消防用設備等の点検では、減光フィルターや加熱試験器など専用の試験器具が使われます。
これらの器具は使い続けるうちに表示する数値がずれていくため、定期的な校正が欠かせません。
では、その校正が正しく行われたことは、誰がどうやって保証しているのでしょうか。
答えは計量法が定めるJCSS登録事業者制度にあります。
うちの点検でも専用の試験器具が使われていると聞きました。
その校正がどう担保されているのか気になります。
校正のたしかさを支えているのが計量法のJCSS制度です。
登録を受けた事業者が校正すると、証明書に専用の標章が付きます。
登録を受けていない事業者が校正した場合はどうなるのでしょうか。
証明書があれば同じように信頼してよいのでしょうか。
登録の有無で、法律上の裏付けが変わってきます。
今日は制度の仕組みを一緒に確認していきましょう。
- 試験器具の校正を担保しているのは計量法の登録事業者制度です
- 校正事業者の登録は計量法第143条に基づく任意の制度です
- 登録には国家計量標準へのトレーサビリティと国際規格への適合という2つの要件があります
- 登録を受けた事業者だけが証明書にJCSS標章を付けられます
- 点検を依頼する側は証明書の登録番号と登録年月日を確認することが実務の要点です
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目次
点検で使う試験器具はなぜ校正が必要なのか

そのずれを直す作業が「校正」です。
差が分かって初めて、その器具がどれだけ正確かが分かります。
点検結果は試験器具の数値をそのまま根拠にするため、器具自体の正確さが担保されていなければ意味がありません。
だからこそ、点検で使う試験器具そのものにも定期的な校正が求められます。
問題は、その校正の質を誰がどう保証しているかです。
校正といっても、業者に任せておけば安心というものではないのですね。
はい、次は校正の質を保証する登録の仕組みを見ていきましょう。
校正を行う事業者はどうすれば登録を受けられるのか

ただしこの登録、実は義務ではありません。
登録を受けなくても校正の仕事自体はできます。
ただし登録を受けるには、国が指定する基準器へのトレーサビリティと、国際規格ISO・IECが定める校正機関の基準への適合という2つの要件を満たす必要があります。
言い換えると、登録の有無は「国の基準にきちんとつながっているか」の目印になります。
この目印がどう証明書に表れるのかを、次に見ていきます。
登録が任意だとは知りませんでした。
てっきり全員が受けているものだと思っていました。
そこが見落とされがちなポイントです。
登録を受けた事業者だけが名乗れる証があります。
登録を受けた事業者は証明書に何を付けられるのか

登録事業者だけに認められた特別な表示があります。
校正証明書にJCSSマークが付いていれば、その事業者が計量法上の登録を受けていることが分かります。
逆に登録を受けていない者がこの標章やまぎらわしい表示を証明書に付けることは、法律で禁止されています。
つまりマークの有無は、見た目の飾りではなく登録の証明そのものです。
次は、登録を受けていない場合に何が変わるのかを確認します。
証明書に付いているマークにそんな意味があったのですね。
今度から確認してみます。
はい、マークが無い証明書も存在します。
その違いを次で説明しますね。
登録を受けていない事業者の校正証明書はどう扱われるのか

ここが見落としやすい落とし穴です。
つまり未登録の証明書には、計量法上の裏付けが無いだけということです。
証明書の見た目が整っていても、マークが無ければ国が定めるトレーサビリティが取れているとは限りません。
点検の結果に関わる話なので、証明書を受け取って終わりにしないことが大切です。
明日から具体的に何を見ればよいのかを、最後にまとめます。
禁止はされていないと聞くと、余計に見分けがつきにくく感じます。
だからこそ、確認すべき項目を決めておくと安心です。
次でチェックポイントを整理します。
点検を依頼する側は校正証明書の何を確認すればよいのか

証明書の記載事項と照らし合わせれば確認できます。
これらが登録簿の記載事項と対応していれば、その校正は登録事業者によるものと確認できます。
JCSSマークの有無もあわせて見れば、二重に確認できます。
点検を委託する際は、点検業者だけでなく使われている試験器具の校正証明書まで目を通すことをおすすめします。
小さな確認の積み重ねが、点検結果そのものの信頼性を支えます。
今度の点検で、証明書の登録番号を確認してみます。
それが一番確実な方法です。
迷ったらいつでもご相談ください。
よくある質問
まとめ
証明書の見方がよく分かりました。
今度の点検で早速確認してみます!
証明書の確認だけでも安心につながります。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 計量法(平成四年法律第五十一号)第2条・第百四十三条・第百四十四条
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が公表するJCSS(校正事業者登録制度)に関する資料
※本記事は公表されている法令および公的機関の資料に基づく一般的な解説です。点検を委託する事業者の選定基準は現場ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署または専門業者にご確認ください。





