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日本消防検定協会以外にも検定ができる機関はあるのか|登録検定機関の要件と総務大臣の監督権限を解説

登録検定機関の要件と総務大臣の監督を解説する記事のアイキャッチ画像

消火器やスプリンクラーヘッドといった消防用の機械器具には、決められた検定に合格した印が付いています。
この検定は、多くの人が日本消防検定協会だけが行っていると思っていますが、実は総務大臣の登録を受けた民間の法人も行うことができます。
どちらが検定を行っても効力は同じですが、登録される法人には独立性や設備面で細かい要件が課されています。
この記事では消防法第21条の45から第21条の57が定める登録検定機関の仕組みと、総務大臣による監督の内容を解説します。

検定マークって、日本消防検定協会だけが付けられるものだと思っていました。

いいえ、総務大臣の登録を受けた法人も検定を行うことができますよ。

民間の会社でも検定をしていいんですか。誰でもなれるんですか。

いいえ、設備や人員に加えてメーカーから独立していることまで細かく要件が決まっています。

この記事の結論
  • 消防用機械器具等の検定は日本消防検定協会のほか、総務大臣の登録を受けた法人(登録検定機関)も行える
  • 登録を受けるには設備・技術者の要件に加え、製造・販売業者から独立していることが求められる
  • 登録検定機関は求められれば遅滞なく公正に検定等を行う義務があり、業務規程は総務大臣の認可制
  • 要件を欠いたり不正があったりすると総務大臣が登録を取り消すことがある
  • 登録の内容や取消しは総務大臣による公示で確認でき、検定の処分に不服があれば審査請求もできる

検定は日本消防検定協会だけでなく登録検定機関でも行えることを示す図解

日本消防検定協会以外にも検定ができる機関はあるのか

日本消防検定協会の建物と登録を受けた民間法人の建物が並んでいる様子
消防用の機械器具等の検定というと、日本消防検定協会を思い浮かべる方が多いはずです。
実は消防法は、協会以外の法人にも検定を行う道を用意しています。
第21条の45 第十七条の二第一項又は第二十一条の三第一項の規定による登録(以下この節において単に「登録」という。)は、次に掲げる業務の区分ごとに、特殊消防用設備等の性能に関する評価並びに検定対象機械器具等についての試験及び型式適合検定(以下この節において「検定等」という。)を行おうとする法人の申請により行う。 一 特殊消防用設備等の性能に関する評価を行う業務 二 消火に係る検定対象機械器具等についての試験及び型式適合検定を行う業務 三 火災の感知及び警報に係る検定対象機械器具等(前号に掲げるものを除く。)についての試験及び型式適合検定を行う業務 四 人命の救助に係る検定対象機械器具等その他の検定対象機械器具等(前二号に掲げるものを除く。)についての試験及び型式適合検定を行う業務
検定等は協会と登録検定機関の二本立てで行われます。
登録は消火・感知警報・人命救助等の4区分に分かれており、法人はこの区分ごとに申請します。
つまり「消火器の検定だけを行う登録検定機関」のように、業務範囲を限定した登録もありえます。
どちらが検定を行っても法律上の効力は同じで、合格した製品には同じように表示が付されます。
自社が使う消防用設備等の検定機関を調べるときは、まず協会か登録検定機関のどちらかであることを確認しましょう。

