水噴霧消火設備の点検票には「測定機器」という欄があります。
圧力計や回路計、絶縁抵抗計などを記入する欄で、校正年月日もあわせて書き込みます。
一方、感知器の作動試験に使う加熱試験器などの試験器具は、専門機関による校正を受けるとされています。
測定機器欄に自主校正と書けるのは、試験器具とは別の扱いを受けているからです。
水噴霧消火設備の点検票を受け取ったんですが。
測定機器欄に自主校正と書かれていて、これでいいのか気になります。
測定機器欄は圧力計や回路計などの計器を書く欄です。
試験器具とは扱いが違うので、順番に確認しましょう。
試験器具は専門機関で校正すると聞いたことがあります。
測定機器も同じように専門機関でないと駄目なんでしょうか。
いいえ、測定機器と試験器具は点検要領の上で別の扱いです。
記事の中で違いを整理してお伝えします。
- 点検票の測定機器欄には、機器名・型式・校正年月日・製造者名を記入する(昭和50年消防庁告示第14号別記様式第4)。
- 対象になるのは、圧力計や回路計、絶縁抵抗計など、数値を読み取るための計器である。
- 感知器の作動試験に使う加熱試験器などの試験器具は、日本消防設備安全センター等専門機関の校正を受ける(昭和62年消防予第6号)。
- 測定機器には専門機関による校正を義務付ける規定が見当たらず、点検者自身の校正でよいとされている。
- 校正年月日を記録に残すことで、点検結果の数値がいつ確認された機器によるものかを後から確認できる。
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目次
点検票の測定機器欄には何を記入するのか

水噴霧消火設備点検票の末尾に、総合点検の結果とあわせて記入する欄があります。
対象になるのは圧力計や回路計、絶縁抵抗計など、点検の数値を読み取るために使う計器です。
この欄は水噴霧消火設備に限らず、他の設備の点検票にも同じ形式で設けられています。
欄の名前だけを見ると、感知器の試験に使う試験器具と同じもののように思えますが、扱いは別です。
欄の名前だけ見ると試験器具と同じに思えますね。
でも中身は違うんですね。
はい、形は似ていますが扱いは別です。
次は試験器具側のルールから見ていきます。
試験器具はなぜ専門機関の校正を受けるのか

まずこちらの校正ルールを確認します。
加熱試験器や減光フィルターなど、感知器の作動を試すための器具がこれに当たります。
校正は一般財団法人日本消防設備安全センターなど専門機関が行い、型式や校正年月日が記録されます。
試験器具が狂っていると、感知器が正常でも試験の結果だけが不合格に見えてしまうおそれがあります。
だからこそ試験器具の校正は、点検者個人の判断に任されていません。
試験器具はちゃんと専門機関で校正しているんですね。
これは知らなかったです。
感知器を試す大事な器具なので、校正先まで決まっています。
次は測定機器との違いを整理します。
測定機器は試験器具とどう違うのか

ここで点検要領の上での扱いを比べます。
試験器具は感知器を作動させて試すための専用品で、消防予第6号という通知で校正先まで指定されています。
一方、圧力計や回路計、絶縁抵抗計は、水噴霧消火設備だけでなく多くの設備の点検で使う汎用の計器です。
点検票の中では同じ「測定機器」という欄にまとめて記入しますが、根拠になる通知は別々です。
だから試験器具の校正ルールを、そのまま測定機器にも当てはめる必要はありません。
試験器具と測定機器、呼び方が似ていて紛らわしいです。
うっかり同じ扱いだと思ってしまいそうでした。
そうですね、根拠になる通知が別なので注意が必要です。
次は校正年月日欄の書き方を見てみましょう。
測定機器欄の校正年月日になぜ自主校正と書けるのか

自主校正という書き方の位置づけを確認します。
試験器具のように専門機関の証明書を取り直す決まりは、測定機器には見当たりません。
現場では、基準になるゲージや別の計器と見比べて狂いがないかを確かめ、その自主校正の年月日を欄に記入します。
これは校正をしなくてよいという意味ではなく、校正のやり方が試験器具とは違うという意味です。
欄を空欄のままにせず、確認した事実を記録として残すことが前提になります。
専門機関の証明書が無くてもいいなら安心しました。
でも書かなくていいわけじゃないんですね。
はい、確認した事実は必ず記録してください。
最後に、この欄が持つ意味をまとめます。
測定機器欄の記録はなぜ点検結果を裏づけるのか

欄を埋めることが点検結果とどう結びつくのかを見ます。
水噴霧消火設備の点検では、圧力計が示した数値がそのまま合否判定に使われます。
もしその圧力計が狂っていれば、点検結果の数値そのものが信用できなくなってしまいます。
機器名・型式・校正年月日・製造者名をあわせて記入しておけば、後から数値の根拠を遡って確認できます。
測定機器欄は小さな欄ですが、点検票全体の数値の信頼性を支えている欄です。
小さな欄だけど、意外と大事な役割があったんですね。
これなら納得して記入できます。
測定機器欄は点検結果の土台になる欄です。
最後によくある質問で細かい点を確認しましょう。
よくある質問
まとめ
測定機器欄の意味がよく分かりました!
次の点検票はちゃんと確認して記入します!
校正年月日と機器名を忘れずに書いてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。
㈱防災屋 代表取締役/消防設備士
平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!
本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。
詳しい経歴・保有資格を見る
- 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
- 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
- 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
- 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
- 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
- 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
- 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
- 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
- eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了
趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)
参考・出典
- 消防用設備等の点検の基準及び消防用設備等点検結果報告書に添付する点検票の様式を定める件(昭和50年10月16日消防庁告示第14号)別記様式第4
- 消防用設備等の試験等に係る試験器具等の取扱いについて(昭和62年1月13日消防予第6号、最終改正 平成13年消防予第103号・消防危第53号)
- 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第31条の6
※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。





