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連結送水管の加圧送水装置は点検で何を見るのか|電動機の制御装置から起動装置とポンプと呼水装置まで解説

連結送水管の加圧送水装置は点検で何を見るのかを解説する記事のアイキャッチ

連結送水管は、消防隊が外の送水口から水を送り込む設備ですが、建物によっては送水口だけでなく、建物の中にポンプを持つものがあります。
高さのある建物では、送水口からの圧力だけでは足りず、加圧送水装置が水を押し上げる役目を担います。
点検では、この加圧送水装置の中の、制御装置や起動装置やポンプまで、ひとつずつ確かめます。
消防庁が示す点検要領には、連結送水管の項があり、送水口から加圧送水装置、呼水装置までを順に確かめる表が載っています。
この記事では、その表を、消防法施行規則の基準と照らして読みます。起動装置の始動表示灯と呼水装置の2分の1という基準まで、順に確かめます。

加圧送水装置の点検は、どこから見ればいいんでしょうか。

電動機の制御装置から、起動装置、電動機とポンプ、呼水装置の順に見ますよ。

起動装置は、ボタンを押すだけで済むんですか。

はい。
直接操作部と遠隔操作部で、始動表示灯の判定が少し違います。

この記事の結論
  • 連結送水管の加圧送水装置の機器点検は、消防庁の点検要領「第20 連結送水管」の表に沿って、電動機の制御装置→起動装置→電動機→ポンプ→呼水装置の順に行います
  • 起動装置は直接操作部と遠隔操作部に分かれ、どちらも加圧送水装置が確実に起動することを確かめますが、始動表示灯の判定は「点灯又は点滅」と「点灯」で違います
  • ポンプの性能は、吐出側の止水弁を閉じてからポンプを起動し、性能試験用配管のテスト弁を開放して確かめます
  • 呼水装置の自動給水装置と減水警報装置は、どちらも呼水槽の水量がおおむね2分の1に減水するまでが基準です
  • 総合点検は、非常電源に切り替えた状態で、直接操作部又は遠隔操作部の操作により加圧送水装置を起動させて確かめます

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連結送水管の加圧送水装置の点検の流れとして、電動機の制御装置を確認し、起動装置を操作し、電動機とポンプを確認し、呼水装置を確認するという4つの手順を示した図解

電動機の制御装置は、点検で何を見るのか

灰色の壁掛け式の制御盤の正面に丸い電圧計と丸い電流計があり、扉を開けた側面に配線がつながった端子台が見えるイメージ
消防法施行規則第31条の6第1項は、消防用設備等の点検を、種類と点検内容に応じて、一年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行うと定めています。
連結送水管の加圧送水装置は、告示別表第20の機器点検のうち、電動機の制御装置、起動装置、電動機、ポンプ、呼水装置の五つに分かれます。
最初の電動機の制御装置は、周囲の状況、外形、表示、電圧計及び電流計、開閉器及びスイッチ類、ヒューズ類、継電器、表示灯、結線接続、接地、予備品等の十一項目です。周囲の状況は、使用上及び点検上の障害となるものがないことを見ます。外形は、変形、損傷、著しい腐食等がないことを、表示は、銘板等の表示に不鮮明や脱落がなく適正になされていることを確かめます。
電圧計及び電流計は、変形や損傷がなく指針の位置が適正であること(電圧計等のないものは電源表示灯が点灯していること)を、開閉器及びスイッチ類は、変形・損傷・脱落・端子の緩み等がなく開閉位置及び開閉機能が正常であることを見ます。ヒューズ類は所定の種類及び容量のものが使われているか、継電器は脱落や端子の緩みがなく確実に作動するか、表示灯は正常に点灯するか、結線接続は断線や端子の緩みがないか、接地は著しい腐食や断線がないかを確かめ、予備品等は回路図や取扱説明書まで備えてあるかを見ます。

制御装置だけで、十一項目もあるんですね。

はい。
回路図と取扱説明書まで備品に含まれます。

起動装置は、直接操作部と遠隔操作部でどう違うのか

壁に取り付けられた赤い丸ボタンの押しボタン箱と、床に立つ台の上に表示灯付きの押しボタン箱が並んでいるイメージ
起動装置は、直接操作部と遠隔操作部の二つに分かれます。どちらも、周囲の状況、外形、表示、機能の四項目で組み立てが同じですが、機能の判定だけが違います。
直接操作部は、操作することにより、ア加圧送水装置が確実に起動すること、イ始動表示灯が点灯又は点滅することを確かめます。
遠隔操作部は、押ボタン等の操作により、ア加圧送水装置が確実に起動すること、イ始動表示灯が設けられているものにあっては点灯することを確かめます。
直接操作部は「点灯又は点滅」でよいのに対し、遠隔操作部は始動表示灯があるものに限って「点灯」が判定です。点滅の有無まで見るのは直接操作部だけという違いが、条文には表れています。

点灯と点滅、見分け方が違うだけなんですか。

はい。
直接操作部だけ、点滅も合格になります。

電動機とポンプは、どう動かして確かめるのか

青い電動機が軸継手を介して青いポンプにつながり、ポンプの上部に丸い連成計が付いているイメージ
電動機は、外形、回転軸、軸受部、軸継手、機能の五項目です。回転軸は手で回して円滑さを、軸受部は目視と手で触れて潤滑油の汚れや量を、軸継手はスパナ等で緩みがないかを確かめます。機能は起動装置の操作により確認し、著しい発熱、異常な振動、不規則又は不連続な雑音等がなく、回転方向が正常であることを見ます。運転による機能の点検を行うとき以外は、必ず電源を遮断して行うという留意事項もあります。
ポンプは、外形、回転軸、軸受部、グランド部、連成計及び圧力計、性能の六項目です。グランド部は著しい漏水がないかを、連成計及び圧力計はゲージコック等を閉じて水を抜き指針がゼロ点を指すか、開いて起動装置の操作で指針が作動するかを確かめます。
性能の確認は、ポンプ吐出側に設けられている止水弁を閉じたのち、ポンプを起動させ、性能試験用配管のテスト弁を開放して、流量計、圧力計及び連成計により確かめます。判定は、著しい発熱、異常な振動、不規則又は不連続な雑音等がなく、定格負荷運転時における吐出量及び吐出圧力が所定の値であることです。