登録検定機関が受け持てる範囲は決まっているんですね。

はい、4つの業務区分ごとに登録されますよ。
効力は協会が行う検定と変わりません。

どんな法人なら登録検定機関になれるのか

測定器具を備えた検査室で技術者が製品を試験している様子
登録検定機関は誰でもなれるわけではありません。
消防法は設備・人員の要件に加えて、公正さを保つための独立性まで求めています。
第21条の46(要旨) 総務大臣は、登録申請者が次の要件を満たしているときは、登録をしなければならない。 一 業務の区分に応じ、条件に適合する者を有していること 二 業務の区分に応じ、必要な機械器具その他の設備を用いて業務を行うものであること 三 登録申請者が、検定等を受けなければならないこととされる製造・加工・販売等を行う事業者に支配されているものでないこと(親法人である場合、役員の2分の1を超えて事業者の役員等が占める場合など) 四 検定等の業務を行う部門に専任の管理者を置き、業務の管理及び精度の確保に関する文書を備えていること
要件の中心は設備・人員と、事業者からの独立性です。
別表で定める機械器具や技術者を備えているだけでなく、検定を受ける側の会社に支配されていないことが求められます。
親会社が製造業者である、役員の半数超がメーカーの役員や職員である、といった状態では登録できません。
検定を行う部門には専任の管理者を置き、業務の管理や精度確保の文書を整えることも条件になっています。
これらの要件は、検定の結果がメーカー側の都合で歪められないようにするための仕組みです。

メーカーの子会社みたいなところは検定できないんですか。

基本的にはできません。
事業者に支配されている法人は登録の対象外です。

登録検定機関にはどんな義務が課されるのか

申請書と製品を受け取った検査員が公正に試験を進めている様子
登録を受けた後も、登録検定機関は自由に業務を行えるわけではありません。
検定等を求められたときの対応や、業務のやり方そのものに義務が課されます。
第21条の四十九 登録検定機関は、検定等を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検定等を行わなければならない。 登録検定機関は、公正に、かつ、総務省令で定める技術上の基準に適合する方法により検定等を行わなければならない。 第21条の五十一(要旨) 登録検定機関は、検定等の実施方法や料金等の業務規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。変更するときも同様である。
依頼を正当な理由なく断ることはできません。
検定等は公正に、かつ技術上の基準どおりに行う義務があり、独自のやり方に変えることはできません。
料金や実施方法を定めた業務規程も、あらかじめ総務大臣の認可を受けたものでなければなりません。
つまり登録検定機関は、価格や手続きを勝手に決められる立場ではないということです。
検定を依頼する側は、この義務がある前提で依頼先を選ぶことができます。

正当な理由なく断られることはないんですね。

はい、遅滞なく公正に行う義務があります。
料金も認可を受けた業務規程どおりです。

登録検定機関が登録を取り消されることはあるのか

検査機関の建物に総務大臣からの取消しの通知が届いている様子
登録を受けた後に要件を満たさなくなったり、不正が見つかったりすることもあります。
そうした場合に備えて、総務大臣には登録を取り消す権限が与えられています。
第21条の五十七(要旨) 総務大臣は、登録検定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて検定等の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。 一 この法律又はこの法律に基づく命令に違反したとき 二 登録の要件を満たさなくなつたと認められるとき 三 業務規程を変更すべき命令等に違反したとき 四 認可を受けた業務規程によらないで検定等の業務を行つたとき 五 正当な理由がないのに帳簿等の請求を拒んだとき 六 不正な手段により登録を受けたとき 総務大臣は、登録を取り消し、又は業務の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない
不正の手段による登録は取消しの対象になります。
一部の要件を欠いた場合は登録を取り消すか、業務の全部又は一部を停止させることができます。
特に不正な手段による登録や親会社からの支配の要件違反は、公正さの土台を崩すため重く扱われます。
取消しや業務停止は総務大臣による公示が伴うため、後から誰でも確認できる仕組みです。
長年付き合いのある検定機関でも、公示情報が更新されていないかを時々確認しておくと安心です。

