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特定屋外貯蔵タンクの基礎と地盤にはどんな構造基準があるのか|盛り土の締固めから地下水位の間隔までを解説

特定屋外貯蔵タンクの基礎と地盤にはどんな構造基準があるのかを解説する記事のアイキャッチ画像

危険物を大量に貯蔵する特定屋外貯蔵タンクは、タンク本体だけでなく、それを支える基礎と地盤にも細かな基準が定められています。
地盤が緩んで沈下や崩壊が起きないよう、強さの確認方法から盛り土の材質、地下水位との間隔まで条文で規定されています。
基準は地盤の強さの確認方法・盛り土の締固め・地下水位との間隔・周囲の補強まで一貫しています。
この記事では、特定屋外貯蔵タンクの基礎と地盤がどんな条文で支えられているのかを順番に整理します。

基礎や地盤にまで、そんなに細かい基準があるんですね。

はい、地盤の強さの確認方法から補強措置まで決まっています。

うちのタンクの基礎がどうなっているのか、正直よく分かりません。

はい、条文の号ごとに一つずつ見ていきましょう。

この記事の結論
  • 特定屋外貯蔵タンクの基礎及び地盤は、タンク荷重に対して安全で、地盤にすべりを生ずるおそれがあってはなりません。
  • 地盤の強さは標準貫入試験値二十以上・平板載荷試験値百メガニュートン毎立方メートル以上、または支持力と沈下量の計算のいずれかで確認します。
  • 基礎(盛り土)は砂質土等を用い、平板載荷試験値百メガニュートン毎立方メートル以上、またはこれと同等以上の堅固さが必要です。
  • 基礎の上面は特定屋外貯蔵タンクを設置する場所の地下水位と二メートル以上の間隔を確保しなければなりません。
  • これらは完成検査で確認される基準なので、増設や変更を検討するときは事前に所轄消防署へ確認してください。

特定屋外貯蔵タンクの基礎と地盤の構造基準が地盤の強さの確認から盛り土の締固め地下水位との間隔周囲の補強措置まで一貫していることを示す図解

特定屋外貯蔵タンクの基礎と地盤には何が求められるのか

特定屋外貯蔵タンクが低い基礎の上に据えられ、その真下の地盤が層になって支えているイメージ
まずは基礎と地盤に共通して求められる大原則を確認します。
タンクを支える土台そのものへの要求です。
危険物の規制に関する規則第二十条の二(基礎及び地盤)第一項 令第十一条第一項第三号の二(略)の総務省令で定める基礎及び地盤は、当該基礎及び地盤上に設置する特定屋外貯蔵タンク及びその附属設備の自重、貯蔵する危険物の重量等の荷重(以下「タンク荷重」という。)によつて生ずる応力に対して安全なものとする。第二項第一号 地盤は、岩盤の断層、切土及び盛土にまたがるもの等すべりを生ずるおそれのあるものでないこと。
基礎と地盤は、タンク荷重に対して安全でなければなりません。
規則第二十条の二第一項により、自重・貯蔵する危険物の重量等の荷重(タンク荷重)に対する安全性が大前提です。
第二項第一号では、岩盤の断層・切土及び盛土にまたがるものなど、すべりを生ずるおそれがある地盤は認められません。
つまり基礎と地盤は、タンクの重さそのものと、地盤が動いてしまうリスクの両方をクリアする必要があるということです。

タンクの重さだけでなく、地盤が動くリスクも見るんですね。

はい、タンク荷重と地盤のすべりの両方が対象です。
次は地盤の強さの確認方法を見ましょう。

地盤の強さはどうやって確認するのか

地盤に打ち込む標準貫入試験の機材と円形の板で地盤を押す平板載荷試験の機材を並べたイメージ
次に地盤そのものの強さを確認する方法を見ます。
確認方法には二つの経路があります。
危険物の規制に関する規則第二十条の二第二項第二号 地盤は、次のいずれかに適合するものであること。イ 告示で定める範囲内における地盤が標準貫入試験及び平板載荷試験において、それぞれ標準貫入試験値が二十以上及び平板載荷試験値(五ミリメートル沈下時における試験値(K30値)とする。)が百メガニュートン毎立方メートル以上の値を有するものであること。ロ 告示で定める範囲内における地盤が次の各号に適合するものであること(略)。
地盤の強さの確認方法は二つのうちどちらかです。
規則第二十条の二第二項第二号イにより、標準貫入試験値二十以上及び平板載荷試験値百メガニュートン毎立方メートル以上を満たす方法が一つ目です。
同号ロでは、支持力の安全率や沈下量の計算、地質や圧密度試験による方法も認められています。
どちらの経路でも、最終的に地盤が基礎を安全に支えられることを数値で示す点は共通しています。

