消防設備士は、免状の交付を受けたあとも、工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を受け続ける義務があります。
この講習は、扱う設備の種類に応じていくつかの区分に分かれており、区分ごとに学ぶ科目と時間も決まっています。
では、講習はどのような単位で区分され、それぞれ何時間学ぶ必要があるのでしょうか。
答えは消防庁告示が定める4つの講習区分とその時間割にあります。
うちに出入りしている消防設備士さんが、再講習を受けに行くと言っていました。
講習にはいくつか種類があるのでしょうか。
消防設備士の再講習は4つの区分に分かれています。
持っている免状の類によって、受ける区分が変わります。
区分によって、学ぶ内容や時間も違うのでしょうか。
はい、法令科目と技術科目で時間も分かれています。
今日はその仕組みを一緒に確認していきましょう。
- 消防設備士の再講習は特殊消防用設備等・消火設備・警報設備・避難設備消火器の4つの区分に分かれています
- 免状の交付後最初の4月1日から2年以内に、その後は5年ごとに受講する義務があります
- 講習は法令等科目2時間30分以上と技術科目4時間以上の計6時間30分以上で構成されます
- 同じ講習区分の講習を6か月以内に続けて受ける場合は法令等科目を免除できます
- 受講する前には都道府県知事の公示と申請書類を確認しておくことが実務の要点です
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目次
消防設備士の再講習はなぜ4つの区分に分かれているのか

この講習の内容や時間を定めているのが、消防庁長官の告示です。
この委任を受けて定められているのが「工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習の実施細目を定める件」(平成16年9月29日消防庁告示第25号)です。
この告示は、講習を特殊消防用設備等・消火設備・警報設備・避難設備消火器の4つの区分に分けています。
区分は、消防設備士免状の類ごとに整備する設備の種類に合わせて設けられています。
次は、自分の免状がどの区分に当たるのかを確認します。
告示があるおかげで、講習の中身が全国共通になっているのですね。
そのとおりです。
次は、免状の類とどの区分が対応するのかを見ていきましょう。
自分の免状の類はどの区分の講習に当たるのか

自分が持っている類が、どの区分に含まれるかを知ることが第一歩です。
そのうえで、告示第25号第1は区分ごとの対象免状を一覧で示しています。
たとえば第4類の甲種・乙種消防設備士は警報設備の区分、第5類の甲種・乙種と第6類の乙種は避難設備・消火器の区分にそれぞれ含まれます。
複数の類を持つ人は、それぞれの類が属する区分ごとに講習の対象になります。
次は、区分ごとの講習で実際に何を学ぶのかを確認します。
うちに来てもらっている消防設備士さんは第4類だと聞きました。
それなら警報設備の区分になるのですね。
はい、そのとおりです。
次は区分ごとの講習で学ぶ中身を見てみましょう。
講習では法令科目と技術科目のどちらも学ぶのか

それぞれに決められた時間が設定されています。
法令科目では、工事整備対象設備等に関する規制の概要や、おおむね過去5年間の技術基準・関係法令の改正要点、消防設備士の責務などを学びます。
技術科目では、工事や整備の技術基準の要点、試験基準及び点検要領、奏功例や事故例などを扱います。
時間を合計すると、最低でも6時間30分以上の受講が必要です。
講習の最後には、30分程度の効果測定も行われます。
半日仕事どころか、まる一日近くかかるのですね。
そうですね、法令と技術の両方をしっかり学ぶ時間です。
次は、この時間を短縮できる場合の話をします。
複数の類を持っていると講習は毎回フルで受けなければならないのか

実は、一定の条件を満たせば科目の一部を免除できる仕組みがあります。
免除の対象になるのは工事整備対象設備等関係法令及び防火に関する他法令等に関する事項(イの科目)だけで、技術科目(ロ)は毎回受ける必要があります。
この仕組みを知らずに講習の日程を別々に組んでしまうと、同じ法令科目を何度も受けることになりかねません。
複数の類を計画的にまとめて受講することが、時間を無駄にしない実務の工夫です。
次は、受講そのものの手続きを確認します。
知らずに毎回フルで受けていたら、余計な時間を使うところでした。
そうなんです。
最後に、受講そのものの手続きを整理しておきましょう。
再講習を受ける前に何を確認すればよいのか

手続きの流れを知っておくと、直前になって慌てずに済みます。
受講を申し込む際は、消防設備士受講申請書に加えて、講習科目の一部免除を希望する場合はその証明書類、さらに提出前6か月以内に撮影した写真を添える必要があります。
講習を修了すると、免状への記載または修了証の交付によって証明されます。
公示のタイミングを見逃さないよう、免状の交付日や前回受講日から逆算して確認しておくと安心です。
区分・時間・免除の仕組みを踏まえておけば、再講習の計画は立てやすくなります。
公示を見逃さないように、次の受講期限をメモしておきます。
それが一番確実です。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。
よくある質問
まとめ
区分と時間の仕組みがよく分かりました。
次の受講日程を早速確認してみます!
計画的な受講が時間の節約につながります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第17条の10
- 消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第33条の17
- 工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習の実施細目を定める件(平成16年9月29日消防庁告示第25号、最終改正 令和6年1月26日消防庁告示第3号)
※本記事は公表されている法令および消防庁の告示に基づく一般的な解説です。講習の実施団体や日程は都道府県ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署または講習実施団体にご確認ください。





