特殊消防用設備等は、総務大臣の認定を受けてはじめて使える特別な設備等です。
認定後に設備や設置維持計画を変えようとするときは、原則として総務大臣の承認を受けなければなりません。
ただし総務省令で定める軽微な変更に限り、承認の代わりに消防長又は消防署長への届出だけで済む一方、この届出を怠ると過料という罰則が科される仕組みになっています。
どんな仕組みになっているのか、条文で確認していきます。
うちの建物も特殊消防用設備等を使っているので、変更のたびに気になります。
変更には総務大臣の承認が原則必要ですが、軽微な変更は別扱いです。
消防法第17条の2の3という条文を見ていきましょう。
承認と届出はどう違うんですか。
はい、届出を怠ると5万円以下の過料が関わってきます。
どんな仕組みか、順番に確認していきます。
- 特殊消防用設備等は、消防法第17条第3項の規定により総務大臣が認定する設備等である
- 認定を受けた設備等又は設備等設置維持計画を変更しようとするときは、原則として総務大臣の承認を受けなければなりません(消防法第17条の2の3第2項)
- ただし総務省令で定める軽微な変更に限り、承認は不要になる(同項ただし書)
- 軽微な変更をしたときは、総務省令で定めるところにより消防長又は消防署長へ届け出なければなりません(同条第4項)
- この届出を怠った者は5万円以下の過料に処せられる(消防法第46条の5)
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目次
なぜ軽微な変更でも届出が必要なのか

まず、変更のときに何が求められるのかを確認します。
特殊消防用設備等は消防法第17条第3項の認定に基づいて初めて使える設備なので、勝手に変えることはできません。
ただし書により総務省令で定める軽微な変更は例外ですが、これは「何もしなくてよい」という意味ではありません。
次は、この例外が具体的に何を求めているのかを確認します。
軽微な変更なら何もしなくていいんですか。
いいえ、承認の代わりに別の義務が課されます。
次でその中身を見ていきます。
5万円以下の過料の対象になる届出とは何か

まず条文がまとめている範囲を確認します。
特例認定を受けた防火対象物の管理権原者変更届出(第8条の2の3第5項)と、自主表示対象機械器具等の製造・輸入業者の届出(第21条の16の4)は、それぞれ別の記事で扱っています。
本記事が扱うのは特殊消防用設備等の認定を受けた者が負う、軽微な変更の届出(第17条の2の3第4項)だけです。
次は、この届出の中身そのものを確認します。
届出の種類がそんなに分かれているとは知りませんでした。
はい、対象者も届出先の場面も別々です。
ここからは特殊消防用設備等の届出だけに絞って見ていきます。
軽微な変更かどうかはどう判断すればよいか

条文がこの場面に何を求めているかを確認します。
どこまでが軽微な変更に当たるかという具体的な線引きは総務省令に委ねられていますが、個々の変更ごとに事情が異なるため、自己判断だけで決めないことが大切です。
判断に迷う変更が出てきたときは、所轄消防署へ事前に相談するのが確実です。
次は、この判断を誤った場合に何が起こるのかを確認します。
軽微かどうか自分では判断できなさそうです。
はい、迷ったら所轄消防署に確認するのが確実です。
判断を誤ったときのリスクを次で見ていきます。
承認が必要な変更を怠るとどうなるのか

過料の対象になる条文の範囲を、もう一度よく見てみます。
だからといって、承認が必要な変更を無断で行ってよいわけではありません。
承認を受けずに設備や計画を変えれば、設備等設置維持計画に従つて設置され、又は維持されていないと判断される可能性があり、第17条の2の3第1項第2号により認定の効力そのものを失わせることができます。
つまり、軽微な届出を怠れば過料で済みますが、承認が必要な変更を無断で行えば、特殊消防用設備等を使う資格そのものを失うという、より重い結果に向かいます。
過料で済むならまだ軽いということですか。
はい、認定を失うほうがはるかに重い結果です。
確認するときの手順を次で整理します。
届出を怠らないために何を確認すればよいか

落ち着いて次の順で確認します。
- 変更内容が承認が必要な変更か、軽微な変更かを事前に判断する
- 軽微な変更に当たる場合は、消防長又は消防署長へ速やかに届け出る
- 承認が必要な変更に当たる場合は、変更前に総務大臣の承認を得る
- 判断に迷う場合は、着手前に所轄消防署へ確認する
軽微な変更に当たると判断した場合でも、届出を後回しにしないようにします。
承認が必要な変更だと分かった場合は、変更前に手続きを済ませておきます。
今の設備を見直すきっかけになりそうです。
はい、設備等設置維持計画の写しを取り出して確認してみてください。
最後によくある質問をまとめます。
よくある質問
まとめ
過料で済むか認定を失うかがこんなに違うとは知りませんでした。
早速設備等設置維持計画を確認してみます!
消防法第17条の2の3は変更の手続きを分ける重要な条文です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法第17条・第17条の2の3
- 消防法第45条・第46条の5
- e-Gov法令検索(デジタル庁)
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。軽微な変更に当たるかどうかの判断は個別の事情によって異なります。具体的な判断は所轄消防署にご確認ください。