試験の方法にも選択肢があるんですね。

はい、数値で示す方法ならどちらでも構いません。
次は基礎そのものの材質を見ましょう。

基礎(盛り土)にはどんな基準があるのか

砂や砂利を層状に固めた盛り土の断面をローラーで締め固めているイメージ
続いて基礎そのものの材質と締固めの基準を確認します。
盛り土として認められる条件です。
危険物の規制に関する規則第二十条の二第二項第四号 基礎は、砂質土又はこれと同等以上の締固め性を有するものを用いて告示で定めるところにより造るものであつて、かつ、平板載荷試験において平板載荷試験値が百メガニュートン毎立方メートル以上の値を有するもの(以下「盛り土」という。)又はこれと同等以上の堅固さを有するものとすること。
基礎は砂質土等を締め固めて造ります。
規則第二十条の二第二項第四号により、基礎には砂質土又はこれと同等以上の締固め性を有するものを用いなければなりません。
造成した基礎は、平板載荷試験値が百メガニュートン毎立方メートル以上であることも必要です。
これらの条件を満たしたものを条文上「盛り土」と呼び、これと同等以上の堅固さがあるものも認められています。

砂ならなんでもいいわけではないんですね。

はい、締固め性と試験値の両方が条件です。
次は地下水位との関係を見ましょう。

地下水位や周囲の補強はなぜ必要なのか

地下水位との間隔が十分に確保された基礎と水位に接してしまっている基礎を比較したイメージ
基礎の位置と周囲についての基準も確認します。
水位と補強がテーマです。
危険物の規制に関する規則第二十条の二第二項第五号 基礎(盛り土であるものに限る。次号において同じ。)は、その上面が特定屋外貯蔵タンクを設置する場所の地下水位と二メートル以上の間隔が確保できるものであること。第六号 基礎又は基礎の周囲には、告示で定めるところにより当該基礎を補強するための措置を講ずること。
基礎の上面は地下水位と二メートル以上離します。
規則第二十条の二第二項第五号により、盛り土である基礎の上面は、地下水位と二メートル以上の間隔を確保しなければなりません。
同項第六号では、基礎又はその周囲に告示で定める補強のための措置を講ずることも求められています。
なお地盤が海や河川、湖沼等に面している場合は、すべりに関する安全率も別途満たす必要があります。
水位・補強・立地のいずれも、基礎が長期間安定して機能するための条件です。

水位が近いだけでも問題になるんですね。

はい、二メートル以上の間隔が目安です。
最後に確認の手順をまとめます。

明日から何を確認すればよいのか

作業員がタンクの基礎のそばで地盤調査の記録を手に確認しているイメージ
ここまでの基準を、現場で確認する手順に落とし込みます。
完成検査の記録を見ながら進めてください。 新設や変更工事の完成検査前に、地盤の強さを示す試験結果や構造計算書が残っているかを確認してください。
竣工図や地盤調査報告書で、盛り土の材質や地下水位との間隔が基準どおりか照合してください。
基礎の周囲に施された補強の内容も、設計図と現地の両方で確認しておくと安心です。
記録が見当たらない場合や工事内容が分からない場合は、施工業者や所轄消防署に確認することをお勧めします。
タンクの補修や増設を検討するときも、事前に所轄消防署へ相談してください。

まずは自分のタンクの地盤調査記録や竣工図を確認してみます。

それが一番確実です。
よくある質問もあわせてご確認ください。

よくある質問

Q地盤の強さを確認する方法は一つだけですか?
Aいいえ。規則第二十条の二第二項第二号により、標準貫入試験と平板載荷試験による方法、または支持力と沈下量の計算による方法のいずれかで確認できます。
Q盛り土であれば材質は何でもよいですか?
Aいいえ。基礎に用いる盛り土は砂質土又はこれと同等以上の締固め性を有するものに限られ、平板載荷試験値が百メガニュートン毎立方メートル以上であることも必要です。
Q地下水位との間隔はどんな基礎にも必要ですか?
A二メートル以上の間隔が求められるのは盛り土である基礎です。規則第二十条の二第二項第五号にこの間隔が明記されています。
Q海や川に近いタンクには追加の基準がありますか?
Aあります。地盤が海、河川、湖沼等に面している場合は、すべりに関して告示で定める安全率を満たす必要があります(同項第三号)。

まとめ

基礎及び地盤は、タンク荷重によって生ずる応力に対して安全なものでなければなりません
地盤にすべりを生ずるおそれがあってはなりません
地盤の強さは標準貫入試験・平板載荷試験、または支持力と沈下量の計算のいずれかで確認します
標準貫入試験値は二十以上、平板載荷試験値は百メガニュートン毎立方メートル以上が目安です
基礎(盛り土)は砂質土等を用いて造り、平板載荷試験値百メガニュートン毎立方メートル以上、またはこれと同等以上の堅固さが必要です
基礎の上面は地下水位と二メートル以上の間隔を確保します
基礎又は基礎の周囲には補強措置を講じ、増設や変更の前に所轄消防署へ確認してください

基礎と地盤にここまで基準があること、よく分かりました。
助かります

まずは地盤調査記録と竣工図の確認から始めてください。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 危険物の規制に関する政令第十一条第一項第三号の二
  • 危険物の規制に関する規則第二十条の二(基礎及び地盤)

※本記事は公表されている法令および消防庁等の資料に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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