連結送水管は、消防隊が送水口から水を送り込んで使う設備ですが、すべてが送水だけに頼る単純な仕組みではありません。
点検要領の第20には、送水口や放水用器具格納箱等に続いて、中間水槽等という区分が置かれています。
建物の中に水槽とポンプを持ち、送水を中継する仕組みを点検する項目です。
この記事では、告示と点検要領をもとに、連結送水管の中間水槽等で何をどう確かめるのかを整理します。
連結送水管って、送水口から水を送るだけの設備ではないのですか。
建物の中に中間水槽とポンプを持つ建物もあります。
まず点検要領の並びから見ていきましょう。
中間水槽の点検って、水位を見るだけで済むのですか。
告示は、外形と水状、給水装置、水位計、バルブ類まで並べています。
耐震措置とのつながりも含めて見ていきましょう。
- 点検要領第20は、送水口、放水用器具格納箱等、加圧送水装置に続けて中間水槽等という区分を置いています。
- 中間水槽は、外形と水状を目視と採水で確かめます。
- 給水装置は、減水状態では給水し、満水状態では給水が停止することを操作して確かめます。
- 水位計とバルブ類は、指示値の適正さと常時開又は常時閉の表示まで見ます。
- 配管の耐震措置は中間水槽も含めてまとめて確かめます。
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目次
連結送水管の点検で中間水槽等とはどこを指すのか

告示と点検要領の文は、次のとおりです。
ア 中間水槽 (ア) 外形 変形、損傷、漏水、著しい腐食等がないこと。(イ) 水状 著しい腐敗、浮遊物、沈澱物等がないこと。イ 給水装置 変形、損傷、著しい腐食等がなく、機能が正常であること。ウ 水位計 変形、損傷等がなく、指示値が適正で、かつ、正常に作動すること。エ バルブ類 漏れ、変形、損傷等がなく、開閉位置が正常で、かつ、開閉操作が容易にできること。
送水口だけの連結送水管は、消防ポンプ自動車からの送水に頼る仕組みですが、中間水槽を持つ連結送水管は、建物内で送水を中継するしくみを備えています。
告示別表第20は、中間水槽・給水装置・水位計・バルブ類の4項目を、この区分の中にまとめて並べています。
だから点検の前に、その建物の連結送水管が、送水口だけの仕組みか、中間水槽を持つ仕組みかを、図面で確かめておきましょう。
中間水槽が無い連結送水管もあるのですか。
点検要領は中間水槽等を区分として別に置いています。
建物によって持つ仕組みが分かれます。
中間水槽の外形と水状はどう確かめるのか

告示と点検要領の文は、次のとおりです。
ア 中間水槽 (ア) 外形 変形、損傷、漏水、著しい腐食等がないこと。(イ) 水状 著しい腐敗、浮遊物、沈澱物等がないこと。
中間水槽 外形 目視により確認する。変形、損傷、著しい腐食等がないこと。
水状 目視及びバケツ等を用いて採水し確認する。著しい腐敗、浮遊物、沈殿物等がないこと。
外形は、変形、損傷、著しい腐食等がないことが判定です。
水状は、著しい腐敗、浮遊物、沈殿物等がないことが判定で、水槽の水をそのまま見るだけでなく、実際にバケツ等で採水して確認します。
消防用水の貯水槽が変形・損傷・漏水・腐食を見るのと同じ考え方で、水の状態まで踏み込んで見ます。
だから点検の前に、採水のための容器を、点検の持ち物に入れておきましょう。
水状は、水槽の外から見るだけでは足りないのですか。
点検要領はバケツ等を用いて採水することまで求めています。
外から見るだけでは済みません。
給水装置はどうやって減水と満水を再現して確かめるのか

