特定防災街区整備地区に指定された敷地が防災都市計画施設に面していると、耐火建築物等の基準に加えて間口率と高さの最低限度という上乗せの基準がかかることがあります。
都市計画図で指定の有無までは確認できても、実際の間口率や高さをどう計算すればよいのかは条文を読むだけでは分かりにくいところです。
計算方法を誤ると、指定区域の建て替え計画そのものをやり直すことにもなりかねません。
この記事では、建築基準法施行令第136条の2の4が定める間口率と高さの算定方法を、条文に沿って具体的に解説します。
うちの敷地は防災都市計画施設に接していて、間口率と高さの最低限度が指定されていると聞きました。
実際どうやって計算すればいいんでしょうか。
計算方法は建築基準法施行令第136条の2の4という規定が定めています。
まずは間口率の測り方から確認しましょう。
初めて聞く言葉です。
間口率って、そもそもどんな割合を指すんでしょうか。
敷地が施設に接する長さに対する、建物が施設に面する長さの割合です。
まずは条文の定義から確認しましょう。
- 建築基準法施行令第136条の2の4は、法第67条第6項が定める防災都市計画施設に係る間口率の算定方法を、2つの長さの測り方として定めています。
- 分子となるのは建築物が防災都市計画施設に面する部分の長さです。
- 分母となるのは敷地が防災都市計画施設に接する部分の長さで、この割合が都市計画で定めた最低限度以上であることが求められます。
- 建物の高さは、施設に面する方向の鉛直投影の各部分について、施設と敷地の境界線からの高さで算定します。
- ただし間口率の最低限度を超える部分は高さの算定から除かれ、それ以外の部分は空隙のない壁など防火上有効な構造にする必要があります。
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目次
防災都市計画施設に面する敷地になぜ間口率の基準がかかるのか

この区域の中でも、敷地が防災都市計画施設に接している場合には、さらに上乗せの基準がかかります。
都市計画でこの間口率と高さの最低限度が定められた区域では、その割合と高さがともに最低限度以上でなければなりません。
つまり、敷地の一部が施設に接しているだけでは足りず、建物側にも一定の割合で施設に面する構えが求められるということです。
ではこの割合と高さは、具体的にどこからどこまでの長さを測って計算するのでしょうか。
その算定方法を定めているのが建築基準法施行令第136条の2の4です。
敷地の一部が施設に接しているだけでは、足りないんですね。
建物側の条件もあるとは知りませんでした。
はい、分子と分母それぞれの長さの測り方が条文で決まっています。
次に具体的に見ていきましょう。
施行令第136条の2の4はどんな長さを間口率の基礎にしているのか

まずは施行令が定める測り方そのものを確認します。
分母は、敷地そのものの水平投影のうち施設に接する長さです。
どちらも建物や敷地を真上から見た形(水平投影)で測るのが特徴で、屋根の出や庇の形は基準になりません。
この2つの長さの割合が、都市計画で定めた間口率の最低限度以上であることが求められます。
真上から見た形で測るんですね。
では高さのほうはどこを基準に測るんでしょうか。
境界線からの高さを基準にします。
次は高さの算定方法を見ていきましょう。
建物の高さはどこを起点にどう算定するのか

その算定方法も同じ条文の第2項に定められています。
つまり基準となる地面は、敷地の中の一点ではなく、防災都市計画施設と敷地の境界線そのものです。
建物に高低差や後退がある場合は、その部分ごとに境界線からの高さを個別に見ていくことになります。
ただしこの条文にはかっこ書きで、間口率の最低限度を超える部分は高さの算定から除くという重要な例外が書かれています。
間口率の最低限度を超える部分は、高さの算定から除かれる。
これはどういう意味でしょうか。
実務でとても見落としやすいところです。
次の章で詳しく説明します。
高さの最低限度に届かない部分はどう扱われるのか

条文には、この場合の代わりの対応が定められています。
さらに、その部分が間口率の最低限度を超えるぶんに当たる場合は、そもそも高さの算定対象からも除かれます。
つまり間口率で基準以上の実績を作っておけば、その超過分に対応する高さは低いままでも、壁を工夫するだけで済むことがあるということです。
この関係を理解していないと、必要以上に高い建物を計画してしまう可能性があります。
間口率で基準以上に稼いでおけば、
その分の高さは低いままでもいいんですね。
そのとおりです。
ただし空隙のない壁という条件は必ず満たす必要があります。
間口率と高さの計画で明日から何を確認すればよいのか

建築と消防、両方の視点で見ることが大切です。
- 都市計画図で、間口率と高さの最低限度が指定されているかを確認する
- 敷地の水平投影のうち施設に接する部分の長さを測り、分母を確定する
- 建物の外壁またはこれに代わる柱の面で囲まれた部分の水平投影のうち、施設に面する長さを測り、間口率を計算する
- 建物の各部分について、施設と敷地の境界線からの高さを確認し、最低限度に届くかを確かめる
- 高さが届かない部分でも間口率の超過分に当たるなら、空隙のない壁で対応できないか特定行政庁に相談する
条文の順番どおりに、分子・分母・高さの起点を一つずつ確認していくことが近道です。
計画を立てるときは、
順番に何を確認すればいいでしょうか。
まず都市計画図での指定確認からです。
次にチェックリストで確認しましょう。
よくある質問
まとめ
間口率と高さの計算、
条文の順番どおりに確認していきます!
特定防災街区整備地区のご相談も、㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第67条
- 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第136条の2の4
※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄の特定行政庁または消防署にご確認ください。