取り消されたらそこで受けていた検定はどうなるんですか。

取消しは必ず公示されます。
心配なときは公示の内容を確認してください。

登録検定機関について明日から何を確認すればよいか

管理者が消防用設備の書類を手に窓口で確認している様子
ここまでの内容を踏まえて、自社の設備管理で確認しておきたいことを整理します。
検定機関そのものを日常的に意識する場面は少なくても、知っておくと役立ちます。
  • 消防用機械器具等の検定は日本消防検定協会登録検定機関のどちらでも同じ効力を持つと知っておく
  • 登録検定機関は製造・販売業者から独立していることが法律上の条件になっている
  • 登録内容の変更や取消し、業務停止は総務大臣による公示で確認できる
  • 検定に関する処分に納得できないときは総務大臣への審査請求という手段がある
ポイントは検定機関の種類ではなく、その独立性と義務にあります。
協会であっても登録検定機関であっても、検定は同じ技術上の基準に沿って公正に行われます。
取引先の検定機関について疑問があれば、総務大臣の公示情報を確認することができます。
検定の結果に納得できない場合は、審査請求という不服申立ての手段があることも覚えておきましょう。
日々の点検や設備更新の中で、検定マークの意味を少し意識してみてください。

検定マークの意味、今度からちゃんと見てみます。

それが安心につながります。
気になる点があれば公示情報を確認してください。

よくある質問

Q登録検定機関が行った検定は協会の検定より効力が弱いのですか?
Aいいえ。法律上は同じ効力を持ちます。どちらが行った検定でも表示の意味は変わりません。
Q登録検定機関はどんな業務区分でも検定を行えるのですか?
Aいいえ。消火・感知警報・人命救助等の区分ごとに登録されるため、登録を受けた区分の範囲でのみ行えます。
Qメーカーの関連会社が検定機関になることはできますか?
A原則できません。検定を受ける事業者に支配されていないことが登録の要件になっています。
Q検定の結果に納得できないときはどうすればよいですか?
A型式適合検定に関する処分については、総務大臣への審査請求という不服申立ての手段があります。

まとめ

消防用機械器具等の検定は日本消防検定協会のほか登録検定機関も行える
登録は消火・感知警報・人命救助等の4区分ごとに行われる
登録検定機関は事業者から独立していることが要件になっている
検定等は正当な理由なく拒めず、公正に行う義務がある
業務規程は総務大臣の認可を受けたものに限られる
要件違反や不正があると登録取消しや業務停止の対象になる
登録の状況は総務大臣の公示で確認でき、処分に不服なら審査請求もできる

検定マークの意味が分かって、少し設備を見る目が変わりました。

それは何よりです。
㈱防災屋でもご相談を承っております。

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監修・編集者
青木 俊輔
青木 俊輔

㈱防災屋 代表取締役/消防設備士

平成元年生まれ、三重県鈴鹿市出身。祖父が創業した消防設備業者で10年間勤務した後、独立・起業。現在は青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団の運営に携わる。Amazonベストセラー1位『改訂版 消防設備士0類』著者。月刊誌「電気と工事(オーム社)」でコラム連載中!

本記事の消防法令、消防用設備等の技術情報および記述内容を監修・編集しています。

詳しい経歴・保有資格を見る
学歴
  • 鈴鹿工業高等専門学校 材料工学科 卒
  • 静岡大学工学部物質工学科 材料科学コース 卒
  • 静岡大学大学院工学研究科物質工学専攻 修了
保有資格
  • 消防設備士:甲種特類、甲種1~5類、乙種6・7類
  • 危険物取扱者:甲種、乙種1~6類、丙種
  • 防火対象物点検資格者/防災管理点検資格者/甲種防火管理者
  • 第二種電気工事士/工事担任者(総合通信)/第三種電気主任技術者
  • 自家用発電設備専門技術者/特種電気工事資格者/職長・安全衛生責任者
  • eco検定/民泊適正管理主任者/フォークリフト運転技能講習 修了

趣味:ギター、バスケットボール(全国高専大会優勝・キャプテン)

主な活動

参考・出典

  • 消防法第21条の45(e-Gov法令検索)
  • 消防法第21条の46(e-Gov法令検索)
  • 消防法第21条の49・第21条の51(e-Gov法令検索)
  • 消防法第21条の57(e-Gov法令検索)

※本記事は公表されている法令に基づく一般的な解説です。条例や運用は市町村ごとに異なる場合があります。個別の判断は所轄消防署にご確認ください。

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