告示と点検要領の文は、次のとおりです。
イ 給水装置 変形、損傷、著しい腐食等がなく、機能が正常であること。
給水装置 目視及び排水弁の操作により確認する。なお、排水量が非常に多い場合又は排水弁が設けられていないもの等この方法によりがたいときは、次の方法により確認すること。ア 変形、損傷、著しい腐食等がないこと。イ 減水状態では給水し、満水状態では給水が停止すること。
(1) 水位電極を用いるものは、電極の回路の配線を外すこと(又は試験スイッチ)により減水状態にして給水を、その後、回路の配線を接続すること(又は試験スイッチ)により満水状態を再現して、給水の停止を確認する。
(2) ボールタップを用いるものは、手動操作によりボールを水中に没することにより減水状態にして給水を、その後、ボールをもとに戻すことにより満水状態を再現して、給水の停止を確認する。
判定は、変形、損傷、著しい腐食等がないことと、減水状態では給水し、満水状態では給水が停止することです。
排水弁の操作で確認しにくいときは、水位電極の回路の配線を外して減水状態を再現し、つなぎ直して満水状態を再現します。
ボールタップを用いるものは、手動でボールを水中に沈めて減水状態を、もとに戻して満水状態を再現します。
だから点検の前に、その中間水槽の給水装置が水位電極かボールタップかを、機種で確かめておきましょう。
水を実際に抜いて減水状態を作るのですか。
排水量が多い場合は、電極の配線やボールの操作で再現します。
排水せずに状態を作れます。
水位計とバルブ類は点検でどこを見るのか

告示と点検要領の文は、次のとおりです。
ウ 水位計 変形、損傷等がなく、指示値が適正で、かつ、正常に作動すること。エ バルブ類 漏れ、変形、損傷等がなく、開閉位置が正常で、かつ、開閉操作が容易にできること。
水位計 目視又は検尺により水位を測定し、水位計の指示値を確認する。ア 変形、損傷がなく、指示値が適正であること。イ 確実に作動すること。
バルブ類 目視及び手で操作することにより確認する。ア 排水管、補給水管等のバルブ類に漏れ、変形、損傷等がないこと。イ 開閉位置が正常であり、開閉操作が容易にできること。ウ 「常時開」又は「常時閉」の表示が適正であること。
水位計は、目視又は検尺により水位を測定し、変形、損傷がなく指示値が適正で、確実に作動することが判定です。
バルブ類は、排水管や補給水管等の漏れ、変形、損傷等がないことに加え、開閉位置が正常で開閉操作が容易にできることを見ます。
もう一つ、「常時開」又は「常時閉」の表示が適正であることも判定に入っています。
だから点検の前に、各バルブが常時開か常時閉かを、表示と図面で突き合わせておきましょう。
バルブは、開いているか閉じているかだけ見ればよいのですか。
点検要領は常時開又は常時閉の表示が適正かも判定にしています。
開閉位置と表示の両方を見ます。
配管の耐震措置はなぜ中間水槽までまとめて確かめるのか

告示と点検要領の文は、次のとおりです。
アンカーボルト、可とう管継手等に変形、損傷、著しい腐食等がなく、耐震措置が適正に行われていること。
耐震措置 中間水槽、配管、加圧送水装置等の据付支持等を目視及びスパナ等により確認する。ア 可とう式管継手等に漏れ、変形、損傷、著しい腐食等がないこと。イ アンカーボルト、ナット等に変形、損傷、緩み、脱落、著しい腐食等がないこと。ウ 壁又は床部分の貫通部分の間隔、充てん部については、施工時の状態が維持されていること。
判定は、可とう式管継手等に漏れ、変形、損傷、著しい腐食等がないことです。
アンカーボルトやナット等に変形、損傷、緩み、脱落、著しい腐食等がないことも見ます。
もう一つ、壁又は床部分の貫通部分の間隔、充てん部が、施工時の状態を維持しているかも判定に入っています。
だから点検の前に、中間水槽と配管の据付支持部分を、工具で触れられる状態にしておきましょう。
耐震措置は、配管だけを見ればよいのではないのですか。
点検要領は中間水槽、配管、加圧送水装置等をひと続きで確かめると書いています。
水槽だけ別に見るわけではありません。
よくある質問
まとめ
まず中間水槽の有無を図面で確かめるところから始めます!
連結送水管の点検は、送水口から耐震措置まで確かめて、初めて設備を見たといえます。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法施行規則第31条の6(消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告)
- 消防法施行規則第31条(連結送水管に関する基準の細目)
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第20 連結送水管
- 消防用設備等の点検要領(消防庁通知) 第20 連結送水管
※本記事は公表されている法令、告示および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の判断は、消防設備士や所轄消防署にご確認ください。





