消火器の近くに掲げる標識は、長いあいだ「消火器」という文字の表示だけが基準でした。
ところが訪日外国人の増加にともない、文字だけの標識では伝わりにくい場面が増えています。
消防庁は平成29年の通知で、消火器の標識にピクトグラム(絵文字)を使う方法も示しました。
この記事では、ピクトグラムが使える条件と見落としやすい点を整理します。
うちの消火器、標識が古いままなので交換を考えています。
ちょうどいいタイミングです。
平成29年の通知で、表示の方法が広がっているんですよ。
文字の標識じゃなくてもいいんですか。
条件を満たせば絵文字の標識に変えられます。
今日はその条件を整理しますね。
- 消火器の標識は文字表示だけでなくピクトグラムでも設置できます
- 対象になるのは消火器を直接視認できる状態で設置している場合です
- ピクトグラムの大きさは9cm角以上と定められています
- 格納庫などに収めて見えない場合は対象外となり文字の標識が必要です
- 訪日外国人の利用が多い施設では積極的な指導が望ましいとされています
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目次
消火器の標識はなぜピクトグラムでも認められるようになったのか

平成29年11月20日の消防庁の通知で、その考え方が広がりました。
この通知は、訪日外国人の利用が想定される建物について、ピクトグラムによる案内を指導することが望ましいとしています。
令別表第一(1)項イ(劇場等)、(5)項イ(ホテル等)、(10)項(停車場等)が例として挙げられています。
文字が読めなくても一目で分かる絵文字のほうが、案内として機能する場面は少なくありません。
ただし、ピクトグラムに変えられるのは条件を満たした場合だけです。
外国人のお客さんが増えてきて、文字だけの標識で伝わるか気になっていました。
平成29年の通知で、ピクトグラムによる表示も認められているんですよ。
どんな設置のしかたなら対象になるのか

通知は「直接視認できる」ことを条件にしています。
今回の通知は、この条文(令第32条)の特例として、消火器を直接視認できる設置であることを前提にしています。
廊下や事務室の壁に、消火器がそのまま見える状態で置かれているようなケースが当てはまります。
逆に、収納棚や格納庫の中に収めて見えなくしている場合は、この条件から外れます。
まずは自分の建物の消火器が、どちらの置き方になっているかを確認することが出発点です。
うちの消火器は廊下にそのまま置いてあるので、よく見えますね。
それなら対象になります。
直接視認できることが条件なんです。
通知は何を求めているのか

通知は、使えるデザインと大きさを具体的に示しています。
もとの問いは、日本産業規格(JIS)Z8210に定める消火器のピクトグラムを掲げれば、規則第9条第4号の標識を設けなくてよいかというものでした。
これに対し、消防庁は差し支えないと答えています。
蓄光式のピクトグラムであっても、大きさの基準は同じ9cm角以上です。
デザインだけでなく、大きさまで確認して初めて条件を満たします。
絵文字だけで済むなら、お客さんにも分かりやすそうです。
ただ大きさにも決まりがあって、9cm角以上が必要なんですよ。
実務で見落としやすいのはどこか

見落としやすいのは、格納庫や収納の扱いです。 格納庫などに収めて消火器が見えない設置は、ピクトグラムに変える対象から外れます。
今回の条件は「消火器を直接視認できる状態で設置した場合」に限られているためです。
扉付きの格納庫にピクトグラムだけを貼り、消火器そのものは扉の中に隠れている、という状態は条件を満たしません。
この場合は、これまでどおり規則第9条第4号の「消火器」と表示した標識を設ける必要があります。
ピクトグラムを貼る前に、消火器自体が見える置き方になっているかを先に確認してください。
うちは格納庫に入れているので、見た目は隠れています。
それだと対象外です。
格納庫のままなら文字の標識も必要になります。
明日からなにを確認すればよいのか

順番に見ていきましょう。 まず消火器が直接視認できる設置かどうかを確認します。
格納庫や収納の中に収めている場合は、ピクトグラムへの変更はできません。
直接視認できる設置であれば、次にピクトグラムの大きさを測ります。
日本産業規格(JIS)Z8210のデザインで、9cm角以上あるかを確認してください。
訪日外国人の利用が多い施設では、この機会に案内のしやすさも見直してみましょう。
さっそく自分のところを確認してみます。
まずは消火器が見えているか、
それからピクトグラムの大きさを測ってみてください。
よくある質問
まとめ
標識の選び方がよく分かりました。
来週にでも確認します!
標識のご相談はいつでもお寄せください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等に係る執務資料の送付について(通知)(平成29年11月20日 消防予第355号、消防庁予防課長)問3
- 消防法施行令第32条(消防用設備等の特例)
- 消防法施行規則第9条第4号(消火器具に関する基準の細目)
※本記事は公表されている法令および消防庁の通知に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





