建築基準法にもとづく条例に違反したら、罰金になるのかどうか、気になる人は多いのではないでしょうか。
条例で定める制限には、第107条に根拠があります。
今回は建築基準法第107条を中心に、条例に50万円以下の罰金を設けられる規定と、その対象になる条文をあわせて解説します。
建築基準法にもとづく条例には、罰則を置けるのですか。
第107条に、50万円以下の罰金を定める旨の規定を条例に設けられると書かれています。
この記事では、その中身を確認します。
どんな条例でも、罰金を設けられるのですか。
第107条は、対象になる条文を列挙しています。
順番に見ていきましょう。
- 第107条は、列挙した規定に基づく条例に、違反した者への50万円以下の罰金の規定を設けることができると定めています。
- 第39条第2項と第40条は、災害危険区域や気候風土に関する条例の根拠です。
- 第43条第3項と第43条の2は、敷地と道路の関係に制限を付加する条例の根拠です。
- 第49条・第49条の2・第50条は、用途地域などの地区に関する条例の根拠です。
- 第68条の2第1項と第68条の9は、地区計画等や準景観地区などの区域の条例の根拠です。
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目次
建築基準法第107条は条例にどんな罰金を設けられると定めているのか

条文の言い方は「設けることができる」なので、罰金は条例に規定を置いたときに生じるものだと読めます。
括弧書きには、第87条第2項や第88条第2項で準用する場合も含まれています。
対象は、第39条第2項、第40条、第43条第3項、第43条の2、第49条第1項、第49条の2、第50条、第68条の2第1項、第68条の9第1項と第2項の10か所です。
その罰金の額は、条例ごとに決まるのですか。
第107条は、50万円以下と書いています。
個々の条例の内容は、条文には書かれていません。
災害危険区域と気候風土の条例に違反すると罰金の対象になるのか

(建築基準法第四十条)地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。
第1項は、地方公共団体が、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定できると定めています。
第40条は、地方公共団体が、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定だけでは目的を十分に達し難いと認める場合に、敷地、構造又は建築設備に関して制限を附加する条例を定められるとしています。
災害危険区域の条例の中身も、第107条に書かれているのですか。
第107条には、50万円以下の罰金を設けられることだけが書かれています。
制限の中身は、各地の条例で確認します。
敷地と道路の関係を付加する条例に違反すると罰金の対象になるのか

(建築基準法第四十三条の二)地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル(前条第三項各号のいずれかに該当する建築物で同項の条例によりその敷地が道路に接する部分の長さの制限が付加されているものにあつては、当該長さ)以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。
対象には、特殊建築物、階数が3以上の建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が1000平方メートルを超える建築物、袋路状道路にのみ接する一定の建築物などが挙げられています。
第43条の2は、第42条第3項の規定で水平距離が指定された道路にのみ接する建築物について、敷地、構造、建築設備又は用途の制限を付加する条例を定められるとしています。
どちらも、条例に違反した者に50万円以下の罰金を設けられる規定の対象に挙がっています。
道路に面している建物なら、条例の制限は関係ないのですか。
条文は、条例が付加できる制限を書いています。
自分の建物にどの制限が当たるかは、建築の窓口で確かめましょう。
用途地域や特別用途地区などの条例に違反すると罰金の対象になるのか

(建築基準法第四十九条の二)特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、当該特定用途制限地域に関する都市計画に即し、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で定める。
(建築基準法第五十条)用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、都市再生特別地区、居住環境向上用途誘導地区又は特定用途誘導地区内における建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限で当該地域又は地区の指定の目的のために必要なものは、地方公共団体の条例で定める。
第49条の2は、特定用途制限地域内の建築物の用途の制限を、都市計画に即し、政令で定める基準に従い、条例で定めるとしています。
第50条は、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域などの区域内の建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限で、地域又は地区の指定の目的のために必要なものを、条例で定めるとしています。
これらの条例も、第107条の50万円以下の罰金を設けられる規定の対象に挙がっています。
地区の名前が違えば、条例も別々に確かめるのですか。
第49条、第49条の2、第50条は別の条文です。
建物のある地区に、どの条例が当たるかを確認しましょう。
地区計画等の区域や準景観地区の条例に違反すると罰金の対象になるのか

(建築基準法第六十八条の九第一項)第六条第一項第三号の規定に基づき、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。
(建築基準法第六十八条の九第二項)景観法第七十四条第一項の準景観地区内においては、市町村は、良好な景観の保全を図るため必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物の高さ、壁面の位置その他の建築物の構造又は敷地に関して必要な制限を定めることができる。
第68条の9第1項は、第6条第1項第3号の規定に基づき都道府県知事が指定する区域内で、建築物の敷地や構造に関する制限を条例で定められるとしています。
第68条の9第2項は、景観法第74条第1項の準景観地区内で、良好な景観の保全のため、建築物の高さや壁面の位置などの制限を条例で定められるとしています。
ここまでの内容を、条文ごとに整理します。
分けて読むと、混乱しにくくなります。
| 条文 | 条例で定められるもの | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 第39条第2項・第40条 | 災害危険区域内の建築の制限、気候風土などに応じた制限の付加 | 災害や地域の特性に関する条例です |
| 第43条第3項・第43条の2 | 敷地と道路の関係に関する制限の付加 | 道路との関係に関する条例です |
| 第49条第1項・第49条の2・第50条 | 特別用途地区、特定用途制限地域、用途地域などの区域内の制限 | 地域や地区の指定の目的に関する条例です |
| 第68条の2第1項 | 地区計画等の区域内の建築物の制限 | 市町村の条例です |
| 第68条の9第1項・第2項 | 指定区域や準景観地区内の建築物の制限 | 都道府県知事の指定区域や準景観地区の条例です |
この規定は、防火管理者の義務を直接決めるものではありません。
また、個々の条例が実際に罰金を定めているか、どの行為が違反に当たるかは、第107条の条文には書かれていません。
建物のある地域の条例を調べるときは、建築基準法の条例にも罰金の規定があり得ることを頭に入れておくと安心です。
明日から、次の点を確認してください。
- 建物のある場所が災害危険区域などに指定されているかを、建築の窓口で確かめる。
- 敷地と道路の関係について、条例の付加があるかを、建築の窓口へ確かめる。
- 用途地域や特別用途地区など、建物のある地区の条例を、建築の窓口で確かめる。
- 地区計画等の区域内かどうかと、市町村の条例の有無を確かめる。
- 消防法令の罰則は別の規定なので、所轄消防署へ確かめる。
整理はできました。
現場では、何から確かめればよいですか。
まず、建物のある地域の条例の有無を建築の窓口で確認しましょう。
消防法令の罰則は、所轄消防署に別に確かめます。
よくある質問
まとめ
条例にも罰金を設けられることがよく分かりました。
まず、地域の条例を確認します!
建築の罰則と消防の罰則は別なので、両方を確かめておくと安心です。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法第三十九条・第四十条・第四十三条・第四十三条の二・第四十九条・第四十九条の二・第五十条・第六十八条の二・第六十八条の九・第百七条(e-Gov法令検索)
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。罰則の適用は事案ごとに確認が必要な場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





