装置(略)/一斉開放弁(略)/金属製避難はしご/緩降機
令第37条は12の号で掲げ、感知器と発信機は同じ号に入っています。
通知の表は感知器と発信機を分けているため、略称記号は13の種別に付けられています。
消火器なら「消」、住宅用防災警報器なら「住警」といった略称です。
次の表は、通知の略称記号の表を写したものです。
| 種別 | 略称記号 |
|---|---|
| 消火器 | 消 |
| 消火器用消火薬剤 | 薬 |
| 泡消火薬剤 | 泡 |
| 感知器 | 感 |
| 発信機 | 発 |
| 中継器 | 中 |
| 受信機 | 受 |
| 住宅用防災警報器 | 住警 |
| 閉鎖型スプリンクラーヘッド | ス |
| 流水検知装置 | 流 |
| 一斉開放弁 | 開 |
| 金属製避難はしご | は |
| 緩降機 | 降 |
うちの建物にある機器は、どれが対象になりますか。
消火器や感知器、受信機、金属製避難はしごなどが含まれます。
まず自分の建物の機器が、表のどの種別に当たるかを見てください。
型式番号のA第B~C号はどう読めばよいのか

通知は、様式ごとに型式番号の並びを示しています。
法第21条の4第1項の規定による型式承認の申請は、別記様式第4号(型式承認を受けている型式と重要でない部分が異なる型式を有する検定対象機械器具等についての型式承認の申請にあつては、別記様式第5号)による申請書によつてしなければならない。
型式番号 A第B~C号
Aは種別の略称記号とし、Bは型式承認時の西暦年数字とし、Cは各種別における西暦年毎の一連番号とする。
Aは、先ほどの表にある種別の略称記号です。
Bは、型式承認時の西暦年を表す数字です。
Cは、各種別における西暦年ごとの一連番号です。
たとえば、消火器で西暦2020年に承認された12番目の型式なら、「消第2020~12号」という並びになります。
これは読み方を示すための仮の例で、実在の型式番号ではありません。
| 記号 | 通知が示す意味 |
|---|---|
| A | 種別の略称記号 |
| B | 型式承認時の西暦年数字 |
| C | 各種別における西暦年毎の一連番号 |
つまり、番号を見れば種別と承認の年が分かるのですね。
はい。
一連番号は、その種別のその年の中での通し番号です。
型式番号を読むときに見落としやすい点はどこか

特に見落としやすい点を、順に確認します。
型式番号 A第B~C~D号
A、B及びCは、既に型式承認を受けている型式に付与されている型式番号の、それぞれ、種別の略称記号、暦年数字及び各種別における暦年毎の一連番号とし、Dは当該型式毎の一連番号とする。
※消火器(自動車用)の場合は、「消」に丸囲みの「自」とする。
第1に、様式第5号による申請では、元の型式の番号に末尾のDが加わります。
これは、承認を受けている型式と重要でない部分が異なる型式についての申請です。
第2に、既に型式承認を受けている型式の型式番号は変更しないとされているため、機器によって並びが異なる場合があります。
第3に、住宅用防災警報器の略称記号は「住警」の2文字で、自動車用の消火器は「消」に丸囲みの「自」を添えた形です。
第4に、Bの西暦年は型式承認時の年で、通知は製造年とは書いていません。
古い機器の型式番号が、この並びと違って見えるのはなぜでしょうか。
既に型式承認を受けている型式の番号は、変更しないとされているためです。
新しい並びは、平成31年1月1日の受付分からが対象です。
明日から型式番号をどう確かめればよいのか

点検や購入のときに、番号の並びを確かめる習慣を付けておくと迷いません。
総務大臣は、(略)既に型式承認を受けた検定対象機械器具等の型式に係る形状等が当該変更後の同項に規定する技術上の規格に適合しないと認めるときは、当該型式承認の効力を失わせ、又は一定の期間が経過した後に当該型式承認の効力が失われることとするものとする。
総務大臣は、前項の規定により、型式承認の効力を失わせたとき、又は一定の期間が経過した後に当該型式承認の効力が失われることとしたときは、その旨を公示するとともに、当該型式承認を受けた者に通知しなければならない。
型式承認の効力が失われたときは、型式ごとに公示されます。
失効した型式の消火器を見分ける方法は、次の記事でも解説しています。
次の5点を、自分の建物の機器に当てはめて確認してみてください。
- 型式番号の先頭にある略称記号で、機器の種別を確かめる
- 西暦年は型式承認の年であって、製造年ではないことを踏まえて読む
- 「~」で区切られた数が2つか3つかを見て、末尾のDがある変更型式かを確かめる
- 並びに当てはまらない番号は、既存の型式の可能性があるので、購入元や点検業者に確かめる
- 点検の記録や購入の記録には、型式番号をそのまま書き写して残す
自分の建物の消火器の型式番号を、点検の記録と見比べてみます。
お願いします。
型式承認が失効したかを調べるときも、型式番号が手がかりになります。
よくある質問
まとめ
型式番号の並びを、点検の記録と見比べてみます!
消火器や感知器の点検も、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 「検定対象機械器具等における型式番号の表記について」(平成30年7月25日 消防予第470号 消防庁予防課長通知)
- 消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2・第21条の4・第21条の5・第21条の9、消防法施行令(昭和36年政令第37号)第37条、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第37条 e-Gov法令検索
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