性能の確認は、いきなりポンプを動かすんですか。

いいえ。
吐出側の止水弁を閉じてから起動させますよ。

呼水装置は、なぜ2分の1を基準にするのか

円筒形の呼水槽の側面に水位を示す小窓があり、横に丸いハンドルの付いた弁のある配管が立っているイメージ
呼水装置は、呼水槽、バルブ類、自動給水装置、減水警報装置の四項目です。呼水槽は、変形、損傷、漏水、著しい腐食等がなく、水量が規定量以上あることを見ます。バルブ類は、漏れや変形がなく、開閉位置が正常で「常時開」又は「常時閉」の表示が適正であることを確かめます。
自動給水装置は、外形を目視で、機能は排水弁の操作で確かめます。判定は、変形、損傷、著しい腐食等がないことに加え、呼水槽の水量が2分の1に減水するまでの間に作動することです。
減水警報装置は、目視に加え、補給水弁を閉じて排水弁を操作することで確かめます。判定は、変形、損傷、著しい腐食等がないことに加え、おおむね2分の1の水量に減水するまでに警報を発することです。
自動給水装置は水を補う側、減水警報装置は人に知らせる側という役割の違いはありますが、どちらも呼水槽のおおむね2分の1という同じ水位が、働き出す目安になっています。

給水も警報も、同じ水位で働くんですか。

はい。
おおむね2分の1が共通の目安です。

総合点検では、加圧送水装置の何を確かめるのか

制御盤のランプが点灯し青いチェックマークが付き、横に稲妻マークの付いた非常電源用の小さなバッテリー箱が置かれているイメージ
総合点検は、非常電源に切り替えた状態で、直接操作部又は遠隔操作部の操作により加圧送水装置を起動させ、次の事項を確かめます。病院等で非常電源への切替えが短時間であっても困難な場合は、常用電源で点検することができるとされています。
確かめる事項は、加圧送水装置、電動機の運転電流、運転状況の三つです。加圧送水装置は確実に起動すること、電動機の運転電流は指示値が適正であること、運転状況は運転中に不規則若しくは不連続な雑音又は異常な振動、発熱等がないことが判定です。
ブースターポンプで逃し配管のないものは、点検中の締切運転の場合、水温が異常に上昇しないうちに判定を行うよう留意するとされています。逃し水量の計算式は、消防ポンプの逃し水量はなぜ締切出力から計算して確かめるのか|屋内消火栓の点検で使う式と判定を解説で解説しています。

総合点検は、必ず非常電源で行うんですか。

原則はそうですが、
病院等は常用電源でも認められますよ。

よくある質問

Q起動装置の始動表示灯は、直接操作部と遠隔操作部で判定が違うのですか?
Aはい。直接操作部は点灯又は点滅すればよいのに対し、遠隔操作部は始動表示灯が設けられているものに限り点灯することが判定です。
Qポンプの性能試験は、点検のたびに水を実際に出すのですか?
Aはい。性能試験用配管のテスト弁を開放して、実際にポンプを動かし、流量計、圧力計及び連成計で確かめます。
Q呼水装置の自動給水装置と減水警報装置は、同じタイミングで働くのですか?
A基準の水位はどちらもおおむね2分の1ですが、片方は給水し、もう片方は警報を発するという別の機能です。
Q総合点検は、必ず非常電源に切り替えて行うのですか?
A原則はそうですが、病院等で非常電源への切替えが短時間でも困難な場合は、常用電源で点検してよいとされています。

まとめ

✔加圧送水装置の機器点検は、点検要領「第20 連結送水管」の表に沿って電動機の制御装置→起動装置→電動機→ポンプ→呼水装置の順に行う
✔電動機の制御装置は、電圧計・電流計から結線接続・接地・予備品等まで確かめる
✔起動装置は直接操作部と遠隔操作部に分かれ、始動表示灯の判定基準が違う
✔電動機とポンプの機能は、起動装置の操作により確かめる
✔ポンプの性能は、吐出側の止水弁を閉じてから起動し、テスト弁を開放して確かめる
✔呼水装置の自動給水装置と減水警報装置は、どちらも呼水槽のおおむね2分の1が基準
✔総合点検は非常電源に切り替えた状態で、直接操作部又は遠隔操作部の操作により加圧送水装置を起動させて確かめる

ボタンひとつでも、見るところは多いんですね。
制御装置から呼水槽まで洗い出してみます!

点検要領の表と突き合わせると確かです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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お問い合わせ

監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法施行規則第31条の6
  • 消防法施行規則第31条
  • 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年消防庁告示第14号)別表第20 連結送水管
  • 消防用設備等の点検要領(消防庁通知)第20 連結送水管

※本記事は公表されている法令および通知に基づく一般的な解説です。点検要領は改正されることがあります。個別の防火対象物についての点検の内容は、点検を行う消防設備士または消防設備点検資格者や、所轄の消防署にご確認ください。

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